鯉釣り日記2010 予定外

釣行日時 6月6日午後12時半〜20時 釣行場所・ポイント名 茨戸耕北川
  前回釣行から3週間のブランク。今年はかなり遅れているとはいえ、最盛期のこの時期に釣機を逃したのは痛かった。このフラストレーションをどうやって晴らそうものか。6月最初の週末は、入っていた予定をキャンセルして、釣りに徹するべくプランを練った。

 季節は初夏。見違えるほどに青々と色を変えた木や、それに集う鳥の声を聞いて過ごしたい。日帰り日程での遠出はしたくないので、近場で長閑な雰囲気の場所がいい。やっぱり石狩川公園あたりだろうか・・。そんなところに入ったSASAYANからのメール。そうそう、彼の荷物を預かったまま、まだ返せていないのだった。それなら、SASAYANの自宅にも近い石狩川公園に決まり。単独の釣りを予定していたのだが、2人だけで釣りをするということもなかなかないし、今回はSASAYANと一緒にノッコミの沼地を狙って釣りをしよう。

 6日 午前8時半。いつものルートから大きく外れて車を走らせているのは、SASAYANを迎えに行くため。彼は百合が原にあるお祖母ちゃんの家にいるので、そこまで行って彼をひろい、創成川沿いを走りながら石狩川公園へ向かう。その途中、コンビニへ寄るためにホームグラウンドの北五番橋を渡り、またそのついでに、すぐ近くにある遊水地の様子も見ることにした。


 
橋を渡るときにチラっと見えた創成川もそうだったが、かなり減水しているようだ。この遊水地は小さな2つの沼があり、その雰囲気はモエレ沼でフナ釣りをしていた頃を思い出させる。いずれもライギョが出そうなカバーだが、鯉の姿もある。ブッコミ釣りをするにはかなりやりにくそうではあるが、草の僅かな隙間に仕掛けを落とすような釣りも面白そうだ。

 2つの沼、その周りを流れる水路、発寒川を軽く見回り、再び石狩川公園に向けて出発した。だいぶと日も高くなり、車の中ではエアコンを全開に。それでも暑がりの私は額に汗を滲ませながら「あつい、あつい・・」を連発することになった。早いうちに釣り場を決めて、のんびりしたい・・・。

 しかし石狩川公園は予想以上に混んでおり、釣りたかったポイントにもすでに先客が入っていた。これでは仕方がない・・。別の場所を探すほかないが、創成川も見た感じ、あまり良さそうには思えなかった。この近くに良い場所はないだろうか。地元民SASAYANの案内で、石狩川への流れ込みや、茨戸川と石狩川を繋ぐ水路、茨戸川最上流部、山口エリアなどと近辺のフィールドを回るが、どこも釣り人が入っていたり、車での侵入ができなかったり、釣果を見込めない、この一日で攻めきれる広さではないなどと、なかなか釣り場を決められずに無為な時間を過ごすことになった。廻る廻るうちに結局創成川に戻ってきてしまい、北五番橋から鯉の姿を見てから、ここでやろうか?と腑に落ちない入釣の相談をする。70クラスを頭に、数匹のスクールが北五のポイントを通り過ぎてゆくが、はっきり言って状況はよくない。もうちょっと場所探しをして、最終手段として創成川を残しておくことにした。時刻はすでに正午を過ぎている。

 午後12時半、SASAYANの提案で水路のような小さな川で車を止めた。創成川の赤水門へ流れ込む茨戸耕北川。創成川との合流から少し上のエリアではヘラブナ釣りのポイントとして知られるが、何せ小さい川なので、私は一度も入ったことのない場所であった。車を降りてみると、思っていたよりも水量があり、ヘビーカバーの下には魚の気配を感じる。産卵期の鯉やフナはこのようなところに盛んに入ってくるということを考えると、鯉釣り場としても無くはない川なのかもしれない。様子見のために川へ近づくと、鯉と思わしき魚がカバーをうねらせた。望月寒川のように、魚の出入りに左右されるかもしれないが、これだけの魚影があるのならばやってみる価値もあるだろう。それに、実釣予定時間の半分近くを過ぎてしまっているので、こんなところで迷っている余裕もない。釣りは意外な方向へと進んでいった。

