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9月8日。
マッドコンディションの第二Nダムから引き上げ、携帯からパソコンにデータを移しながら次の釣りを思う。もう一度あの場所でやりたい。秋も深まり、平均水温が低いダムではシーズンオフも間近であると考えられる。その少し前のこの時期に、まともなコンディションのオータムステージを経験したい。
気温は前回釣行の9月8日から、2日後の10日昼に29度まで上がった。その後、週末にかけて下がってゆき、最低気温が10℃代、もしくは一桁になる予報となっている。北海道らしい温度差とも言えるが、今年は少々寒くなるのが早い気がする。秋は瞬く間に過ぎ去り、一気に冬へ向かうことだろう。
ここまで大きく天候が悪化した日はないため、もうダムの濁りは治まっているはずだ。釣りに行きたい。いや、行かなくちゃいけないんだ。折れた歯が舌に刺さって痛い。でも心は折れるどころか溌剌としている。9月11日の夜。明日、歯の治療に行ってこよう。そしてそれが早く済めば、夕方から釣りをする時間を作れる。そう考えながら、扇風機をかけてベッドに横たわる。こんな暑いと感じる夜も、今年で最後かもしれない。
9月12日 16時。
ダムの畔に立つことが出来た私の心は逸る。水に透明度はないが、この色なら濁っていると言える程ではない。さぁ、暗くなる前にタックルを拵えなくてはならない。荷物をくくりつけたキャリーで釣り場まで二往復。迷いなく、すぐに竿をケースから出す。

キャリーに荷物を括り付けて2往復
今回は竿を三本出す。狭い釣り場で苦労も増えるが、少しでも可能性を掴み捕りたい。一番竿、二番竿のラインには前回着けたラインマーカーをそのままにしているので、すぐにポイント近くにキャスト出来る。三番竿のラインにはそれがない為、他二本と同じく、島に向けて約70mの距離に打とうかと思ったが、せっかくの三本竿なので目先を変えて約75mまで距離を伸ばしてキャストしてみる。島に近づけ過ぎると釣れない、という経験があるが、それは夏の話。もしかしたらシーズンによって、コンディションによって違う結果が出るかもしれない。針の付いていない仕掛けを約75m地点に投げ、新たにラインマーカーを着けてリールのクリップに固定した。そしてその状態のままフィーディングも行う。
使うボイリーは前回から変えずにカープロードの 「キングクラブ20mm」 を使う。それに併せ、今回の寄せエサは動物質のものを多く使い、「巨鯉II」
をベースに海用のコマセエサ 「スーパーワンスペシャル」 を配合する。スーパーワンは粘性が弱いため、この配合ならダンゴ状にしてもバラけが早い。また寄せエサとしてキングクラブ16mmもベイトロケットでいつもより多めに撒いておいた。出し惜しみはなしだ。
食わせの方は、一番竿のみキングクラブ20mmシングルをそれ用のブローバックリグに装着した。他二本は前回同様にキング20mm+15mmポップアップのスノーマンでやる。
スーパー1スペシャルを寄せ餌に配合 |
キングクラブポップアップをトップにしてスノーマンに |
フックにはPVAストリングにキングクラブ16mmを5個取り付けたものを結ぶ。PVAとベイトロケットで飛ばす寄せ餌用のボイリーには傷をつけ、フレーバーを水中でより際立たせるように細工した。竿三本の仕掛けをそれぞれのフィーディングベッドの中にキャストしてセットを終える。急ピッチで進めた作業でなんとか日没前に間に合った。
寄せエサ用のボイリーには傷をつける |
なんとか日没前にセット完了 |
もう真っ暗になってしまって見えないが、ダムの流れは速いようで、スプールがカチっと音を立てている。しかしその頻度は少なく、ラインが煽られて流されてしまうということはなさそうだ。
19時58分。夕食のコンビニパンを食べていたところに三番竿にアタリ。下流へと引き込まれてゆく竿を目にして、頬張っていたパンの袋をそっとピクニックバスケットに置く。落ち着いて。竿に触れ、グリップを手に穂先を掲げると、小さくはないサイズの手応えが返ってきた。特に走りが速いわけでないが、全然引かないわけでもない。岸を目前にして深みへ潜らんとする力は強く、ライトが捉えられない距離の暗闇の中で大きく荒ぶ音が届く。ダムの水はいつの間にか引いていて、セット時には浸かっていた底が露呈している。そこへ踏み入れば、楽にタモ入れが出来そうだ。
しかし、竿を絞っても魚が寄ってこない。わかるのは左二本の竿のラインが絡んでいる事だけだ。こんな狭い場所に三本も竿を出せばそれは仕方のない事だ。しかしどうなっている?ヘッドライトが浮いた鯉の姿をぼんやりと捉える。だが、その位置からこちらへ寄ってこない。鯉の上のラインに付いているのは何だ?流れてきた草か・・・それにしては竿を振っても外れてくれない。あれは・・・もしや絡まったラインの塊か。本当にどうなっている?息が荒くなる。絶対に逃がすわけにはいかないのに・・・。ラインを張り、特に意図したものはないが、掛かり出しの動作をしてみる。すると鯉がこちらへ寄って来た。何がなんだか分からないがすごい幸運だ。タモに入った鯉は80cm台と確信。滅茶苦茶になった三本分のラインはリグチューブの位置まで絡んでおり、その塊の下に抜群のフッキングをした鯉がいる。ライン類はもうダメだ。ほどけるような物ではない。仕掛けの上からラインを切って鯉から引き離す。そしてひとまず落ち着こう。吐く息は白く気温の低下が伺えるが、体は熱い。鯉は恐らくこのダムでの自己記録となるだろう。正確な計測をしたい。鯉を濡らしたマットに包んでおき、車へ検寸台を取りに行く。久しぶりに興奮を覚える。

