鯉釣り日記2008 08年竿納め
 釣行日 11月25日11時半〜17時  場 所  創成川
 時 間


 前回釣行から1ヶ月以上が経過し、その間、幾度か釣行を試みるも、去年の今頃とは打って変わって、創成川は生物のアクティビティに欠け、鯉に関しては1尾の姿すら見ることができないというバッドコンディションを見せ付けられた。

 それに加え、毎週末というピンスポットに襲い来る悪天候と私自身の体調の悪化などとダブルパンチ・・というか、もはやリンチ状態であり、今年度の釣行を半ば諦めかけていた。

 この冬の根雪は遅く、積もったり溶けたりを繰り返しており、この数日は最低気温でも零度を下回らず、家々屋根に垂れ下がった氷柱もしずくを滴らせていた。ちょうど学校が冬季休業に入り、時間も空いた。川のコンディションに関わらず、いまのうちに一度、竿を出しておこう。今年度を締めくくる、竿納めだ。

 午前11時、ホームグラウンドに向けて出発。道路に雪はなく、気温は高い。温排水も加わわり、川の水温も上がっているのではないだろうか。途中昼食を購入してから、ホームグラウンドのいつもの風景の中に降り立った。

 あいかわらず水位は低い。水に流れがありゴミが多く浮かんでいるが、濁りはさほど入っていない。水温は10度とこの時期にしては高く、下流ではヘラブナ釣りの釣り人が数人みられた。

 しばらく川を観察し続けていると、鯉が現れるようになり、60センチほどのアベレージサイズが多いものの、魚はある程度動いていることがわかる。とりあえず竿を出して、エサを投入してみよう。あとは魚がそれにどう反応するかが問題だ。簡易なフォーク竿立てにタックルをセットし、仕掛けとエサの準備に取り掛かる。まずはボイリーとPVAの組み合わせで試してみよう。

オモリ部(フロックボール仕様を流用)
オモリ:スパイク25号
サキ糸:PE10号

仕掛け(ヘアリグ)
ハリス:PE6号
針:チヌ8号

エサ
各種ボイリー(BMFパイナップル、ピンクペッパー)

寄せエサ
押し麦+ペレット

 魚が動いているといっても、頻繁に入ってくるわけではないので、どこにどのように仕掛けを打てばよいかというような具体的な戦法は見えてこない。とりあえず、最初に鯉が見えた川の真ん中とそれより少し奥に打ち込んだ。

 落としオモリを使用すべきかどうか、悩ましい状況だが、この一投目は使用せずに待ってみることにしよう。この日は細かいゴミが無数に流れ、しつこくラインに纏わりついてくる。このような状況で落としオモリを使用してしまうと、逆に糸を沈めた分だけゴミが引っ掛かり、その状態で魚がヒットしてしまっては大変だ。ラインについてくるゴミはドロドロとした分解されかけの草のようなもの。ラインにこびり付いてとれず、まともにリールが巻けないし、竿を立てても落としオモリが仕掛けのところまで下りて行かないということもある。今日はそれほどヒドイ状況ではないものの、ここは使用を控えておく。落としオモリが必要であるならば、いつもよりも重めのナスオモリを使うことにしよう。

 昼食のパンを食べながら、1時間ほど橋の上からの観察を続け、幾匹かの鯉を見送ったが、なかなかエサに対する反応はない。しかし食い気がないわけではなく、時折底を食みながら、下流からゆっくりと上がってきている様子だ。

 エサを変えてみることにしよう。PVAの内容を変えるか、それともエサ自体を変えるか・・。これまで見ていて、PVAで投入した寄せエサに反応を示した鯉はいない。もう少し匂いと存在感の強いものにしてみようか・・。となれば、PVAよりもダンゴの方が効果的だろう。しかし、この狭いポイントで、無闇に寄せエサばかりを投入してしまってはヒット率は落ち、警戒させてしまう恐れもある。次の寄せエサを打つ前に、食わせ自体にアピール力のある白エサを試してみよう。冬エサの定番であるパンの白身やマシュマロ。今回はマシュマロをチョイスし、短ハリスの2本針仕掛けに取り付けた。

オモリ部は変わらず。

白エサ用2本針仕掛け
ハリス:巨鯉ハリス8号
針:チヌ10号

2本のハリスの間にゴム管とオモリ(ガン玉)を挟むことによって、ハリスの長さ(白エサの浮遊制御範囲)を変えられる。
今回はマシュマロが底から2.5センチ浮くように設定。

 これまでの観察で、この日の魚が頻繁に通るラインをみつけ、1番竿の仕掛けは、橋の上から正確にそのポイントへ下ろした。2番竿は変わらず、川の真ん中に投入しておく。引き続き橋の上から偏光グラスを使っての観察を行い、仕掛けとエサの様子を眺めた。

 鯉にとって、おそらく一番よく見えているであろう色のエサが水中で揺らめく。この白エサは、とくに創成川のような浅いフィールドにおいては、ダンゴなどと同様に絶対的なテンプテーションをかけてくれる。

 しかし投入から1時間半、ポイントを通りかかる鯉がマシュマロを口にすることはなかった。この1時間半で十数匹の鯉がエサの横を通り、どの鯉もいい反応を見せてくれたのではあるが、寄ってきてからエサを観察する段階で見切り、去っていってしまったのだ。予想以上に警戒されている。まぁ、ここの鯉はみなスレていて、このようなエサをみて警戒しないはずもないのではあるが・・。結局、この白エサでも今回の釣果は見込めず、また作戦を変えることに・・・。

