鯉釣り日記2008 草魚奮闘記
 釣行日 7月24日午後6時〜
7月25日午前6時
 場 所  篠津湖
 時 間


 
20日深夜、2尾目のソウギョをこの手にすべく、篠津湖に釣行するも、この日も用事があったために短時間で終了せざるを得なくなった。鯉よりも絶対数の少ないソウギョを狙うには十分な時間ではなく、この釣行の仕切りなおしを、25日の夕方から行うこととし、準備に励んだ。

 学生特権の夏休みで予定の空いていた24日。午後5時、寄せエサとする葦の束を固定するための竹ざおを数本用意し、葦も採取してから釣り場へと向かう。

 翌日25日はまたしても用事が入ってしまっているのだが、午前6時ごろに納竿すれば問題ない。午前7時にもなれば、他の釣り人もふえ、工事現場の重機も動き出す。警戒心の強いソウギョを狙うには夕方から明け方までの12時間を狙えば十分だろう。

 1時間の道のりを経て、すっかり見慣れてしまった新篠津の風景が目に入る。平日ということもあって、他に釣り人は来ていないみたいだ。

 20日にここに来たときは、増水により水位が1メートル以上増していた。岸際に生える柳の木が水没しているが、その葉を食べに、多くのソウギョが岸よりしていたらしく、あちらこちらで、「ガサガサ、ブチっ!」と葉を食いちぎる音が聞こえていた。この日も水位は高く、柳の葉が水面に浸かっているが、20日よりも若干下がってきているようだ。

 さっそく準備開始。寄せエサの葦を竹ざおにしばり、岸に挿して固定しておく。その寄せエサに食わせ葦を紛れ込ませるように、竿と草針をセットした。

草針(3本針)

オモリ:ナス型1号

ハリス:PE8号

針:チヌ8号

エサ

葦の葉(2枚重ね)

 暗くなりつつある水辺で、物音が聞こえる。恐らく、ソウギョであろう。20日に来たときのように頻繁には聞こえないが、ソウギョの気配は感じられる。あとは静かに待つだけ。その間、なるべく釣り場には近づきたくないので、暗くなる前の最終チェックを済ませてから、土手上の駐車場に戻った。

 大きな建物などない田舎だから、暗くなる寸前まで落ち行く太陽をみることができる。夕日を拝みながらの夕食。そして小さな照明と折りたたみ椅子を用意して夜釣りのスタイルへ。空は晴れ、普段の環境では見られないみような綺麗な星空が広がった。

 風は弱く気温もちょうどよい。長閑で爽涼の夜を過ごせそうだ。あとはアタリがあれば完璧。ではあるが、それは魚次第。こちらは全力を尽くしている。アタリがあることを願うばかり。


 夜がふけるにつれて、釣り場は静まりかえる。竿は沈黙を守り続け、月明かりに静かに照らされている。

 暇潰しに持ってきているナンバープレイスの空欄も埋め尽くし、やることのなくなった私は車に入り、寝袋に潜りこんだ。1〜2時間目を瞑るが、眠ることはできず、落ち着いているいることにも飽きてきた。久しぶりに時計に目をやると、時刻は午前1時。そろそろいい時間なのだが・・・。

 懐中電灯をもち、エサの様子を見に行くことにする。万が一ソウギョがそばに居ても脅かさぬように、ライトを直接水面に当てないようにして、目を凝らして水面を覗く。すると・・・・・

 一番竿の寄せエサがなくなっているではないか!あたりには飛び散った葦の葉が浮かんでいる。しかし、見事なまでに食わせはそのまま浮いたままだった。

 やられた・・・寄せエサだけ食べていきやがった。

 ここまで来て何故食わない。寄せ葦を縛ってあった竹ざおを回収すると、乱暴に葉を食いちぎられた葦。私も含めてソウギョを狙う釣り人が多くなったからか、ソウギョも警戒しているように思える。

 竹ざおに新しい葦を縛っていると、そのままにしていた2番竿のラインが張った。同時にセンサークリップが外れ、ランプが点滅。

 突然のことに驚きつつ、ライトで竿を照らすと、一瞬竿先が絞り込まれたことを意味する上下にゆする余韻。だが、それから竿はまた沈黙し、魚の気配を感じさせない。空アタリだったようだ。仕掛けを回収すると、端をすこし齧って引っ張ったような跡が残されている。針に届く寸前のところを銜えたのだろう。やはり警戒されているみたいだ。


 
苦戦させられている。だが、ソウギョの活性は高い様子。この調子のままなら・・・・・。
 寄せエサ、食わせも全て元に戻し、再び釣り場から離れて土手上に設けたアタリ待ちスペースから暗い釣り場を臨み、次のチャンスを待つ。

 ソウギョを意識しすぎて、水面で見られる僅かな変化にも思わず反応してしまう。私の耳が待ち望むのはガサガサという葉の擦れる音。

 後ろから聞こえてくるカエルの声は、次第に小鳥の囀りに変わり、空は少しずつ明るくなってきた。普段の私がいる環境では考えられない静けさ。そこまで田舎というわけはないが、人工物の音が聞こえないこの場所のこの時間が気持ちよい。

 太陽が昇り、綺麗な朝焼けとなった。夕日を眺めながら夕食を摂ったので、今度は朝焼けを眺めながら朝食を摂ることにする。ソウギョもそろそろ、朝ごはんを食べによってこないだろうか。

 気づけば水位はさがり、岸に水面と平行になるように挿していた寄せ葦の竹ざおの背が水面から露出している。水位が下がれば、ソウギョもあまり岸に寄り付かないと思われるので、エサをもう少し奥の深くなっているところに垂らそうかと思ったが、今岸辺でバタバタと作業すれば来る魚も来なくなるだろうし、それにもうタイムリミットが迫ってきている。今からではもう、作戦を変えてもじっくり待てないし、気が引ける。

 朝食を食べ終えたら、納竿することにしよう。


 2連敗か・・・。いや、20日の短時間釣行を入れれば3連敗。私にとってはまだ、篠津ソウギョは夢のような存在だ。初回にいとも簡単に釣れてしまったのはなんだったのか。奇跡?・・今度こそはタモに収めたい。日を置いてまた釣行しよう。次回は近場で鯉狙いの予定。茨戸も創成も、去年に増して草だらけになっているが・・・・・。