85センチ程の勇ましい鯉。
これは釣ったんじゃない。釣れてしまっただけ。何も覚えていない。
最近釣りに行けないことが多いから、行ける時に行かなきゃ、釣りしなきゃって、
なんの気も持たずに川に行って、なんの気も込めずに仕掛けを結んで、
何も考えずにエサを作って、どこも見ずに投げただけ。
その後すぐにテントに篭って、疲れた体を横にして眠りについた。
ただ寝てただけ。
そして釣れてしまった。
すぐにリリースして、その後の虚無感に目を覚まし帰宅した。
これが休日を使ってやる私の趣味か?
こんなの違う。家で寝てるのと一緒。その方がマシだった。
釣りをする日っていうのは毎回々々何かの味がある。
楽しいとか悔しいとか。でもこの時はなんの感情もなかった。
だから私は一度一度の釣りを無為にしない。
写真を撮って、その一度一度を記憶にとどめる。
ただ時間があるからって釣りに行くのは好きじゃない。
片手間な釣りは好きじゃない。
釣りに行く前日の夜は眠れない。
誰が書いた文章だっけ?
ただ時間があったから竿を出しに行って、そして見事に無意味だった。
本来私にとって釣りをする趣味の時間っていうのは、
自分を自由に表現できる、好きな事に本気を出せる特別な日であるはずだ。
それができる舞台にいながら無表情なんて面白くない。
やっぱり、いくら暇でも天気が良くても、釣りをしたいと強く思えない日なら、
行くのはやめておこう。