この草の中にいる。オープンにも鯉のスクール  しかし釣りをできる場所は限られる 

 車を止めた上流では更に狭く、岸も固められていて水草などが生育できる環境ではない。しかし水深はある程度あるようで、ここでも鯉のスクールを見ることができた。そこから下流では橋一つを経て、水面が草に覆われており、所々に小さなオープンがあるのみ。まともに釣りができるのはこの辺りに限られそうだ。更に橋一つ下流になると、どこに水があるのかわからないほどに植物に覆われている。もちろん鯉はいるが、ポイント1つか2つに絞ってのピンポイントの釣りになり、融通は利かないだろう。とりあえずは、この橋と橋の間の、もっともアクティビティに富んだエリアで竿を出すことに決めた。真後ろは道路。それを挟んで少年野球場があり、かなり賑やかだ。

オモリ部(管付きオモリ固定式)
オモリ:小田原15号
サキ糸:PE8号三つ折

仕掛け(1本針、ヘアリグ)
ハリス:鯉ハリス6号(15センチ)
針:チヌ8号

エサ
1番竿は1本針仕掛けにコーン
2番竿はヘアリグにボイリー(タイガーナッツ)もしくは
バズベイト(スイスホワイトチョコレート)
+ペレット入りPVA

 ヘビーカバーとオープンの境目で竿を出し、1番竿は使い慣れたコーンを使用してオープンの真ん中にセット。2番竿はボイリーとペレットを使って、ウィード際に落としてみた。SASAYANはブッコミタックルは出さずに、得意のサイトフィッシングスタイルで挑む。私がタックルセットを完了させて一息ついている間も歩き回り、パンを撒いて自作コ式を流していた。

 気温は何度まで上がっているのか、風が強くないのでかなり暑い。ついこの前まで「寒い」を連呼していたのに、春をじっくり感じる間もなく一気に夏になってしまった感じだ。それでも夜になると急に冷え込んでくるので、服装や過ごし方に困る。このあたりは日差しをかわせる場所に乏しく、車の中はすでに灼熱地獄。エサや食料類が痛まないよう、小さな松の木の下に移動させ、私もその木陰で休む。歩き回りながら鯉を探すSASAYANのほうにもまだ動きはないようだ。到着時に泳ぎ回っていた鯉のスクールはどこかへ行ってしまったか、草の下で動かなくなっているのだろうか。オープンにはあまり姿を現さなくなっていた。まぁ、小さい川だから、居なくなるのが早ければ、戻ってくるのも早いはず。

 暑い・・・・ 上流はこんな感じ。こんな所でもランガンなら釣りになる

 15時ごろ、活発に動く鯉の姿が水面下でゆらぎはじめた。これまでのエサ換えは一度で、ボイリーを使っている2番竿の投入点を少しずらしたのみ。邪魔をする小魚もあまりいないようなので、打ち返しは控えめだ。鯉の活性がよくなったと見て、私もSASAYANと共にパンプカで遊ぶことにする。スクールの鯉はかなり警戒しているものの、パンへの反応は悪くない。ヒットには至らないが、SASAYANが上流から撒いたパンを吸い込んでいったり、仕掛けのすぐ近くまで寄ってくることが多くなった。偏光グラスの視界に鯉が現れれば、距離をとりながら上流へキャスト。パンのついた針を流れてくる藻に乗せてカモフラージュさせながら流したり、逆に仕掛けを引いてアピールしたりと様々な手を繰り返した。

 16時。鯉の反応と状況からの判断で、SASAYANはコ式から、軽いオモリをつけた沈み物へ仕掛けをチェンジ。今度は投入時の着水音で鯉をおびき出し、ロッドアクションで水中にパンを漂わせながら誘いをかける。その一投目、見事に鯉がパンを吸い込んだ。タイミングよくアワセを入れ、水面を破る真っ黒な鯉の引きを制御するSASAYAN。私がネットでキャッチして、今回初の釣果を川から引き抜いた。

 ボトムタイプ。パンプカとはパンの付け方も当然違う SASAYANお見事

 レンジ変更の見極めが奏したヒットは見事だった。鯉は水面を意識していたかと思えば、急に潜って底を漁ったりと気まぐれに動いている。昼間はどちらかというと水面に浮いていたのだが、夕方になってからは底を意識する鯉も増えているみたいだ。私の主要タックルの方にもチャンスはある。一旦パンプカを中止して釣り場に戻り、1、2番竿とも回収。1番竿はそのまま手前に投入点変更。2番竿はボイリーから、パンを意識したバズベイトの白チョコに交換して、対岸近くのカバー際に落とす。これで終了時間まで待ってみよう。センサーの電源をチェックして、パンプカへと戻った。