一度積もった雪はすっかり溶け・・・ 去年とは違う景色のクリスマス

 時刻は午後2時。午前中は青空も見えたが、釣り場の空は重々しい灰色。いつ雪が振り出してもおかしくない雰囲気だ。この暖かさなら、雪ではなく雨が落ちてくるだろうか・・。濡らしたくない備品を橋下へ移動させ、雨に備えた。すると案の定、午後3時にはパラパラと小雨が降り出し、水面に波紋が広がった。

 午後になってから、魚の活性は更に増したようで、時折水面を跳ねる鯉も見られる。緋鯉や錦鯉もポイント周辺に姿をみせ、エサを意識しているようだ。

 マシュマロで効率的な釣果を見込めず、次に用意したのはダンゴと袋仕掛け。この戦法でも効果がなければ次の作戦を考えねばならないことになりかねないので、その際にダンゴによる不の影響をポイントに残さぬよう、篩にかけて内容を減らしたエサを小さめのダンゴにし、ポイントに打ち込んだ。

 水温の上昇により、ウグイが活発に動いている。いまこの付近にいる鯉だけをターゲットとして、大粒の粒を減らし、あえてウグイに食われて無くなりやすい形質のダンゴを作った。

オモリ部は変わらず。

袋仕掛け(1本針)

袋 ‐ ハリス:巨鯉ハリス10号
針:チヌ8〜10号

ダンゴエサ
「どすこい」+「龍王」
篩にかけて内容を減らし、大粒子は「どすこい」に含まれている大粒の乾燥コーンのみを配合させた。

食わせエサ
乾燥コーン+「しゃきっとコーン」

 気温が比較的高いとはいえ、長い時間橋の上にいたため、体が冷えてしまった。袋仕掛けを投入したあと、観察もそこそこに、車の中へと入り、しばしの休憩をとる。

 単行本を片手にしながら、さっき見た錦鯉でもヒットしてくれないだろうか、そう思ったとき、受信機が2番竿からの発信をとらえた。よしっ、ヒット!反射的に外へ飛び出した。

 土手を降り、2番竿へと駆ける。しかし竿を持つ前に、躍動は消えてしまった。珍しくも上流へ向かって走り出したその姿を見ることはできず、空アタリで終了。初めてアタリが出たが、警戒しているがゆえのスッポ抜け、あるいは口切れだろう。

 時々、針の存在を意識して、散らばった寄せエサをひったくるようにして拾う鯉や、針がついていなくても、拾った瞬間に首を振りながら走り出す鯉もいる。そのような場合、口にしたのが本当に食わせエサであっても、綺麗なフッキングはしない。

 針のサイズを1サイズ小さくし、チヌ針8号に付け替えて再投入した。そして30分後、また2番竿にヒットした。今度は大丈夫だろうか、ラインは下流へと走っている。冬季の鯉はノロノロとしてあまりいいファイトをしないと思っていたが、この鯉はなかなか粘り強く抵抗した。タモに入ったのはよく肥えた体格の71センチ。とりあえずアベレージオーバー、頷ける一尾だ。

  71センチ。いい体格だ。  

 魚は寄っている、いまがチャンスだ。2番竿の再投入とともに、1番竿もエサ換えをする。もう午後4時をまわり、雨模様の空は暗さを況している。1番竿はある一箇所のポイントに正確に仕掛けを落とすため、橋の上から投入を行うが、風が出てきたこともあって、水中が見えにくい。半ば感覚的に仕掛けを落とし、なんとかセット完了した。

 そしてその直後、前アタリなしに突然1番竿が絞り込まれた。車に戻ろうとしていた足をとめ、ファイトを開始する。さっきの鯉よりもやや重量感に欠けるが、引き合いはなかなか楽しめた。しかもこの鯉、私が取り込みに入ろうと、片手にタモをもつと、急に手前に走りだした。一度タモを置いてハンドルを持ち直し、たるんだ糸を回収すると今度は奥に泳ぎ出す。もう一度引き寄せて、再度タモを持つと、今度は横に泳いで岸際の木にラインを絡めてしまう。性格悪いのかコイツ?と苦笑しつつも、無事にネットイン。さきほどのものよりも痩せてはいるが、70センチのボーダーはなんとか越えている(ほんの数ミリ程度だが)。尾柄が太いのが特徴的な鯉だった。

  2尾目もなんとか70越えのサイズ  

 このまま釣果を伸ばせないだろうか。とはいっても、この後に用事が入っているので長居はできないのではあるが・・。

 すっかりと暗くなった釣り場。雨は強まっていないが、いつの間にか冷たい風が強く吹き、急に気温が冷たくなった。時刻は午後5時。毎度そうだが、夕方に連続してアタリが出ても、暗くなった途端に反応がなくなるのはなぜだろう。このような場合は、暗くなってから3時間ほど経ってからポツポツとアタリが戻ることが多いが、今回はここまで。今年の釣りはこれで終幕としよう(多分)。

 08年度は24回の釣行で釣果は44匹。最大は83センチ。それに加えてソウギョを狙った釣行が3回。釣果は80センチ一尾となった。今年もいい釣りができた。満悦した気持ちで竿を仕舞う。

 ボウズを免れ、いい釣り納めになったと思ったのだが、釣りを終えて2日が経過し、釣行記を書いている今、気づいてしまった。

 釣り場に竿立て忘れた!

土手に刺しっぱなし・・・(苦笑)。思えば竿立てを車に乗せた覚えがないのだ。

 釣行後半に吹き荒んだ強風は雪を運び、暴風雪となって札幌を白く塗り潰した。竿たてはうまってしまっただろうか。

 それとも、心優しい方が拾って、彼らは新しい飼い主のもとで幸せに暮らしているだろうか。いろいろと用事が入ってしまって、見にいけないので、どなたか見つけた方は北五番橋の下にでも置いておいてください(笑)

 (竿立ては無事救出できました)