釣り日記2009 陰りしのつ

釣行日 9月21日午後8時〜
9月22日午後5時
場所 篠津湖
時間 天気 くもり時々雨

 私が20日夕方に札幌に戻った後も、高橋さんと平さんは篠津湖での釣りを続行。夜に気温が5℃まで落ちたことで、厳しい夜明かしとなったに加え、ソウギョのアタリももらえなかったようだ。鯉のほうは、高橋さんが50台を追釣されたが、篠津湖ではそれ以上の大型が出る率は低い。ここで諦めて場所を移動するのが吉かと思われるコンディションだが、21日午前10時、高橋さん、平さん共に、ソウギョ用の草針に異変があった。エサの葦が茎ごと食いちぎられ、平さんの仕掛けは空針状態になっていたとのこと。

 21日昼、ここまでの内容を記されたメールが、高橋さんから届いた。この夜は引き続き私も釣りに参加する予定であるが、さてどこで竿を出そうかというのが迷いどころだ。19日夜は、私にとって初めての秋場のソウギョ釣りとなったのだが、この時期のソウギョ狙いは、夏に比べてかなり厳しくなるのではないかというのが率直な感想だった。高橋さんからのメールで、可能性はあるということがわかったが、とはいえ低活性+強い警戒心という率の低い釣りを続行するべきか。高橋さん、平さん側と、これから出陣予定の私とで、幾度かの「どうしようか」メールのやりとりが続いた。可能性は低くても、価値ある一尾を手にするか、それとも茨戸にでも移動して鯉を狙うか。

  メールに添付されていた写真 綺麗に食われた寄せ葦  

 夕方近くなって出た結論は、篠津湖での釣りの続行。ただ、なるべく人気のないところへ場所を変えて、というものだった。篠津湖での釣り続行の要になったのは、ソウギョが葦を食ってきた時間が午前10時と、かなり日が高くなってからだったということ。釣果のほとんどが深夜から早朝となる真夏のベストシーズンと変わり、この時期は岸際水面の水温が上がり始める頃にエサを食うソウギョも多いのではないか。そこで、人通りの少ない場所へ移動して、昼間でもヒットを見込める釣りをしようという考えが上がったのだ。

 午後5時、パーキング横の小道から、土手下に車を下ろした。高橋さん、平さんは前日の釣り場からの移動作業中。私はその間に葦を調達し、今回の釣り場となる岸辺に挿しておいた。

 竿を出すのはいつもの釣り場よりも下流。魚がよく溜まっている流れ込みにほど近い場所だ。ソウギョに警戒されるのを防ぐために、車やテントを置くのは少し離れたその更に下流。舗装された遊歩道が砂利道に変わる場所で、鯉狙いの竿を出すとすればそのあたりに竿を並べることにする。

 タックルセットの前に、私と高橋さんは夕食の買出しに出る。平さんから借りたカーナビを頼りに、スーパーとホームセンターへ向かった。今夜遅くからは雨が降るとの予報で、高橋さんはそれにそなえてホームセンターで長靴を購入。そのあと、雨ですべりやすいくなるであろう土手にかける梯子や脚立の類のものを探す。今回のソウギョ釣り場はいつもと同じようなフラットな岸となっているので問題ないが、ベースキャンプと鯉釣り場とする場所は水面までの高低差が大きく、地面はすべりやすい砂利となっている。夜間のやりとり中にすべって転んでは洒落にならないということで、土手に梯子をかけてそこから昇り降りしようと考案されたのだ。しかしなかなか良いものは見つからず、やむなく裏面に突起のあるスノコで代用することにした。ホームセンターでの買い物を終えると、夕食を買いに、すぐとなりのスーパーへ。バーベキューやジンギスカンの材料をそろえてから釣り場へ戻った。

 ベースキャンプに戻るやいないや、早速タックルをセット。今回は3人とも同じ場所でまとめて竿を出す。私はいつもどおりのシステムの草針仕掛けと寄せ葦で狙うとする。高橋さんは葦のほかに梨などのフルーツもエサとして用意しており、それを水面にぶら下げて釣る。全てのセットが完了したのは前日と同じく午後9時で、それからはアタリ待ちの焼肉&ジンギスカン。時折、肌に感じる水滴があるが、幸いにも雨と呼べるほど強くならずに、楽しく過ごすことができた。

  ベースキャンプにて。高橋さん、平さん、私で記念撮影  

 午後10時すぎまで食事を楽しみ、その後はテント内での談笑。時計を気にしない自由な時に身をまかせ、眠気で瞼が重くなるとそれぞれの車やテントで休息をとる。私は車に戻るもなかなか寝付けず、一度車から出て外の空気を吸いなおす。目の前の水面で大型の魚が跳ねた。この夜は前夜、前々夜ほどに気温は下がらずに暖かい。水面に現れる魚の息吹は濃厚に感じられ、闇にランプの点滅が浮かぶのを期待させた。何かある予感がするが、チャンスは訪れるのか・・。

 目を覚ましたのは午前8時すぎだった。センサーメロディに起こされることなく、いつの間にか寝入ってしまっていた。夜はダメだったようだ。でも、この場所なら人通りも少なく、静かにしていれば昼間にもチャンスがあるかもしれない。朝食の前に、仕掛けを見に行ってみよう。

