鯉釣り日記2008 満悦
 釣行日 5月30日午後8時〜
5月31日午後6時
 場 所  茨戸川
 時 間


 5月24日、創成川の合流点にて竿を出した。小さいながらも一投目から釣果があり、25日早朝から釣り大会が開催されるとのことで気合が入ったのだが、急用が入り不完全燃焼の納竿となってしまった。前回の丸ボウズもあり、そのフラストレーションを晴らすべく、今週も釣行のプランを立てた。日曜日は車検のため車が使えなくなるので、金曜の夜から土曜日にかけて釣り場で過ごすことにする。

 30日、学校を終えてから帰りにスーパーで食料を買出し、早速釣り場へと向かった。川崎から来られている高橋さんと連絡をとり、茨戸川グラウンド裏にて一緒に竿を出すことになっている。

 午後8時ごろ、ネット裏、グラウンド裏のエリアに入り、ひととおり川を見渡す。この夜は月がなく、南東の風が強い。真っ暗な河原に、風と波の音がけたたましい。この前のような、静かな夜をのんびりすごすという雰囲気ではないようだ。

 グラウンド裏でいつも竿を出しているスペースは、手前から数メートル奥から急に深くなり、地形の変化と、サブストラクチャーとしてウィードを狙って釣りをしていたが、なかなか思うように釣果が得られなかったので、今回は少し違う場所で竿を出すことにした。とは言っても、気温は低く、この強い風で体感温度はさらに寒い。この場で丹念に一からポイントを探すにはモチベーションが乏しい。グラウンド裏少し上流の水門横から竿を出すことにした。この場所は前回高橋さんが入釣していたポイントで、投棄されたゴミがひどく、根掛りがあるものの、魚を寄せやすそう。別のポイントを探しにいくのもめんどうなので、とりあえずここで竿を出し、「これから向かう」という高橋さんの到着を待つことにする。

 仕掛けは前回と同じ。ダンゴは少し匂いのついたものに大粒粒子を配合し、大きめに握って、まずは魚を寄せる。

オモリ部(中通し式)
サキ糸:PE8号2本
オモリ:ひし形30号

仕掛け(袋仕掛け1本針)
袋、ハリス:巨鯉ハリス8号
:チヌ10号

ダンゴ
どすこい+龍王の配合物+さなぎ粉

食わせ
乾燥コーン2個+食わせコーン1個

 
1番竿は手前10メートル、2番竿は20メートルに打ち込んだ。そのあと、同じ配合のダンゴを6個ほど、その周辺に投げ込んで寄せエサにする。風により白波が立ち、ゴミも流されて来そうなので、ラインはあまり張らずにセンサーをセットしておいた。ラインと竿は強風に煽られ、冷たい音を立てている。さっさと車に乗り込み、シートを倒して寝袋を広げ、話し相手がいないので、リュックにテキトウに詰め込んできた本を読むこととする。

 午前0時ごろ、寝ているのか起きているのかもわからないようなアタマで、本の活字を流し読みしていると、車のヘッドライトが釣り場を照らした。高橋さんが到着。横に車を並べ、上流に2本の竿を出された。さぁ、今日はどんな釣りができるか・・。去年からちょくちょくと竿を出しているこのグラウンド裏だが、なかなか魚を拝むことがなく、前回も綺麗さっぱりと丸ボウズ。今回もそのような釣りになることを覚悟していたが、思いのほかセンサーは早い段階で反応してくれた。

 高橋さんのタックルセットが終わり、談笑を始めた頃、1番竿のランプが点滅した。糸が出され間違いなく鯉であることを確信。だが竿を持ってファイトに入ると、すぐにスッポ抜けてしまった。その30分後、また1番竿のセンサーが入るが、竿が曲がり、カチ、カチっとほんのすこしずつリールのノッチが鳴るだけでラインが走らない。ゴミがついているのか、それとも鯉が根に入っているのか・・、とりあえず竿を持ってみるが、手ごたえはなく仕掛けだけが上がって来た。

 首をかしげつつ、仕掛けに異常がないことを確認し、作り置きしてあるダンゴをセットし投げ込む。風の勢いは弱まることなく、うっかりすると道具類が飛ばされかねない。この週末は、雨が降る確率が高いとされていたが、天気予報を確認すると、幸いにも31日の夕方までは雨が降る予報はないらしい。もっとも、この状況で雨まで降り出されてはたまったものではない。

 午前2時40分、みたび1番竿のセンサーが鳴る。が、またしてもラインは走らず、センサークリップもラインから外れていない。空アタリか・・・・?と、様子見のため、一度竿から離れようとした瞬間、ラインが勢いよく出された。ヒット!風に煽られてやり取りしにくいが、荒ぶ水面に魚を浮かせ、無事ランディング。比較的スマートな体形のカッコいい鯉だった。サイズは70センチほど。アベレージオーバーでボウズ免れることができ、ホっと一安心。


 ちょい投げの1番竿にアタリが集中し、ヒットポイントは手前と見た。2番竿の投入点を1番竿と並べて両狙いしようかと思ったが、少し気になるので、このまま様子を見てみることにする。2番竿は動かさずに、1番竿に集中することにした。

 気温が下がる中、鼻水をすすりながら高橋さんと談笑を続け、気づけばいつのまにか空が白ばみはじめている。風邪をひいてはいけないので、そろそろ車に入ることにしよう。センサーのバッテリー残量をチェックしてから、冷えた体を寝袋に絡め、しばらく眠ることにする。

 ようやく体が温まり、眠りについた頃、センサーメロディに起こされた。寝ぼけて、わけのわからないまま靴を履き、1番竿へと駆ける。タモに入ったのは45センチほどのデップリとした体形の小鯉。寝ぼけていたので特に何も考えることなく、ポケットに入っていたデジカメで写真を撮り、リリースした。