85cm このダムでの自己最高 やっと来てくれた
鯉の尾は85cmを示した。ああ、此処での釣行を諦めなくて良かった。折れそうになる心を支えてくれた石狩川での 「苦行の経験」 が成した釣果だ。そしてヒットしたのは
「釣れない」 と思い込んでいたポイントだった。敢えてそこに打って目先を変えるという発想が功を奏した。これで自分の中にあった一つの常識が覆る。面白い。サイズとしては茨戸や新川で釣れる鯉と大差なく、記録的なものにはならないが、
「この場所」 だから喜びも一入。まるでメーターを釣ったかのように今の私は浮かれてる。
この場所では少なくないの数のボウズを食らっている。一泊の釣行をした去年8月4日~8月5日は、フルーツ系ボイリーでやったがボウズとなったため、改めて8月11日から8月13日にかけて二連泊の釣りをした。最初は生エサで試すも、エサ持ちが悪くて使えず、後半12日午後から13日夕方までは動物性ボイリーでやってみたが、それでも釣れなかった。 「釣行記」 のhtmlとしてここに掲載していないのは、行動を大きく変化させなかったために書くことに乏しく、いつもの幼稚な妄言を書き殴ったばかりの記事になったからだ。携帯に保存したままで、撮った写真以外をパソコンに移行する気が起きなかった。
2018年から始まったこのダムの大鯉狙いだが、上記の他にもボウズで終わった釣りがある。それでもこのダムに感じるポテンシャルを信じてやり込んだ。釣れないからもう行かない、などと簡単に諦めてしまうのは、未開拓の水域で鯉釣りをするにあたっては甘い。鯉は
「一日一寸」 なのだ。ボウズを食らったからといって一々落ち込むようなメンタルなら、自分やフィールドを信じて釣りを続けるということは出来ず、本当の答えが出てこないし経験も不足する。石狩川での釣行で、釣り方が分からず連続ボウズを食らいながら、様々なことを試す苦行のような釣行で知った
「一日一寸」 という格言の重み。挫折しそうになるくらいが丁度良い。このダムの鯉は85とか、こんなもんじゃないだろう。規模、特色からしてもっと大きな鯉が居ると伺える。だからこのダムに通うのはまだまだ止めないだろう。

