釣り日記2009 夏バテ

釣行日 8月8日午後6時〜
8月9日午後4時
場所 茨戸川ネット裏
時間 天気 晴天(北西〜南東の風)


 しつこく降り続いた雨は止み、8月に入ってやっと夏らしい日が続くようになった。前週の釣行から本降りとなるような雨はなく、暑さにうだる。

 8月8日から9日、この日は2日とも休みでゆっくりと釣りができるのだが、茨戸界隈ではさすがに活性が落ちていることだろう。どこかいい場所はないだろうか。前回の釣行記にも書いたが、釣り場のレパートリーの狭さがあって、夏場の釣り場選びに悩んでしまう。普段の釣り場や知っている場所は、どこも水の停滞による水温上昇と溶存酸素の低下の嫌いがあり、またレジャーボートや夜間の花火、バーベキュー集団の酔っ払いテロリストで静かに釣りができないことがある。釣行前日、今回は少し違った場所を探してみようと地図を眺めた。

 8月8日午後。今回の釣行は釣友のtadasiくんとの同行で、前日、彼と相談して豊平川に入ろうという話になっていた。80台、90台の大物釣果の話がよく聞かれる豊平川だが、私はこの川の釣り場について詳しくなく、実際に釣りをしたのも、5年前の一度だけだ。そのときどのようにして車で釣り場に入ったのか、まったく覚えておらず、地図と航空写真から探すことになった。tadasiくんは用事があって夜からの釣りになるとのことで、先に出発できる私が下見することになっている。

 午後3時、いくつか釣りができそうな場所と、車を釣り場まで下ろせそうな道をマークしてから、実際に車で行ってみることにした。川沿いの道を走り、地図でみたとおりに進んで10分、通行止めのゲートに出くわした。思ったよりも通行止めゲートが多くて入れない。なんとか土手までいけそうな道を探し出そうと彷徨うも、結局道を見つけることができずに、やはりゲートの前で車を止めた。

 今回は下調べが成っていなかった。他に見当がつかず、途方に暮れながらtadashiくんに相談のメールを送る。結局豊平川以外にも他に良さそうな場所はみつからず、このまま日が暮れそうだったために、メールのやりとりの結果、今回は不本意ながらも茨戸川を選ぶことにした。前回と同じネット裏にて浅いレンジを中心に狙おうということに落ち着き、釣り場でtadashiくんと待ち合わせする。

 午後6時すぎ、セット完了。仕掛け、エサともに前回と変わらず、2本竿とも手前のウィードに打ち込んだ。入釣したのはヘビーウィードの切れ目であるが、ヒシが多量に生えている際疾いスペース。魚の活性は最悪というわけではないようで、ポイント探しの時にこのスペースで60センチほどの鯉が見せ跳ねしてくれた。ヘビーウィードの中、オープンでも鯉の気配がよく感じられ、期待がもてないこともない。

 tadashiくんが到着するまでは暇なので、延べ竿を出し、ウキ釣りをして過ごす。鯉が掛かってもある程度対応できるよう、20尺の万能竿、道糸3号、ハリス2号。ハリは大型のヘラスレなどを使う。

 「新べらグルテン」ベースに「どすこい」、「GTS」を混ぜたエサをウィードの切れ目に投入。すぐに魚が寄り始め、マブナが立て続けにヒット。これなら良い暇つぶしになりそうだ。続いて鯉も寄り始め、20〜30センチのものがヒットしてくるようになる。暗くなった空の下、懐中電灯でウキを照らしながらの釣り。マブナと小鯉がダブルでヒットしてくるといった寄り具合で十分に楽しめた。
不本意ながらこの場所で竿を出すことに・・ ウキ釣りでマブナと小鯉の爆釣

 今回はエサ換えのペースを控え、配合している龍王は篩いにかけて内容を減らしている。2番竿のポイントのすぐそばで鯉がもじるがヒットはない。空には丸く明るい月が昇り、茨戸大橋の風景と同化している。はじめ北寄りだった風向きは南東に変わったが強さに変化はない。今夜は静かな夜を過ごせるだろうか。

