鯉釣り日記2008 炎天下−夕涼み
 釣行日 8月6日午前4時〜午後7時  場 所  茨戸川
 時 間


 
前回釣行、アタリ待ちの車の中にて、tadasiくんからのメールに目を覚ました。内容は創成、茨戸エリアでの釣行予定。
 8月6日の日中に、創成か茨戸での釣りを予定しているとのことで、この日は私も予定がなかったので、ひさびさに一緒に竿を出すことにした。

 さて、最近はうだるような暑さを避け、夜間の釣りばかりになっていたのだが、この時期の日中を攻めるにはどうすればいいのだろう。水深と水温、溶存酸素などの面から自分なりに考えてみたが、結論、この時期はどこも厳しいということで、ロケーションで釣り場を選んだ(笑)

 tadasiくんとメールでやりとりをして決定したのは茨戸川のグラウンド裏。ここなら状況にあわせて攻めるレンジの変更ができる。

午前3時に起床し、午前5時ごろ、tadasiくんよりも一足先に釣り場に到着。それから10分ほどしてtadasiくんと彼の彼女が、tadasiくんのおばあさんの車で到着。それから少し釣り場を見回しながら、竿を出す場所を決め、それぞれタックルを車から降ろした。

 岸辺に停滞する草の量はまた増しているようだ。跳ねともじりはよく見られ、いまのところ魚の活性は悪くないようだが、これから日が高くなるとどうだろう・・。ここは水深があるものの、水は停滞しやすく、水温は上がりやすいであろう。

 とりあえず、竿1本はカケアガリの下に置き、もう一本はカケアガリの上、草の切れ目にでも投げておこう。とにかく草が酷く、グラウンド〜ネット裏のエリアの岸際はほぼ、水草や流れ藻に埋め尽くされていた。唯一その中で草の切れ目があったのがグラウンド裏の水門付近であり、私とtadasiくんは竿を2本ずつ、草の切れ目でオープンになっているスペースの左端と右端にセットした。魚がヒットした場合は真ん中のオープンでファイト、取り込みをする。私の仕掛け、エサは前回同様の袋仕掛け+ダンゴエサの組み合わせ。tadasiくんはボイリーとペレットを使うヨーロピアンスタイル。

 夏の朝の日差しがまぶしく、私たちの目の前に浮かび上がる。少し雲がかかっているが、晴れのさわやかな朝。輝く水面を跳ねる魚の気配は濃厚で、いまこの時間にアタリがあれば最高・・と思ったが、やはりそううまくいってくれるはずもなく、静かな朝を過ごした。釣りをしないtadasiくんの彼女とおばあちゃんは車とテントに入り、どうやら眠っている様子。釣り人ふたりは竿の前で談笑してアタリセンサー、バイトアラームの音を望んだ。

唯一草の少ない水門付近 左に私 右にtadasiくんが竿を出す

 午前10時。
 少しずつ上昇する太陽を眺めながら、いつもの折りたたみ椅子とコーヒーのセットでリラックスしていたのだが、段々と暑くなり始めたので、私は水門の下や車の陰などで日光の直射をかわした。

 ときおり、tadasiくんのバイトアラームがピっ、ピっと反応するが、鯉のアタリではないようだ。気温が高まるにつれ、それは少なくなり、水面も風によって立てられた波以外、動きがなくなってきてしまった。やはり、というかこの時期は仕方がないだろう。

 4回目のエサ換え。これまで1時間置きにエサの打ち返しをしていたのだが、ここからは3時間置きとしよう。どれほどの魚がこのポイントでエサをついばんでいるのか・・。魚の跳ねやモジリなどの躍動を感じられなくり、水温が低い深みに潜ってしまったということを考え、私もtadasiくんも投入点を少しずつ沖目へとずらした。だが、水深に関わらず魚の活性自体が落ちてきているのならば、特に多量の粒子を一箇所にまとめて積もらせてしまうダンゴは、エサの打ち返し、投入数を控えたほうがいいだろう。食欲が落ちているであろう鯉が、ポイントに多量においてあるダンゴのうちのほんの一部だけを食べて、すぐに去ってしまうことが考えられる。これ以上の頻繁な打ち返しはヒット率を下げてしまうだろう。鯉に警戒心があるのなら尚更だ。

