鯉釣りで使われる大きなダンゴエサを、難なく遠投するために考案された仕掛け。制作時間やコストがかかってしまうが、袋状になった複数の糸の間にダンゴを挟み、楊枝止めのゴム管などで固定するだけで簡単にダンゴを装着できる。しかも空中分解をほとんど起こさず、ダンゴの質を問わずに遠投できてしまう優れもので、私のダンゴ釣りの主戦力となっている。この仕掛けの作り方は釣り人によって様々だが、私は1本の糸を3つに折って構成している。ハリスは直結させず、仕掛け下部のチューブを被せたチチワ状の部分に、適宜結ぶ。



    
 
 従来のダンゴ仕掛けで使われたラセンを、手軽に入手できるボタンで代用したユニークな仕掛け。ボタンの使い方は2通りで、ラセンのようにダンゴの中に埋め込み、分解を防ぐ核心にする方法と、ウニ通しで糸に通したダンゴが針の部分までずり下がらないようストッパーに使うものがある。私は後者として使い、ハリス部分は直結せず、用途に応じてハリスや針を交換できるようにしてある。袋仕掛けよりもシンプルで、コストもかからないため、根掛り覚悟の場所で使うことが多い。
 


 








 
 
 文字通り、針一本、ハリス一本の最もシンプルな仕掛け。障害物の多い場所で有利であり、様々な使い方ができる。警戒心の強い鯉を釣る食わせオンリーの釣りや、ダンゴで包み込んでウィードの中を釣る場合にも。私は針やハリの長さの違うものを数種類用意している。
 
   
 
  雑誌で紹介されるようになってから、あっという間に広まったヨーロッパスタイルの鯉釣り。最も印象的だったのは、ボイリーというエサと、ヘアリグと呼ばれる仕掛け。針に直接エサを刺すのではなく、ハリスの垂らしに
ニードルを使ってエサを取り付ける手法は、私も流用している。ボイリーに限らず、硬く大きなエサを多量に針付けしたいときや、ダンゴの中に針を埋め込む際に、ヘアを使ってエサのみを外に出し、潰れてしまうのを防ぐ
のにも使える。

 
   

 
 

 一本針よりもエサの存在を強くアピールできるため、寄せエサ無しの食わせオンリーの釣りでよく使うのが二本針仕掛け。2本のハリスを束ねただけのシンプルなタイプと、間にケミホタルチューブを挟んだタイプの2種類を用意している。チューブは遠投や浮遊性のエサを使う際に2本のハリスが絡まないようにするためのもの。浮きエサを使う時は浮遊制御のシンカーを幾つか入れる
 



 




   
 
 草針とは、植物を好むソウギョを釣るための仕掛け。この三本針仕掛けは国内において唯一ソウギョが自然繁殖している利根川水系、江戸川の釣り師が用いている仕掛けで、私は江戸川式と呼んでいる。

 葦などの葉に2〜3本の針をつけ、それを竿から垂らし、浮かせてソウギョが水面に食いにくるのを待つのが基本スタイル。オモリは風で仕掛けが動かないようにするためのバランサーの役割で、水中には沈めず、仕掛けより上にあるのが通常。



 
   
 
  
 大きな葦の群生がないフィールドでは寄せエサとして葦の茎を1、2本ポイントにセットする。江戸川式の場合はその脇に仕掛けを浮かせる形になるが、風が強い日など仕掛けが揺さぶられて安定しない場合は、寄せ葦に直接仕掛けをセットする縫い針式を用いる。

 仕掛けは30センチ程のハリスの1本か若しくは2本針。寄せ葦の先端かその近くの葉にハリスを縫いつけ、葉の先で針を出す。風の強い日に揺さぶられ、ハリスが葉を切ってしまわないようにホチキスを使って固定する。オモリは付けず、代わりにウキ玉を使い、ラインの位置の目印にする。
 
 



 










 
 
 
 サキ糸を使い、インラインのオモリに通す、鯉釣りのオモリシステムの中では最もポピュラーなもの。サキ糸内でオモリが遊動するようになっており、これは針が鯉の口に入ってからオモリの負荷がかかるまでにタイムラグをつけるため。食いにくいエサや大きめの針を使用する際に用いることが多い。インラインのオモリでは捨てオモリにすることはできないが、形状的にはシンプルで絡まった草などを切るのに適している。
 対照的に、同じサキ糸を使ったシステムで遊動幅が全くないものを、中通し固定式と呼んでいる。食ってから掛かるまでのタイムラグをつけないタイプで、遊動式よりも小さな針と合わせて使用することが多い。遊動式では、サキ糸の両端に結び目保護のチューブを入れるが、こちらのチューブは遊動制御も兼ねている。ケミホタル用チューブやゴム管ではなく、収縮チューブを使うと制作が楽。



   
 


 サキ糸を使わず、道糸に直接インラインのオモリを通すタイプ。従来このタイプでは、オモリを固定するのに楊枝止めのゴム管などが使われていたが、ファイト中にゴム管がずり上がり、遊動範囲を作ってしまうことがあり、ゴミの多い場所ではブラブラとライン上を遊動するオモリが引っ掛かり、根掛りの原因となる心配があった。
 このシステムは、捨てオモリのように、オモリの中に針金を通し、先を曲げることでオモリを完全固定する。また、サキ糸式のように、ラインブレイクの際に魚の口元にオモリを残さないために、どこからラインが切れてもオモリがラインから落ちるようになっている。オモリ部より上でラインが切れた場合は、多少の時間、魚の口元にオモリが存在することになるが、口から垂れ下がり、オモリが逆さまの状態で揺さぶられれば、アルミ線が延びてオモリが外れる。それには細く、やわらかい素材の針金を使う必要があり、また先端の折り曲げる部分も、写真ではかなり深く曲げているが、実際に使う場合は、折り曲げてフック状になった部分が僅かにオモリに引っ掛かるくらいが丁度いいだろう。



 
   

環付きオモリの利点は脱着の簡単さと、捨てオモリにできるということで、根掛りの多いところで使う。
下へ垂れ下がる形となる環付オモリがサキ糸下部やハリスに干渉しないよう、天秤式の形にする事が多い。基本型はアルミパイプを曲げたものをオモリを付けるスイベルに通し、シュリンクチューブを使って固定したものをサキ糸に取り付けている。アルミパイプの下のサキ糸に結びコブを作り、ショック吸収の為のゴム管を挟んで固定する。また、最近は海釣りの胴付き仕掛けに使用する三角ピンを使用することも多い。