石狩川での苦行を思い出す
気温は14℃まで下がり、水温も18℃と開始時より二度落ちている。さて、絡んだラインをどうにかしなくてはならない。三番竿は先ほど仕掛けの上のラインを切っている。問題は他二本だ。これも切らなくてはならないが、仕掛けを捨てなくない。一本に捩れた二本分のラインを掴み、引くと一番竿、二番竿の仕掛けが一緒に上がってきた。これなら罪悪感は残らない。仕掛けは全て解体し、傷んでいる箇所がないか確認しながら組み直すしかない。

ラインが絡みごっそりと塊になってしまった
復旧作業には思っていた以上に時間がかかり、もう22時になりかけている。やはり竿三本は無理がある。何故あんな絡み方をしたのか、まだ納得できていないが、同じ事がまた起きぬよう、三番竿を退けてここからは二本の竿でいく。ヒットしたのは三番竿であるから、二本とも三番竿と同じポイントとそれと同じ距離に打つ。また、両方ともスノーマンにしてヒットパターンを作りたい。ラインマーカーを外してしまったので闇の中、自分の感覚にまかせたキャストをしなければならないのには不安を感じるが、キャストフィーリングが違ったり、着水音が違ったりすれば何度でもやり直せばいい。
23時30分。一番竿にウグイが掛かった。あれだけ派手なフィーディングをしたのだから、来て当然だろう。多少は覚悟している。ウグイにやられても、しつこく攻め続ける姿勢だ。ウグイすら釣れないという前回の寂しさよりずっといい。
気づけば頭上に満天の星。最も明るい星が湖面に映って揺れる。知っているようで知らない星座。その中に流れ星を探すも、なかなか現れてはくれない。でもそんな、何処から現れて何処に消えるかわからない流れ星のような鯉を捕えることができたのだ。この心も満天といえよう。15年前のウォークマンを片手に、今年最後に見るかもしれない北斗七星を眺めながら、歌詞に
「星」 が付く楽曲を聴く。何を取ってしても途方もない宇宙には興味がないが、釣りの風情を語るには星空は切り離せない。あの点々模様を眺めながら、一体いくつの夜を竿を出しながら過ごしただろうか。輝き渡る天の下でロッドを振れることに幸せを感じる。
午前1時。深夜から朝にかけてのヒットを待つべくエサ換えを行い、寄せエサも追加しておく。今のところ、ボイリーに傷が付かずに返ってきていることから、ヒットするウグイ以外の魚に邪魔されてはいないようだ。

深夜から朝のアタリに備えて寄せ餌を追加
スーパーワンという海用のコマセは、集魚力が高くても無駄な配合物が入っていないため、ウグイなどの中型の魚の標的にされにくい。本当に小さな稚魚を除けば、淡水では鯉のような、微粒子を感知するのに優れている魚だけが寄ってくる。スーパーワンを使うのは初めてではないが、改めて鯉釣りに有利なギアであるといえる。他の海用のコマセには淡水魚には刺激が強い食塩が多く入っているものが多いが、食べてみたところ、スーパーワンは食塩の配合が他の製品に比べて少ないように感じる。そこも着目した点だ。
午前2時40分。目の前の闇に点る青。一番竿のアラームが小刻みに鳴った。ウグイの疑いがある。チェアに腰掛けたまま、観ていた携帯の動画を停止。10秒程経って、スプールが回り始めた。イヤホンを外してライトを点ける。これを期待して眠気を冷ましながらこの時間までテントに入らなかったんだ。ドラグノブを一回転。そしてアワセを入れる。今度の魚は上流へ向かって走ったが、竿の感触からして首振りの幅は狭い。スマートな軽い鯉だろう。ヘッドライトは全開だが、自分の吐く息で向こうが見えない。無理にこちらから魚を捕えにいくタモ入れはやめよう。魚が浮かび、降参のサインを出したのを目の前にするのを待ってから、間髪入れずにタモを出す。それまで外れないフッキングを出来ていればこっちのモノだ。顔を上げた魚は70cmに達していないと見た。タモはいつもの70枠ではなく、60枠の折り畳みだが、軽量故に魚を捕えやすく感じる。頭からするりと網の奥へ入っていった。68cmとかそんなところだ。だがこれも他のフィールドの同じサイズとは価値が違う。幾つものボウズを乗り越えて出した二尾目だ。折れなかった私の勝利だ。いい顔をした鯉ではないか。リリースされ、ダムに戻ってゆく姿も雄々しい。