 午後11時ごろ、tadashiくんが到着して私の下流に竿を出した。彼も寄せエサは控え目に3本竿のうち2本をボイリー、もう1本をダンゴで投入。明るくなる前に一度はアタリをもらいたいものだ。

 0時をまわった頃より、辺りは霧に包まれた。昼間の暑さが嘘だったかのように体感温度は落ち、長袖のシャツにジャケットを羽織っても体に震えがくるほどだ。濃霧は月を消し、対岸を消し、背後のバックネットすら見えなくなるほどに発達した。釣り場を吹き抜ける風が止むと霧はいっそう濃くなり、その中に立つ私達も、シャワー上がりのように髪に雫を滴らせた。これほどまで霧が発達すると思わなかったし、真夏の釣りで寒い思いをするなど考えてもいなかった。これが魚の活性に良い影響を齎してくれれば文句ないのだが、アタリは依然として遠いままだ。

 SASAYANにヒット!?しかし・・  その正体はライギョだった!

 深い霧に濡れ、テントを立てる気も、車に入る気もしない。結局そのまま明るくなってしまい、気温上昇とともに霧は少しずつ開けてきた。

 午前5時、2人で下流のエリアを見に行っているとtadahsiくんのアラームが反応。上がったのは30センチほどの小鯉だったが、そのサイズのわりにはラインを勢いよく出したので、こちらのテンションの上がってしまった。

 今回は結局、一睡もせぬままに夜を明かし、昼の釣りに持ち込むことにする。湿度の高い車内に入る気がしないし、日が昇ってから寝ようにも暑くて茹ってしまう。

 ひそかに期待していた朝マズメだが、tadashiくんの一発で終わってしまった。可能性を広げるべく、私は捨て竿2本を追加して、これも前回同様にコーン1本針仕掛けで投入する。ポイントは専ら手前の浅瀬で、ウィードの手前と奥に投げ込んでおいた。

 すっかり日が昇りきった頃、釣り場にはtadashiくんの彼女さんが訪れ、彼らは延べ竿をもってウキ釣りを始めた。私も車の中を整理してから、昨日の続きをしにいこう。広げただけで使うことがなかった寝袋をたたみ、散らかった不要物を処理する。自分だけの車ではないので、少しでも散らかしたまま帰ったら怒られるのだ・・。そのついでに夜のうちに片付けてしまった昨日のウキ釣りセットを出して、準備をする。

 釣りを始める前に、tadashiくん達のウキ釣りを見くと、さっそく大物がヒットしていた。尺上のフナのようで、私のタモを使ってランディング。これはいいヘラブナ・・・・と思ったが、雰囲気が少し違う。一見、体形体色、顔つきは普通のフナのようだが、探したら申し訳なさげにヒゲを生やしていた。鱗框の黒い模様も鯉のもの。血の混じったミックスのフナのようだ。以前にもミックスの所謂コイフナは見たことがあるが、この魚とは若干雰囲気が違っていた。こいつはヘラブナの血が混ざっているのか全体的に白っぽい印象だ。

tadashiくんにヒットした可愛い鯉 ヒゲを生やしたフナ。フナと鯉の雑種のようだ

 コイフナがヒットした約10分後、私の捨て竿が唸りを上げた。すぐさま竿に飛びつき、ファイトを開始するも前回釣行同様に、あっというまにスッポ抜けて、ラインがテンションを落としてしまった。どうも調子が悪い・・・・。大きさはアベレージサイズだったようだが、前回から貴重のアタリを逃しっぱなしである。悔しくて居た堪れない気分になってしまった。

 ついでに本命の2本竿もエサ換えをしよう。ダンゴではなく、こちらも捨て竿と同じ、コーン1本針+PVA寄せエサの組み合わせで投入する。PVAの中身は針に付けているのと同じコーンと6pのペレットのみ。捨て竿は手前のウィード周りに投入しているのに対して、こちらはそれよりも少し奥のカケアガリに投入してみることにした。

