釣り日記2009 不調 

釣行日 6月12日 場所 創成川 北五番橋
時間 午前11時〜午後6時半 天気 曇り (南の風)


 この春、茨戸水系の鯉のノッコミは少々遅れており、大々的なハタキが見られたのは5月の終わりから6月はじめまでだったようだ。

 新たな釣り場を探すべく、あちこち出回っていた私は、ホームグラウンドのノッコミを見ずに、初夏を迎えてしまった。産卵後ではあるが、今週の休みは北五へ戻ってみることにする。

 このところの天候は不安定で、前日、前々日とパッとしない天気が続いており、今週唯一の休みであるこの金曜日も、若干太陽は見えているものの下り坂の天気。釣り場に到着したのは午前10時すぎで、やはり前日の雨の影響で水が増え、濁りが出ている。

 久々にここに来たので、水草の成長状態などをよく見ておきたかったのだが、橋の上からも濁りで水底を目視することができず、適わなかった。とりあえず、準備を進め、1番竿はいつもどおりの感覚で、水草とオープンの境目と思われる場所に落とし、2番竿は水面から無駄に勇ましく伸びているブッシュ際に落とす。

 魚の様子も確認できていないので、いきなりダンゴや多量の寄せエサを撒くのは危険だろう。ボイリー、バズベイトをPVAバッグと合わせて打ち込んでみる。1番竿はピンクペッパー、2番竿はスイスホワイトチョコレートで、PVAの中身はアピール力が期待でき、またウグイに食われやすいものを敢えて選んだ。「コイミー」+ペレット+ガーリックパウダー(少量)に水を少しだけ加えてボソボソの状態にしたものを少量ずつPVAバッグに入れる。まずこれで1時間、様子を見てみよう。


 水は動いているし、魚の動きも感じられる。けして悪くない状況だと思うが、投入ポイントに泡付けが上がることはなく1投目の時間が過ぎていった。

 大型のフナがいるらしく、バズベイトを使っている1番竿が動いたと思ったら、やはり取られてリグから無くなっていた。ガーリックパウダーを入れたのは拙かっただろうか・・。ボイリーはともかく、やわらかいバズベイトではすぐに取られてしまいそうだ。

 ダンゴに切り替えることにする。袋仕掛けに「どすこい」+黒糖+の組み合わせの、配合物少なめで小さいダンゴをつけ、同じポイントに投入。食わせエサには持ちのいい乾燥コーンのみ針につけた。

 昼を過ぎてから、雲の陰から太陽が顔を出す時間が多くなったので、橋の上からもう一度川を見てみる。やはり濁りが深いが、辛うじて草がどのように生えているのかは見ることができた。ダンゴエサは順調にバラけて、早速フナやウグイの餌食になっている。

 偏光グラスで茶色くぼやけた水中を眺めていると、仕掛けのすぐ横に黒い影。ようやく鯉が姿を見せた。70センチほどだろうか、ダンゴに興味をもっているようだが、投入したばかりでまだ完全にバラけていないダンゴに警戒心を持っているようだ。鯉は去ってしまったが、ダンゴの微粒子がウグイに食いわれ、大きい粒子だけが残った状態になればまた寄ってくる鯉が出てくるだろう。

 1時間後、1番竿のポイント付近の水面を見ると、泡付けがポツポツと現れ始めた。鯉が数匹寄っている。橋の上から見てみると、70台の鯉がウロウロしているのが見えた。ダンゴに口をつけるが、一口食べたらすぐに離れ、またゆっくり寄ってくる。このまま警戒心を持たずに食べてくれれば、いずれ・・・。期待を胸に、釣り場へ戻る。