 寝起きを冷たい強風に曝され、風邪をひきそうなので、すぐに車に戻るが、また30分も眠れないうちにセンサーが反応。寝袋を蹴飛ばして、靴を履くが、窓から見える竿に変化はなく、クリップも外れていない。空アタリか・・・・・。車内で流れ続けるベートーベンのメロディをそのままに、様子を見てしばし、突然ラインからクリップが弾き飛ばされ、竿先が引きこまれた。

 車から飛び出し、ファイト開始!今度はなかなかの重量感。走りも鯉らしく小気味いい。浮き上がってきた鯉は丸々とした体形で貫禄のある一尾だった。サイズは最初に釣ったものより少しだけ大きい72センチ。いい感じで釣果が伸びている。今後も期待できそうだ。

 2匹目、45センチほど  3匹めは重量感のある70台だった

 すっかりと空は明るくなり、時計の針は5時を指していた。この日はこれから創成川に移動し、友人とライギョ釣りをする予定なのだが、この風と水温ではどうだろう・・。ライギョの活性が芳しくないのは想定できるし、ルアーをキャスティングできるようなコンディションではない。友人とメールで相談し、ライギョ釣りの予定を別の日へ引き伸ばしにすることにした。

 釣り場の移動がなくなったので、私は引き続き釣りを続行する。6時半頃、電子音と共に、少しだけ開けておいた窓からクリックが聞こえてきた。今度はセンサーメロディが少し違う。私のセンサーは1番竿用と2番竿用で、メロディのキーとテンポが少し違うのだ。アタっているのは2番竿。高橋さんに手伝っていただき、ネットイン。サイズは60センチに少し足りないくらいだが、綺麗な鯉だった。初めて2番竿にアタったので、今度は2番竿で連発するかと思ったが、ここでアタリは止まってしまう。

   4匹目。60センチに少しとどかないサイズ

 日が昇ってから、気温は上昇したものの、風の勢力は増す一方。タモ網は煽られ、ピトンヘッドは回ってしまっている。変なゴミが流れてこないだけやりやすいのだが、うかつに道具類を外に置いておけない。エサ換え時の、ダンゴを背負ってのキャスティングも難しい・・。アタリが止まってからは、高橋さんのインスピレーションあふれる面白い、というか珍しいエピソードを聞かせていただいたり、たびたび車に入って寝不足を解消しながら時間を過ごした。

 日が高くなってから、高橋さんの竿に30台、40台の鯉やマブナがヒットしはじめ、釣り場を賑わせ、午後1時、私の2番竿のセンサーが反応。引き合いを楽しみつつ、バラさないように慎重にやりとりをし、ゲットしたのは67センチだった。その直後に高橋さんにもアタリ、60台がヒットした。このくらいアタリが立て続けに出てくれれば面白いものだ。

 本日5匹目は60台  高橋さんも69センチをゲット

 再投入のため、新しいダンゴエサを作る高橋さんと談笑していると、2番竿の穂先が舞い込まれるのが見えた。戦闘開始!
走り方はこれまで釣ったものと比べればおとなしい方だが、時折体重をかけて一気に潜ろうとする。水面を割ってもなお抵抗し、タモを拒んだ。なかなかいい型だ。慎重に慎重に、無理をかけないように寄せ、無事にネットイン。ひと目見て、80オーバーであることを確信。大きく立派な鱗に精悍な体つき。いい鯉だ・・・・。早速検寸台に乗せると、尾の先は83を指した。

 83センチ。ひさびさの80オーバー!

 感無量。ライギョ釣りを延期したのは正解だったようだ(笑)
 満足感に陶酔し、このまま自己記録更新?なんて強欲な希求を抱いてみながら、更なるアタリを待つ。

 魚はまだ寄っていて、高橋さんに小型の鯉のアタリが続いている。寝不足が解消されていないため、車に敷きっぱなしの寝袋に潜りこみ、少し仮眠をとっていると、センサーが反応した。窓から釣り場を覗くと、1番竿のセンサークリップが外れているが、竿先が引きこまれる様子はない。とりあえず車から下り、センサーのスイッチをOFFにしてそのまま様子を見ることに。最初の70台のように、しばらく経ってからラインが出ることがあるかもしれない・・。そうこうしていると、高橋さんの竿にアタリ。70センチほどの鯉が川面に浮き、タモに入れられる。


 私の一番竿は結局変化がないままなので、一度回収し、新しいエサを着けて投入。その10分後、また高橋さんにアタリがあり、そのアシスタントを努めていると私の一番竿の竿先が舞うのが見えた。私も自分の釣り場でファイトに興じるが、スッポ抜けてしまったので、再び高橋さんのお手伝いに向かう。キャッチしたのはヘラブナのような体高の50台。顔が小さく、鬚も短い、巨大なフナかと思うような鯉だった。

 一番竿は空アタリ、スッポ抜けと続いたので、古くなった針を新しいものに交換しておいた。だが、アタリは止まってしまい、私もまたまた寝袋に包まり、夢の世界へ・・。

 センサーで起こされることなく、ようやくまともな睡眠を取ることができた。目を覚ましたのは午後6時ごろ。そろそろ終了時間。必要のない物からゆっくりと片付けをはじめ、「終了直前の一尾」を期待しながら、最後の最後まで竿とタモを残したが、そううまくいくこともなく、今回の釣りを納竿した。

 今回は40台、50台、60台、70台、80台と気持ちよくサイズがそろい、私の釣果は6匹。前回の、アタリもなし、タモに触ったのは始める時と片付ける時だけという丸ボウズを裏返した釣りをすることができた。まだ釣りを続行する高橋さんと挨拶を交わし、またご一緒できることを楽しみに、一足先に釣り場を後にした。