 風向きは少しずつ変わっていたようだが、今は東寄りに安定しているようだ。私も再び延べ竿を出して、tadashiくん達の隣でウキ釣りを開始。間もなくしてマブナがポツポツアタるようになったが、ポイントに藻が多く、また強い風に煽られてピンポイントの投入ができないために、根掛りに悩まされた。掛かりを外そうとしているうちにゴム管からウキが外れて流されるという事件も発生。他にウキを持ってきていなかったために、tadashiくんからヘラウキを貸して貰って再開することになった。

 昨日に比べてアタリは少なく、はっきりとしたツンアタリをなかなか出してくれない。それによりウキへの集中力は高まり、すっかりと時間の流れを忘れてしまう。久々に携帯で時間を確認すると、時刻は早くも午後をまわっていた。そろそろ昼食を取ろうかと考えているところに、センサー受信機が反応。慌てて釣り場に戻るが、今度は空アタリだったようだ。

本命竿もコーン1本針に変更。コーンは生のピュアホワイト ウキ釣りで時間の流れを忘れる・・・

 昼食後、tadahsiくんはウキ釣りの席から立ち、パンプカタックルをセット。上流のウィードの浮き鯉を狙いにいくようだ。気温の上昇とともにウキ釣りのアタリは渋くなりはじめたので、私もポイント休めもかねて釣り座から立ち、tadashiくんの釣りを見に行くことにした。

 藻の中にはかなりの数の鯉が入っているようで、水面でエサを探しているようだ。しかし何れもヘビーウィードの中であり、それを狙うのはかなり難しい。一度キャストしてしまえば、藻やゴミにに針が引っ掛かるために仕掛け動かすことができず、それゆえにピンポイントのキャスティングが必要となる。しかも一度ミスキャストをしてしまえば、それを回収しようと仕掛けを動かすと、針に引っ掛かった草ごと大きく動いてしまうので魚を散らせてしまうのだ。

 狙うのは藻の切れ目のオープンにいる鯉だが、それらはパンへの反応が悪く、なかなか水面に出てきてくれないのだった。tadashiくんは角切りにしたパンをオープンに撒きながら下流へと歩き、ある地点でUターン。元来た道を戻りながらパンに反応する鯉を探していた。私は更に下流へ下って岸寄りしている鯉の観察をする。藻の中に潜む鯉は思いのほか、かなりの食い気があるようで、水面の浮き草でエサを探し、次に潜って底のエサを食む。気配を殺して待っていると、時折足元にまで寄ってきて摂餌行動を取る鯉も現れる。水面、底と上下のエサに対しての意識があるようで、このような鯉がいるのであればヒットの期待もできる。

 時刻は午後2時。今回の終了予定は午後4時なので、ラストスパートの2時間はこのような岸寄りの鯉を狙うことにした。鯉の観察を終えてから、自分の釣り場に戻り、本命竿、捨て竿ともに投入点を手前に変更。なんとしても坊主を逃れたいのだが・・・・・

tadashiくんはパンプカへ・・ 岸寄りの鯉は食い気があるようだが・・・・

 tadashiくんのパンプカは幾度かチャンスを見込める一瞬はあったものの、バイトに持ち込めずに終わってしまった。残りの時間は全て近投に打ち直したブッコミにかけることにして、センサー受信を待ち望みながらウキ釣りを再開する。しかし、昨日のような連続したアタリはなく、マブナが遅いペースで釣れてくれるだけであった。

 午後3時すぎ、tadashiくんは終了時間を迎えて、納竿を始めた。私も、ウキ釣りの最後の締めに30センチほどの小さな鯉をヒットさせて終了。今回もブッコミ釣りで釣果をもらえぬまま、竿を納めることになってしまった。

 真夏とはいえ、連続してボウズとなるとやはり悔しい思いになる。あとは秋からシーズンオフにかけて、なんとか1匹でも大物の部類に入る魚をヒットさせたい。次回は雑誌の取材でソウギョ釣りを予定している。うまく釣れてくれればいいのだが・・・。