鯉釣り日記2015 2015年釣り初め

釣行日時 4月11日午後9時〜
4月12日午前2時
釣行場所・ポイント名 創成川
 水面に映る街道の明かりが懐かしい。その模様はあの時からかなり変わってしまってもいるが、雰囲気というものはまだそのまま此処にある。

 ここで釣りをするようになって10年の歳月が経つ。ここをホームグラウンドと呼ぶようになってから、もう10年。早いようであるが、前にここで夜釣りをした記憶は遠い。それらを思い起こしてみると、それなりに時間が経っていることを知る。

 そろそろSASAYANが到着することだろう。そして恐らくそのままここで釣りをすることになる。昔と変わらず、橋の上から街灯に照らされた川面を覗き込み、水中の様子を窺う。

 水に若干の濁りが入っているようだが、水位はかなり低い。水温は15℃と高めであるが、1匹目の魚を見るまでにかなり時間がかかってしまった。魚の通りはかなり悪い。それでも前日に観察したときよりは数が見られるが、昔のような釣りはできないだろう。

 到着したSASAYANと共に川を覗き、その様子からここで竿を出すか、別の場所に行くかを話し合う。私は後者を薦めたが、SASAYANはここでこのまま竿を出したいという。確かに、今回は短時間の夜釣りであることと、他に行くとしても何処が良いかという目星もない。数も型も期待はできないが、私の初釣りでもあるし、まずはホームグランドの鯉に挨拶をするとしよう。

 余計なことは考えず、少年時代と同じやり方でいく。旧型大鯉専科にフォーク竿たて。そしてうさぎのセンサーをセット。もちろんエサはカーネルコーンで、ポイントの周囲に寄せのコーンを撒く柄杓も同じものだ。

2015年創成川鯉釣り 2015年創成川鯉釣り
少年時代と同じ場所、同じやり方で  北五番橋の木は倍以上に成長していた

 昨日は冷たい強かった風だが、この夜は静かなものだ。気温も寒く感じず、セット中は上着を脱ぐほどで、ジャンバーに付いたファーが鬱陶しく感じる。昨日から水温も上がったことだろう。良くはないが悪くもないコンディション。

 SASAYANは私の上流の横新道橋の真横から竿を出している。10年前にはこの橋は存在していなかった。2005年の暮れになってバリケードが施され、本格的な工事が始まったはずだ。私の車の9年前のナビにも、この橋は表示されていない。

 SASAYANはその橋から、私が北五番橋でやっていたように、竿を持って橋の上から仕掛けをピンポイントに落とすやり方をしている。仕掛けを落としたら土手下に竿を下ろして竿立てにセットするのだが、これを今北五番橋でやろうにも、橋のすぐ横に生えた木が大きく成長したことでそれを越えられず、仕掛けを下ろした竿を土手下に持っていくことができなくなってしまっている。そんなところからも、時の通過を思い知らされることになった。

 SASAYANのセットが完了したようだ。奴は乾燥コーンを食わせエサにして、仕掛けと同じように握っていないダンゴエサを橋の上からフィーディングした。

2015年創成川鯉釣り 2015年創成川鯉釣り
SASAYANは橋の上からポイントに仕掛けを落とす 投入後はここに竿をセットした

 30分程経っただろうか。SASAYANのポイントを橋の上から見ると、真っ黒い小魚の群れが固まりとなってSASAYANの寄せエサに群がっている。これだけの小魚がいるのであれば、エサ持ちの心配が出てくる。私のコーンは大丈夫だろうか。チェックしてみることにする。

 1番竿を持った時、感触に違和感を覚えた。重い?何かゴミでも引っかかっているのか。竿を立ててみると、確かに草の固まりがラインに引っかかっている。だがその奥に動体があるのもわかった。

 センサーも鳴らさず、ラインも弛ませず、今年の初鯉がヒットした。タモをさしのべてみると、さっきよりも水位が下がっていることが分かる。タモ枠は川底に刺さるように着底し、鯉を捕まえるフォームを作れない。更に岸際には多量の草の固まりがあってタモ入れの邪魔をする。初鯉からいきなりランディングに手こずることになってしまった。

 70センチのタモ枠より僅かに小さく、68センチくらいだろうか。それでもここではアベレージオーバーになるだろう。

 車の中にいたSASAYANがこのヒットに気付き降りてきた。「なに、釣ったの?」するとすぐにSASAYANのバイトアラームが鳴り始め、ヒットを確信して自分の釣り場に走っていった。私は初鯉をリリースし、SASAYANのアシストに駆けつける。SASAYANが釣ったのも60センチ台の鯉だった。

2015年創成川鯉釣り 2015年創成川鯉釣り
2015年初鯉 投入後はここに竿をセットした

 「ほら、釣れるじゃない」と、自分の釣り場選択は正解だと言いたげなSASAYANだが、ここから先、アタリが続くようにも思えない。何度も橋の上から水面を見下ろすが、次の魚の入りが遅いのだ。終了時間までにもう一匹拾えるかどうかといったところだ。

 時刻は23時、0時と過ぎてゆく。川は水位が下がる一方、流れの強さが増し、ラインにもその影響が出始めた。SASAYANのバイトアラームが時折鳴り、私の大鯉専科の竿先もわずかに項垂れている。こういう夜はアタリが少ないものだ。

 暇を持て余したSASAYANは 「しりとりしよう・・・しりとり・・りだよ、り」 とか言いだし、ダッシュボードに受信機を置いた車の中で延々としりとりゲームを続けることになった。昔にも、あれは2009年だったか、石狩川公園での釣れない泊まり込みの釣行で、こいつとテントの中でこんな事をやった覚えがある。

 そんなしりとりに飽きてきた頃、私のセンサーが反応した。止めどなく延々と続いていたしりとりの場から逃げるように車を飛び出し、ランプの光る1番竿の前に立つが、竿の動きから大した獲物ではないことがわかる。上げてみると30センチほどの子鯉がヒットしていた。今日はここまでだろうか。

2015年創成川鯉釣り
 小さいのがセンサーを鳴らしてくれた

 水面に映る明かりに月が加わった午前2時。しりとりの後そのまま寝てしまったSASAYANを起こして、帰宅することを告げる。SASAYANも明日の仕事に備えて撤収すると、一緒に片付けを始めた。

 川の状況に文句を垂れつつも、結構楽しかったと思える自分がいる。今年の初鯉にも会えたし、久しく見ていなかった夜のホームグラウンドの景色も楽しめた。シーズン中の帰りの車の中というのはワクワクする。次はどうしようかと、次回の釣行の楽しみを創造できるから。



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