 ソウギョ釣り場の水面を覗いてすぐ、ため息が出た。嬉しいやら悔しいやら・・・。午前3時にパーキングエリアのトイレへ向かうついでに、釣り場のチェックをしたのだが、この時までは異常はみられなかったのだが。私の寄せ葦は、1番竿、2番竿ともに、高橋さんのメールに添付されていた写真と同じような状態になっていた。ほとんどの葉がちぎられ、茎だけの状態となっている。幾数か残っている葉にも食み跡が残され、2番竿の寄せ葦は葉のみならず、茎まで食いちぎられていた。ここまで荒々しく寄せを食っているのに、食わせには傷ひとつ残されていない。完全に見切られた。やはり、予感は的中していたようだ。しかしそれをモノにはできなかった。


 食われた寄せ、食わせともに葦を新しいものに変えて、仕掛けを垂らす。が、最初穏やかだった風は徐々に強まり、仕掛けの安定を妨げるようになった。オモリのウェイトを増やし、仕掛けを少し沈め気味にセットしたのだが、これ以上風が強くなれば対処しきれなくなるだろう・・。

 朝食後、私は捨て竿を二本出し、ベースキャンプ前のポイントにダンゴを打つ。高橋さんは私が起床する前から鯉用の竿を出し、平さんはナマズ狙いのカエルをエサにした仕掛けを投入している。かなり魚が寄りやすい場所だと思うのだが、夜間のように大型の魚が頻繁に跳ねる光景は見られなくなっていた。高橋さんはベイトスプーンを使ってダンゴをポイント周辺にコマセているが、この日も鯉のアタリは遠い。

今回のソウギョ釣り場 ベースキャンプ&鯉釣り場からソウギョ釣り場に向けて

 風力は増して、水面は大きく波打っている。やはり、昼頃には私の草針は役に立たなくなってしまった。完全に宙を舞い始めた仕掛けを回収し、胴付き仕掛けに変えることにする。道糸にスイベルを結束し、そのスイベルの上の輪にハリスを結ぶ。PE6号1本針で、葦に縫い刺し先端で針を葉に固定。スイベルの下の輪にはオモリ糸を80センチ。オモリは小田原25号を捨てオモリにする。1番竿、2番竿共にこの仕掛けに変更した。胴付きの草針は今回初めての試みなので、オフシーズン中に来年へ向けて改良しておこう。この仕掛けによって、食わせの葉は水面から15〜20センチ下に沈むことになる。これでうねりの影響はうけなくなるだろう。

 怪しい雲が上空を覆っているが、雨は来ていない。この風の強い中だが、上流には数グループの釣り人の姿がみえる。その1グループに話しかけてみると、初めて釣りに来たのだが、バーベキューに夢中になって誰も竿を出さないのだという(笑)農業をされている方のようで、「おいしいよ♪」と炭火で焼いたご自慢のトウモロコシを分けてくださった。しばらくその方達とこの沼や釣りについての御喋りしたのだが、トウモロコシをくれたおじさんはソウギョやナマズなどを図鑑や写真以外で見たことがないのだという。釣れたらみせてくれと言われたのだが、ソウギョは・・・・釣れるだろうか(苦笑)ナマズなら、平さんが釣る気なので見せることができるかもしれない。

雨は降らずに落ち着いたようだ。 これを足場にして滑りやすい土手を昇り降りする

 平さんはルアーロッドにアンダーショットのリグをつけて、エサをミミズにナマズ狙いの釣りを始める。ミミズは3人での散歩中に、平さんが勘で探し当てたもので、見事に丸々としたドバミミズが大量に手に入った。まずはベースキャンプの下流にある水門付近でキャスト。私は竿を出さずに平さんのあとを追い、観戦。平さんは岸から10〜15メートルのところに数投をくりかえし、仕掛けを躍らせて魚を誘う。すると早速反応があった。小さな手ごたえのあとにラインがふける食い上げアタリ。しかし魚は乗らず、仕掛けは空の状態で帰ってきてしまった。魚の正体はウグイなどではなく、ターゲットのナマズだったように思える。その後、根掛りなどのトラブルがあったため、仕掛けの交換にベースキャンプに戻り、その後は水門まで戻らずキャンプの少し上流で釣りを再開。キャストして仕掛けが着底。その直後、はやくもアタリが出た。しかしさっきの手ごたえとは違う。どうやらウグイの溜まり場となっているようだ。着底の度に竿先に出るコツコツとしたアタリ、フッキングさせればどれも15センチほどのウグイばかり。これはこれで面白いのだが、ナマズはなかなか食いにかかってはくれない。

 そうこうしているうちに、私はそろそろ荷物をまとめなければいけない時間だ。ナマズ釣りの場を離れ、タックルを収納。やはりこの時期になると、ソウギョは厳しいのだろうか。今回の夜はなかなか期待できるようなコンディションであったと思うのだが、それでも夏場よりはチャンスは減るだろうし、それに加えて強い警戒心。それに打ち勝つには、ただひたすら釣行時間を重ねて、少しでも多くのチャンスに遭遇するしかないのだろうか。

  もう時刻は午後5時。時計を見ずに釣り場での時間を過ごすと、普段では考えられないくらいに時の流れが早く感じられるものだ。明日は仕事・・。高橋さんと平さんはもう一泊ここでソウギョのアタリを待ち、明日の午後に納竿する予定だ。あとの釣りはお二人にお任せしよう。ソウギョの釣果報告メールが入るのを楽しみに、釣り場を立ち、今回の釣行を終了させた。

 後日届いた高橋さんからのメールによると、私が札幌へ戻ったこの夜もソウギョのヒットはなかったようだ。3人のうち誰か一人にでも、ヒットがあれば良かったのだが・・・・。それでも、今回の釣行の楽しさは満点。私はこういう釣りでも満足なのだ(笑)高橋さんは10月にも、仕事でこちらに来られる予定ので、またその時にお会いしたい。今度は魚の写真をたくさん添えて、釣行記を書こう。