二匹目 70には届かない
いい感じだ。私は乗れている。こんなにも次のアタリを見込める釣行になるとは思っていなかった。次の鯉はいつ来るか。3時30分。さすがに意識が虚ろになってきた。アラーム受信機の電源を入れ、それを枕元に横になろう。ランタンと、何を運ぶのにも便利なピクニックバスケットと一緒にテントに入る。

何故かクレヨンしんちゃんにハマる
6時15分。三匹目のヒットコールに飛び起きる。唸る二番竿だが、これも二匹目と同じ60台。そして仕掛けを再セットしているところで一番竿のラインも引き出された。従順にタモの中に入ってくれた四匹目の鯉は70cm程のもの。小さいながらも、連続してアタリが出るのは
2018年の時雨を思い出す。まだ次が来る可能性がある。
3匹目 60台だがよく引いてくれた |
4匹目 同じようなサイズが続く |
10時20分。もう重ね着していた上着を脱いでもいい気温になった。緑葉でもなければ紅葉でもない木の葉の色。暑い夏を耐え抜き、勝利を掲げるようなキクイモモドキの高い花。深すぎいない秋の貴重なタイミングで釣りが出来るのは本当に運が良かった。そしてまた二番竿に来た。暴れる竿を宥め、張ったラインの先にはこれまで釣ってきた鯉とはまた少し違う印象を持たせる五匹目がいる。サイズは63cmとダウンしているが、文句はない。ここまで釣れている事実があればいい。もう一尾くらい80が来れば嬉しいのは当然のことだが。
そしてこの鯉が咥える仕掛けには嫌な問題があった。またラインが滅茶苦茶に絡んでいるのだ。ファイト中、一番竿のラインに干渉したのは分かるが、何故こんなにも絡まるのか。こんな事、これまで一度もなかった。鯉をリリースした後、またラインを切って、両竿ともリグチューブに通すところからやり直さなければならない。それはいいが、かなりのラインをロストしている。スプールに残るラインは少なく、次にまた同じ事が起これば終わりだ。回避する方法はファイト中も隣の竿のラインに意識をやる事だ。まぁ、それもいつもやっている事なのだが、今回は何故かトラブルが起こってしまう。
5匹目 また違う印象の鯉 |
またライントラブル オモリ部を組み直す |
正午のサイレンが鳴った頃から西北西の風が強まった。この風向きはこれまで此処で釣りをしていて初めてだ。気温25℃。木の葉と木の葉が擦れる音に、苦い想い出ばかりながらも、好きなこの場所に居ることを実感させられる。私はイマ、焦がれて憧いて恋いたフィールドに立ち、謳歌している。
昼間にアタることが非常に少ないため、少し油断してもいいだろう。眼を瞑りながらイヤホンを耳にインストゥルメンタルを流す。そんな時に上から落ちてきた木の実がアタマに当たって一通り驚いた。
14時頃。イヤホン越しにアラームの音が耳に届いた。二番竿のスウィンガーが限界まで上がっているが、走ってゆく感じではない。イヤホンを外し、竿の前で様子を見る。そして穂先が曲がった瞬間にテンションをかけた。魚は右へ移動していったため、一番竿との干渉はせず、無事に捕獲することができた。六匹目も60台。ここの鯉の良さはスタミナと気力の強さにある。タモに捕らえられても、マットの上に置かれても暴れるのをやめない。スケールを当てながら写真を撮ろうとすると、シャッターを押す前に動いてしまって何枚も撮り直すことになる。今回は測るサイズでもないので、大人しくしているところを一枚だけ撮ってリリースした。