 さて、鯉はどこから現れるか・・ こんな所ではギリギリまで鯉に近づく接近戦

  夕日の差し方からして、対岸から狙ったほうが水中の様子がよく見える。私はSASAYANからボトムタイプの仕掛けを借りて、オープンに出てくる鯉を探し、SASAYANはカバーの穴から隠れている鯉を狙い打つ。気温が下がりはじめてかなり過ごしやすくなった。後ろの野球場でも、少年達が練習を終えて帰ってゆく。同時に車の通りも急に少なくなり、静かな夕マヅメに。人の声や車がなくなると、畑ばかりで意外と田舎であったことに気づいた。

 ギャァッという音と共に受信機が反応。こちらも反射的に体が動いた。コーンの1番竿にヒットしている。ラインが出される間もなくヘビーカバーに突っ込まれてしまったが、このくらいなら簡単に出せる。今度はSASAYANがタモを持ち、私の魚をキャッチしてくれた。さっきSASAYANが釣ったのと同じように、色黒の鯉。サイズは67センチ。よかった、ボウズじゃない(笑)

 
私のコーンにもヒット

 
 同じポイントに打ち返し、休憩を挟みながらランガンを続行。日が低くなり、偏光グラスを使っても水中が目視できなくなってきた。可能性があるか、いるかどうかは気配でわかるが、どこにどう仕掛けを打つか、どうしてもキャストに躊躇することが多くなった。

 車の通りがなくなったからか、道端にひょっこりと動物が現れる。妙に人懐こいキツネや、無愛想なネコ。暗くなると、どこからかカエルも唄いはじめた。

 しばらく別行動を取っていたSASAYANからメールが入った 「いるよ!下の橋」。鯉がたまっているポイントを発見したらしい。コ式に仕掛けを戻したSASAYANに、さっそくバイトがあったようだが、寸でのところでかわされてしまったという。ここは今回私達が踏み込める下流の限界であり、この橋から下流のエリアには車が走れる道路はなく、川沿いは草薮に変わっている。水面も、橋の下には小さなオープンがあるものの、ここから先は完全に草で覆われており、ヘビーカバーどころではない。しかし、行き止まりのようにオープンを塞ぐ草の下には鯉がいる。

 妙に人懐こいキツネ。そしてこの表情 踏み込めるのはここまでが限界


 暗くて見えない上に、ここは真ん中が馬の背状になっていて、岸というか、草の際は深くなっているみたいだ。居るのはわかるが、ボトムタイプの仕掛けではもう見釣りができないので、ラインでアタリを取るしかない。草の際の深みだけでなく、私達の真下に位置する橋の陰にも数匹いるみたいだ。ここでダメなら釣りもここまで。時刻は19時を大きくまわっていた。

 ラストチャンスを願い、針のついたパンの行方に集中していると、草の陰から水面に顔を出す魚が一尾。あれは鯉ではなく、ライギョだ。するとSASAYAN「え?ライギョ!?」と車の方へ走り出し、猛ダッシュでルアーボックスを手に戻ってきた。以前、当掲示板への彼からの投稿で、「ワームでライギョをバラした」とあったので、目の前を泳ぐライギョの姿に闘争心が働いたのだろう。この流れで鯉釣りはどこへやら、ラインの先をルアーに付け替えて、ライギョ、ナマズ狙いに変わってしまった。しかし、ライギョもナマズもルアーにアタックしてくることなく、すでに真っ暗の20時ちょっと過ぎ。今日はここまでにしておこうと、1人1匹ずつの釣果で、予定外の釣行は納竿となった。

 こんなように、気軽に釣りに来られるフィールドが家のすぐ近くにあればいいのだけど・・。ヘラ釣りで、ノッコミ期に大型が出るという話が釣り新聞などにも載るほどに知られた場所であるが、初めて訪れた感想としては、魚影の濃さが意外だった。これから、夏の夕涼みをかねた釣り遊びのポイントとして再来することは確実だろう。ホームグラウンドのすぐ近くだし、延べ竿をもってトウガラシウキを浮かべるのもいいかもしれない。時々・・野球少年の変化球が襲い掛かってくるけど・・・・。



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