 橋の下に設営したアタリ待ち場にて、椅子に腰掛けて野菜ジュースを一口。するとその瞬間、センサーが入った。予測していたアタリにもかかわらず、突然のセンサーメロディに驚いた勢いで、鼻から野菜ジュースを出し、ゴホゴホいいながらアタっている1番竿へ駆ける。しかし、あろうことか、大きく曲がっていた1番竿が急にテンションを落としたのと同時に、仕掛けがこちらに飛んできた。ただでさえ野菜ジュースに咽て苦しんでいるというのに、さらに追い討ちをかけるようにまた驚かされるとは・・。何があったのか解説すると、1番竿のセット時に、センサークリップの洗濯バサミにラインを挟む際のミスで、アタリがあって竿が引き込まれてもラインがクリップから外れなかったのだ。竿は完全に曲がり切り、リールのドラグが機能するはずもなく、完全な手竿状態。それでも魚は下流に走り、竿とラインにかかるテンションが最大に達したときに、口切れかスッポ抜けで針がはずれ、仕掛けがこちらへ飛んできたのだ。

 まさかこんな形でバラすとは・・・。2番竿はそのままに、1番竿だけ作り置きしていた同じダンゴを打って再チャレンジ。ある程度寄っていた鯉はみな、散ってしまったようだ。

 次の鯉が寄ってくるのにはしばらく時間がかかった。食い気のない、上流からの下りの鯉はよく現れるが、上ってくる鯉は少なく、また食い気はあれど警戒心に負けてしまう。

 ようやく次の鯉が寄り始めたのは午後3時をまわってからだった。しかし中々食わせを口にしようとはせず、ダンゴだけを食べ尽くされてしまった。

 新しいダンゴを入れるついでに、仕掛けとポイントも変更する。1番竿は水草とオープンの境目に打っていたのだが、水草の中に顔を突っ込んでエサを探す鯉が多くみられたので、今度は水草に埋めるように打つことにした。ダンゴを装着する部分から針が離れたところに位置する袋仕掛けでは、針が水草に引っ掛かる恐れがあるので、シンプルな1本針吸い込み仕掛けに交換し、針はダンゴの中に埋めて投入する。ダンゴの配合にも鳩のエサを少量加えてエサ取りに備えた。

タンポポは綿毛に変わり、土手裏にはルピナス 1本針仕掛け。針はダンゴの中に埋める。

 鯉が寄っているのは確認できるのだが、依然アタリは遠い。ダンゴは大きめで、ハトのエサなど大きな粒を配合したが、鯉がなかなか食わせを口にせず、ダンゴの粒子だけを食べてゆく。この調子なら食い尽くされてしまいそうだ。食わせエサだけを残してゆく、無駄にダンゴの消費量が多い状況だ。

 午後4時をすぎて、やっとラインが走った。掛かっているのは大きいサイズではないが、点々とブッシュが存在するのですぐにその中に突っ込まれる。深く潜られる前に引き出してネットイン。サイズはアベレージより少しだけ大きめの67センチだった。

 これで一安心。ホームグラウンドで、しかも魚の寄っている状態でボウズを食らうのだけは避けたかった。ヒットした1番竿の打ち返しと同時に、2番竿もエサ替えをする。投入点などの問題があるのだろう、今日はやたらと1番竿ばかりが反応している。と思ったら、2番竿の仕掛けには大きなカニが絡まっていた・・。確かに、これじゃあ釣れない(汗)生意気にもこちらに向かって威嚇してくるカニさんを仕掛けから外し、2番竿も、仕掛けを袋仕掛けから1本針仕掛けに交換して水草の中を攻めてみることにする。

大きくないが、不調の中なんとか・・・・ 仕掛けに絡まってたチョキチョキ

 夜からは雨が降るという予報で、とうとう空が厚い雲で暗くなってきた。釣りを開始したときから比べると、若干濁りがとれてきているようだが、橋からの水中観察は難しくなった。水面の泡付けが消えてしまったことから、また魚が散ってしまったと思われる。大きめのダンゴを使い、それがある程度ウグイに食われて鯉を寄せるのに最適な状態になるまでに時間がかかるため、それもあって、今回の釣りはダラダラと展開してゆく。今日は日帰りの釣りで、終了時間は午後7時となってる。残り2時間はちょっと、あと一度はアタリを取りたいのだが・・・。