 午後、気温は30度を超している。パラソルで日陰をつくり、その下で昼寝をすることにした。tadasiくん達も、道具やテントを木陰に移動させ、その下で休んでいるようだ。

 だが、この暑さがあって、思うように眠ることができない。じっとしているとただ暑いだけなので、パンプカセットを手に、岸辺を歩いてみることにした。水面を覆う草の中からは、バフっ!と鯉がエサを食む音が聞こえてくるので、食い気のあるやつもいるのだろう。だが、オープンになった水面にパンを流すのではなく、ヘビーカバーの中からエサを食みに顔を出す鯉を狙ってうまくキャストしなければならないし、草に引っ掛かって打ち返しも効かないので、なかなか難しい。

 それでいくつかのチャンスを逃してしまいながらも、釣り場から100メートルほど離れたネット裏方面へと歩き、鯉の姿を探す。
暑さと酸欠のせいだろう。水面近くに鯉が多いようだ。ネット裏付近では、数匹の鯉がたまって、水面で動かずに浮いている光景がよく見られる。そのような鯉は驚くことに、目の前に仕掛けをキャストしてやっても、音をたてても逃げようとしない。当然、エサを食ってくれることもなく、ただただ活性の悪さを見せ付けられた。

水門の下から・・・ 炎天下・・・

 夕刻。
 日が傾くと途端に気温が下がりはじめ、過ごしやすくなった。パンプカを諦めた私は釣り場にもどり、談笑の輪に入る。

 チャンスがあるならばこれからだろう。最後のエサ換えもすませ、炎天下から涼しげな雰囲気に変化させゆく黄昏時を楽しんだ。

 これまで風が多少あったのだが、いまは水面が静かになっている。魚の活性はある程度もどってきているように感じるが、2人の竿は沈黙をまもり続けた。やはり夏場というのは厳しいものだ。人や車の通りが多くて賑やかだが、夕マズメを狙うなら、ここよりも水が動きやすい創成川のほうを選んだほうがよかったかもしれない。あるいは茨戸公園前。あの場所も、水が動き、魚も入りやすく、夏の昼間でもアタリがもらえることが多い。また大きな木が多数生えていて涼しいので、夏場は好ポイントになるのだが、車で入れなくなってしまったのが残念だ。去年のように普通に入れるのならば、今日は間違いなく、あの場所を選んでいただろう。まぁどこに入ろうにも厳しいには変わりないのだけれど・・・・。

 18時30分。
 終了予定時刻であるが、まだチャンスがあるかもしれない。竿を上げてしまえばそこで終了。おばあさんの「今日はもうボウズでしょ〜」という言葉に頷きたくなるようなコンディションではあるが、「いや、まだわかりませんよ(笑) 」と、私とtadasiくんは諦めきれない。

 竿を上げてしまえばそこで終わりだが、この1分後に・・・・次の刹那に・・・、アタリが来るかもしれない。終了直前にアタリが!というのはよくあること。それを望んで、最後の一瞬まで竿に触らずに、待ち続ける。

 暗くなりつつある釣り場。談笑の輪の中、無造作にtadasiくんの釣り用のハサミで爪を切り始めるという、おばあちゃんの唐突な行動に、噴出す一同。最初は「その行動は予想外だわ(笑)」と喋る余裕があったものの、段々とツボに入りはじめ、最終的には再起不能にまでなる爆笑へ。私に関しては、鼻水が止まらなくなるほど笑ってしまった。

 結局、この釣りは私、tadasiくんともに釣果なしで終えることとなった。全てやり切った結果なので悔いはない。それどころか、tadasiくんのおばあちゃんが巻き起こしてくれた爆笑のおかげで、妙にテンションの高い状態での納竿となった。



