釣り日記2009 晴朗しのつ

釣行日 9月19日午後8時30〜
9月20日午後5時
場所 篠津湖
時間 天気 晴れ


 このシルバーウィークの大まかな予定は、初夏の頃にはほぼ決定済みだった。川崎の高橋さんから、北海道釣りツアーの知らせが届いたのは、私が晩生内 新沼や石狩川公園に釣行するようになった頃。その第一回が行われたのはちょうど2ヶ月前の7月で、降りしきる大雨の中、篠津湖に釣行されて見事90センチのソウギョを釣り上げられている。仕事や、いやがらせのごとく入ってくる用事に翻弄された私は、残念ながら参加できずにいたのだが、北海道ツアーの第二回目がシルバーウィークに行われると聞き、是が非でも参加すべく、連休の予定を空けた。

 高橋さんは連休初日の19日から23日まで、今年春の「懇談会」でご一緒した平さんと釣り続けるという予定であり、私もできるだけ竿を並べられるようにスケジュールを組んだ。やはり連休すべてというわけにはいかなかったのだが、19日夜から20日夕方まで、そして一日空けて21日夜から22日夕方までと、2回に分けて釣りをできることになっている。釣行場所は未定となっており、当日の天候と川の状況をみてから判断するとのことで、私はどの釣り場でも対応できるように準備を進めた。

 前日の夜にこちらへ向けて出発された高橋さんは、早朝に札幌に到着。平さんと合流し、釣行候補地へと向かったようだ。この時点では、平さんの実家の近くを流れているという夕張川が第一候補として上がっていたのだが、川の状況が好ましくなかった上、なにやらイヤ〜な事件に遭遇してしまったとのことで、今回の釣り場は篠津湖へと変更になった。高橋さんと平さんは、栗山ダムの様子を見に行って、その後買出しを済ませてから篠津へ向かうとのことで、私は一足早く篠津湖のパーキングエリアに到着した。

 時刻は午後5時。暗くなりかけている時間帯であるが、連休ということもあり、パーキング付近では鯉や小物釣りの釣り人で賑わっている。とりあえずはこの人達が釣りを終えるのを待つとしよう。まだどこでどのようにして竿を出すかなども決まっていないので、高橋さん達が到着するまではしばらく待機する。その間に、ソウギョのエサに使う葦を刈り、しおれないように茎の切り口を束ね、タオルで巻いて水バケツに挿しておいた。

 すっかり暗くなった頃、平さんと高橋さんが到着。半年ぶりの挨拶もそこそこに早速土手を降りて、今回の釣り場を決める。

 この夜は専らソウギョ狙いとなるだろうが、ソウギョの食いが渋くなる時間帯は鯉狙いの竿も出すことになるだろう。警戒心の強いソウギョを散らさないために、ソウギョの釣り場と鯉の釣り場は分けたほうがよい。そこで、できるだけ広く場所を取れる、パーキング上流の流れ出し回りにベースキャンプを取ることに決めた。

 私はいつもどおりのスペースで、まずはメインタックルをソウギョ用に2本出す。そのすぐ横に平さんが1本、ソウギョ用の竿をセットした。その数十メートル上流の流れ出しの下で、高橋さんが2本ソウギョタックルを出し、その更に上流からはスペースが広いので、鯉釣りを始めるとなればその辺りで竿を出すことにする。平さん、高橋さんの車とテントは、流れ出し下のスペースに設けられ、そこがベースキャンプとなる。高橋さんのソウギョ釣り場のすぐ後ろに位置するのだが、私と平さんの釣り場からは少々遠くなる。とはいえそこまでの距離でもないのだが、私のセンサーの電波が届くかは怪しいところだ。

 平さん達のベースキャンプと、それぞれのタックルのセットが完了したのは午後9時になろうかという時間だった。いつもならば、ソウギョのゴールデンタイムはこれから明け方にかけてということになるのだが、季節外れとも言えるこの時期のこの釣り。心配なのは気温と水温の低下で、今現在、風は弱いが気温が低く、薄着だった私もしっかりと着込むことになった。

   流れ出し下のスペースは平さん、高橋さんのベースキャンプ  

 夕食は自分で握ってきたスパムのおにぎりで軽く済ませ、あとはアタリ待ちの談笑タイム。タックルセット時のトラブルで必要以上にバタバタと動くことになったので、少々疲れてしまった。前日からほとんど眠っていない高橋さんは猶のことだろう。

 この寒さで、綺麗な星を眺めながらゆったりと・・というわけにいかず、平さんのテントに入れていただいて談義を続けることに。テントの中はすぐに温度が上がり、平さんからいただいたお酒も入って、快適な談話室となった。そこへ私の携帯に着信が一本。釣り仲間の誰かだろうと思いきや、釣りとは無縁の、高校時代の友人2人からであった。私が新篠津で釣りをしていると伝えると、よほど暇だったのか、「今からそっちに向かう」と一言。その1時間後に本当に釣り場に現れた二人を交え、談笑に花が咲く。高橋さんに平さん、そして友人2人。まさかこの面々で顔をあわせることになるとは思っていなかったので、私にはとてつもなくシュールな光景となっていた(笑)

 1時間程して、そろそろ札幌に帰るという友人2人を見送り、そのついでに仕掛けのチェックしに自分の釣り場に足を向けてみる。テントの外はひんやりとした露が降り、気温の低さから水面に湯気が立っていた。