 午後6時をすぎて、ポイントに魚の気配が戻った。ポツリポツリと肌に感じる程度の雨が落ちてくる中、またしても1番竿にアタリ、土手上にいた私は引き込まれる竿をみて土手を駆け下りたのだが・・。竿は食い込まれた状態から動こうとしない。またクリップが外れていないのではないかと思ったが、今度はしっかり外れている。これは・・いったいどうなっているんだ?ポイント周辺に掛かりなど無いはずなのだが、竿を立ててみても微動だにしない。ドラグをしめてラインにテンションをかけると、少しの抵抗があった後に針が外れた。悔しい、もう一度だ。

 終了時間が迫っているので、ダンゴがバラけるのを待っている暇はない。PVAに水を加えていない微粒子とハトのエサを少量いれて、仕掛けと一緒に投入した。しかしこのあと反応はなく、今回の釣りは終了となった。

 久々のホームグラウンドだが、良くも悪くもないコンディションで、少々やりにくかった。魚が寄るのに時間がかかり、散るのも早い。今季はまったくをもってホームグラウンドでいい思いをしていない・・?というか、どこで釣りをしようにも、あまりいい思いをしていないので、そろそろ満悦した気持ちで納竿を飾りたいのだが・・・・。



釣行日 6月16日午後6時半〜
6月17日午後3時
場所 茨戸グラウンド裏-創成北五
時間 天気 曇り時々雨(北西の風)

 上記の釣行から4日後の16日夕方。翌17日が休みの私は仕事が終わるないなや、準備しておいた荷物を持って車に乗り込み、茨戸川グラウンド裏へ向かった。

 石狩川公園か茨戸か、どちらか迷ったのだが、去年のこの時期はグラウンド裏で好調だったので、同じようにグラウンド裏水門横で竿を出すことにする。

 上記釣行の終盤で降りだした雨は、この前日まで降り続き、アスファルトを黒く塗りつぶしていた。この日も雲行きが怪しく、いつ降り出してもおかしくない様相の空の下。早々とタックルをセット。仕掛けとダンゴは上記のものを引き続き使う。

 1番竿はチヌ8号1本針仕掛け針をダンゴに埋めるスタイルで、岸際の藻の中へ。2番竿は袋仕掛けで藻の奥の深みへ投入。いつもなら釣り始めには、配合物少なめの小さいダンゴを短時間で打ち返すが、今回はなんとなく、理屈はないが、1投目でそのまましばらく置いておいたほうが良い気がしたので、3時間後に打ち返すことにした。

 平日なので、後ろのグラウンドは部活動の高校生で賑わい、川の土手を降りてきて発声練習を始める集団もあった。そんな横で夕食のパンを食いちぎりながら、雨が降るまでの時間を外で過ごそうと、折りたたみ椅子でくつろぐ。

 今日の風向きは一応北寄りで、この風ならば創成川付近のほうが良いのではないかと思ったが、風は弱く、なんともいい難いコンディションとなっている。雨の後だが水位は低いめで、ポイント付近では鯉やフナのモジリが見られた。食い気のある大鯉が廻ってくることを願う。

午 後8時、椅子に座ったまま目を閉じ、うつらうつらとしているとセンサー音。2番竿のラインが出されていた。なかなか面白い引き合いを楽しませてもらったが、サイズはいまひとつで65センチくらい。

 思ったよりも早い段階でアタリを取ることができた。このまま続いてくれれば大物のチャンスもあるのだが、すっぱり裏切られることもよくある。あまり期待はせずに、打ち返しを行おう。ダンゴを作るのに使ってるヌカ漬け用のタッパーから、濡れタオルに包んでおいたダンゴを取り出し、同じ場所に投入。1番竿は回収の際の根掛りでやむなくラインを切ることになった。去年はこんなところで根掛りなんてほとんどなかったのに・・。また何か、わけのわからない物でも沈んでいるのだろうか。