 翌日、この日の午後はちょっとした用事があり、ホームグラウンドの創成川北五番橋に通りかかった。帰りに川を覗いてみるが、やはり魚の活性はよくない様子。強い北風で、これまでの釣行ではみたこともないほどに、水面が波立っていた。魚の姿はほとんど見られず、釣りをするようなコンディションではない。

 そしてその翌日、8月8日午後15時。夕マズメの夕涼みをかねて、再び北五番橋に訪れた。風は弱く、水面が落ち着きをとりもどしている。けして数は多くないものの、鯉の姿も見られるようになっていた。一応竿を出してみよう・・。

 釣り場の下流ではマーくんが竿をだされていて、私が橋の上から川の様子見をしているときに釣果を得て、納竿した。私は茨戸川の釣行と全く同じ仕掛けで、エサは「どすこい」単品と食わせに乾燥コーン。夕涼みのプチ釣行であるので、竿は一本だけ。川の真ん中あたりに投げ込んで様子をみた。

 現れる鯉の数は少なく、姿をみせてもダンゴを警戒している。だが食い気はそこそこあるようで、しっかりとダンゴに反応してくれている。そして午後16時ごろ、1匹の鯉が食わせを吸い込む姿が、橋の上から確認できた。だが、うまく針を外して逃げたようだ。今日は意外とイケるんじゃないか?

 チャンスがあることを見込み、いつもどおり竿をもう一本だし、マジ攻めに入った。最初に投入していたほうの竿も一度回収し、新しいエサをつけて投げなおす。掛かりが悪いようなので、針もチヌ10号から8号へサイズダウンした。さぁ、再チャレンジ!

   3ヶ月ぶりにここで竿を出した  

 ダンゴエサの甘い香りに、鯉が寄ってきたようだ。ウロウロしながら、ダンゴの周辺でエサを探す鯉が数匹みられるようになった。

 やはり警戒していて、なかなかダンゴに近づこうとはせず、じっくりとダンゴを観察しながら、少しずつ距離をつめる。そしてバラケたダンゴの一部に口をつけ、そのあとは味をしめたように、煙幕を上げながらダンゴを貪りはじめた。そして次の瞬間。風が吹き、水面がざわついて鯉の姿が見えなくなったのと同時にセンサーが反応した。どうやら食わせを口にしたようだ。

 勢いよく引き出されるライン。この時期の創成川の鯉はやたらと走る。ブッシュに突っ込みながら大暴れし、気持ちが良いくらいにスプールを回してくれた。上がったのは70センチの力強い体形の鯉。おもしろいファイトだった。

   70ジャスト!太く力強い尾鰭をもつ鯉  

 この一尾だけではない。まだ鯉は寄っている。用意しておいた新しい仕掛けとダンゴをセットして、同じポイントに打ち込んだ。

 日が陰るにつれて水中の様子が観察しにくくなってきているが、ダンゴにまとわりつく影。今日はイイかもしれない♪

 突如、仕掛けを銜えた鯉が水面を割り、背びれを出しながら猛スピードで下流へ走った。ワンテンポ遅れてセンサーがなる。2番竿にヒット!!この鯉もなかなかのスピード。幾度となくブッシュに入ろうとし、果敢な抵抗をみせる。70センチのタモ枠と比べるとわずかに小さいので66〜8センチといったところだろう。

 この鯉をリリースし、打ち直しにかかろうとしたところに、1番竿のセンサークリップが弾き飛ばされた。この鯉もあまり大きくはないが、春にここで釣るものよりも、格段に引きが強くて楽しめる。65センチほどの元気のいい鯉。

連続アタリ!このサイズでも引きを楽しませてくれる

 
プチ釣行のつもりだったが、いい展開になってきたではないか。この調子でサイズアップしないだろうか。2本ともすぐに打ちなおし、次のアタリに備える。だが、ここでアタリは止まってしまった。魚はいるので、ここまま待っていればもう少し追釣できるかもしれないが、このあとの予定もあるので、今日はここまで。予想外にいい釣りができ、満足の夕涼みになった。