6匹目 この時間帯にアタるのは珍しい
この場所での昼間のヒットには殆ど期待していなかった。釣れるとすれば夜間や早朝に限られていたからだ。ところがどうだろう。今回は満遍なくアタリが来ている。良いのは時期か、コンディションか、ポイントか、フィーディングの仕方か、キングクラブというボイリーの良さか。その全てか。
15時近くになってから鉛色の雲が低い位置に現れ始めた。予報では雨マークはないようだが、雨嫌いの私は降るんじゃないかとソワソワしてしまう。困った性分だ。明日は休日。もう一泊することはできないが、まだまだ長く釣りと向き合える。
釣り場は狭い |
かなりのラインをロストしてしまった |
ダムの水はこの数時間でかなり増えている。立ち込んでのタモ入れは暫く出来そうにない。水はこれからも増えてゆくらしい。減水時でも増水時でもアタリは来ているので、特にどちらが良いということもないのかもしれない。
瞬く間に夕景へと模様を変えた空。再びヘッドライトとランタンを用意する。気温はもう下がり出し、秋虫達の声は遠い。もっと、その一つの音楽であるかのような合唱を聴かせてほしい。気温は低いが、水温は18℃をキープしている。これまでの釣行から、てっきり高水温時に有利だと思っていたが、多分いま、この水温が丁度良いんだ。覚えておこう。
日没前。手に乗った虫と遊んでいると、視界の隅で竿先がお辞儀をしたのを捉えた。二番竿にアタリが集中している。あまり走っていかないところを見るに、これも60台だと竿が教えてくれる。それでも上がった7匹目は綺麗な個体で、優しげな顔をした鯉だった。ここには色んなタイプの鯉がいる。この子のようなものから、スマートでアスリート体型のもの、野性味溢れる風格で私をきつく睨みつけるもの。去年の7月、こことは違うポイントで疾走する鯉に負けた。原因はスッポ抜けだったが、アイツは多分アスリート型だ。ああいう奴とリベンジバトルをしたい。

7匹目も60台 これもまた違う印象の鯉だ
それにしても、最後にフィーディングしてから12時間以上が経つというのにアタリが絶えていない。コマセの効きがまだあるのか、それとも寄せエサを必要としていない状況なのか。PVAストリングに取り付けたボイリーは5個。これだけで十分鯉にアピール出来ている。しかし、もういい加減帰らなくてはならない。85cmが釣れた時刻まで待ってみたが、再現は出来なかった。ラインに絡み付いた草を弾き飛ばしながら最後の回収をする。
もう陰しかない釣り場で撤収作業に勤しむ。この後の帰路で山道を下らなくてはならないのが億劫だが、80台が出て、サイズダウンの一途を辿ることにはなったが、数釣りもできた。今の私のこのダムでの釣果では最好の釣りだった。でも次に来た時にはまたボウズの可能性がある。というよりそうだと思った方が良い。同じ釣りか、もっと良い釣りが出来ると期待してはいけない。そんなに甘くはない場所だ。イマの私は浮かれすぎている。一度冷静になって、次に来た時にはボウズでもなんでも受け入れられるようなメンタルを作る。マイナーどころか、他の釣り人をほとんど見たことがない未開の地。そんなところを釣りこなすには苦も楽も必要なんだ。このダムでの目標は90cm。もっとやり込んでチャンスをものにできるようにならなければ叶わない。
帰りのキャリーを引く頭上に輝く星。揺れる吊り橋で立ち止まり、また流れ星を探すが今夜も現れてくれない。でもここでそれを見つける運を使ってしまったら、次に釣果を得る運を果たしてしまいそうな気がする。星空にさよなら、真っ直ぐ前を見て次の釣りを考えよう。またボウズだろうか?それともサイズアップさせてくれるだろうか?次はいつ此処に来れるだろうか。釣りを終えた瞬間が最も釣りしたくなる瞬間になる。