 食わせ、寄せともに異常はなく、その横にある平さんのタックルも同様。湯気が出ているとはいえ、水温もいくらか下がっているみたいだ。鯉よりも寒いのが苦手であろうソウギョにとって、やはりこのコンディションは少々厳しいものなのか。水面にも魚の気配がなく、とりあえず、勝負になるのは明け方から静かな朝のうちになると見た。

 テントに戻り、平さんに注いでいただいた日本酒を一口。高橋さんは、友人達が帰ったあとすぐに横になり、眠っている。誰のセンサーも反応しないまま夜は更け、いつのまにか空が白みはじめていた。それまでに平さんから様々なお話を聞くことができ、私としてはこのままソウギョが釣れなくても、開始からこれまでの談笑タイムだけで十分満悦した釣行となっていた。

 時刻は午前6時、もともとお酒に弱い私はかなり眠くなってきてしまった。エサのチェックを済ませてから、自分の車に戻ろう。星空はあっというまに陽光に消され、釣り場は気持ちのよい朝日に照らされていた。パーキングエリアに止めている車に戻り、シートを倒す。とりあえず、午前9時まではこのままアタリを待ってみよう。

私と平さんのソウギョ釣り場 高橋さんのソウギョ釣り場

 グッスリとまではいかなかったが、いくらか眠ることはできた。外を見ると、高橋さんと平さんはすでに起床している。

 結局、ソウギョはだめだったか・・。いつもならばここで帰るところだが、今日は特別な釣行だ。このまま鯉狙いにターゲットを変えて釣りを続行する。高橋さんも上流で、ソウギョとは別に鯉用のタックルを数本出しているようだ。

 私はソウギョに使っていたタックルの仕掛けを袋仕掛けに交換して続行する。鯉狙いとはいえ、底探りもせず、ダンゴの配合やエサ換えのペースも決めていない。それでも小鯉くらいなら狙えるだろう。このフィールドでは大型の鯉を狙うよりも、数多い小鯉と遊んでいるほうが楽しめる。ダンゴの配合は「龍王」+「どすこい」+「スーパー1スペシャル」。食わせはいつもどおりの乾燥コーンを使う。

   ソウギョ釣り場から少し上流 高橋さんの鯉釣りスペース  

 釣り場の上空は気持ちのよい秋晴れといった感じだ。予報では明日まで雨は降らないというので安心した。今日の釣りは日の下でゆっくりと水面を眺めたい。

 アタリはないが、一番水深の浅い高橋さんの釣り場ではポイント付近に跳ねとモジリが出ている。エサ換えのほか、ダンゴやボイリーなどのコマセを入れているので、その効果だろう。

 正午すぎ、高橋さんにアタリ。上がったのは40センチほどの鯉だった。そのままアタリが続くと思いきや、連アタリとはいかずに反応が止まってしまった。平さんも高橋さんの隣で鯉用の竿を出すが、こちらも私と同様になかなかアタリが来ない。天気も気温も申し分ないコンディションで、これで小鯉が遊んでくれれば最高なのだが・・・。

 ほとんどを談笑で過ごしたアタリ待ち。私は明日バイト関係の用事があるので、一度札幌に戻らねばならない。日が西に傾くにつれて、外に出していた備品を少しずつ車の中へしまってゆく。期待するのは明日の夜。用事を終えてから釣りに戻り、大型を狙おう。

 車内の寝袋を畳んだ後、高橋さん、平さんと共に、魚がよく溜まる下流のl流れ込みの様子を見に行くことに。が、水位が低いためか、魚の姿は見られない。水位の高いときなら、鯉やナマズをはじめ、ソウギョなどもよく見られるのだが。流れ込みから更に奥に進むと、舗装されていた道が砂利道に変わり、岸はゴロ石から石の入ったネットに変わる。このあたりでは、篠津湖では比較的大型といえるサイズの鯉の姿が見えた。これまで入ったことのないエリアだが、このあたりでもかなり期待できる釣りができるだろう。砂利道の行き止まりには水門があり、このあたりも釣り場として好ましそうだ。行き止まりの水門前で立ち止まり、そこからまた談話を続けながら釣り場へ戻る。

 SASAYANが釣り場にテントを設営  今回はこのような感じで・・

 時刻は午後2時。ろくにエサ換えもせずにいたが、ここでエサ換えをしておこう。ただ、底探りすらしたことがないのでそう言える根拠はないのだが・・高橋さんたちの釣り場に比べると、なんとなくここは釣れそうな気がしないのだ・・。

 最後のダンゴをつくり、それを投入してからバケツを洗う。今日は今日で、のんびりとした釣りができて満足だ。最近の私はどうも、魚を釣ることよりも、竿を並べる先輩や仲間達と楽しむということに重点をおいた釣りをしている。鯉釣りを始めた頃は巨鯉を狙う闘志に燃えていたのだが、今はその頃に比べてかなり落ち着いていることがわかる。もちろん、その闘志を失くしているわけではない。長らく釣りを続けるにつれて、少しずつ、そのスタイルや考え方も変わっていくものだ。

 さて、これから色々と用事もあるし、暗くなる前に札幌に戻ろう。高橋さん、平さんに挨拶をしてから帰りの車に乗り込んだ。
勝負は明日の夜から。