 気温が落ちてきたようで、初夏の服装にしてはかなり厚着なのだが、腕に鳥肌が立っている感覚がある。6月の半ばとはいえ、外で転寝するのは軽率だったようだ。キツネが1匹、目の前を通り過ぎてゆくのを見送ってから、車の中で転寝の続きをするとしよう。


 午後11時、やはりアタリは続かないまま2度目のエサ換えの時間を迎えてしまった。配合を変えることはせずに、ただ1尾目と同じように食ってくる鯉を狙う。2度目のセンサー受信はあるのか・・、これで朝まで釣れないようなら、この前のリベンジということで創成川へ移動することにしよう。そんなことを考えながら仕掛けを回収する。するとまた1番竿が根掛り・・。いやはや、勘弁してもらいたい。1番竿の投入点も2番竿と同じく、カケアガリに変更することにした。オモリ部の完全固定式は作るのが面倒で、ましてや夜中にこう根掛りばかりされると煩わしい。

 とうとう雨が降ってきたか・・。とはいえ今はまだ霧雨程度だが、濡らしては困るものを車の中に入れて避難させた。毎回毎回、釣りをするたびに雨を警戒せねばならない。最近の雨続きはオホーツク海の高気圧の停滞が原因しているらしいが、毎回釣りをするたびに来られると、さすがに嫌になってしまう。

 今は顔に冷たく当たる湿った空気と、濡れた地面から香るシロツメクサの匂いが心地よい程ではあるが・・。暗い中、切ってしまった1番竿のラインにオモリを取り付ける作業と、失った仕掛けを作る作業に梃子摺り、中々思うようにいかない。落としてしまったスイベルを拾い上げようと、草の中に手を突っ込むと、そこは荊の森。植物の棘が手に刺さり、しかも反射的に手を退けたせいで刺さったところから少し切れてしまった。やっと作業を終えて、2番竿の打ち返しから20分遅れで1番竿を投入。

 しかしこのトゲトゲの植物、前々からファイト中などに、サンダルを履いた裸足に刺さって痛い思いをしていたのだが、なんという植物なのだろう。無数の棘に奇数羽状複葉・・バラ科の植物には違いないのだが、ヘビイチゴとかいう毒々しい名前の奴だろうか。まぁ、ここが「茨」戸川だから仕方がないか・・(関係ない)

  鬱陶しいトゲトゲ。何度刺されたことか・・  

 午前2時、エサ換えをしようと寝袋の中で目を覚ますも、またそのまま眠りについてしまった。結局、エサの打ち返しを6時間すっぽかして、午前5時から活動を開始することに。一人で釣りをしていると、変にぐっすりと眠り込んでしまうことが多く、時間を無駄にしたように思えてしまう。

 結局、9時間前の一尾目からアタリはなかった。またこのパターン、何をやってもアタリを取れない気がする。一応ダンゴの配合だけは変えてみることにして、配合物を省いた「龍王」に麦茶を入れた物を打ってみる。しかしこの後、朝食も食べずにまた眠り込んでしまい、センサーに起こされることもなく、また5時間の睡眠。

 午前10時、なんだか今回もあまりいい釣りをできそうもないので、一端道具を車に戻して、創成川へ移動することにした。しかし、こちらも魚の気配が薄い。一応、ダンゴを打ってみたのが、ウグイやフナも寄りが悪く、興味を示す鯉が1時間に1、2匹現れるだけという確率の低いコンディション。これではもう、釣りらしい釣りもできないだろう。今回は諦めて、撤収することにしよう。

 アタリが遠い中、なんとかアベレージサイズでボウズを免れて、上記の前回と大して変わらない結果。この回は、特に釣行記として残すこともなかっただろう。ただ、前回と日が離れていないので、前回の続きというか、オマケというか、勢いでここまで書いてしまった。そろそろ充実したレポートを書きたいのだが、今年はどうも、うまくいかなそうな気がする。