鯉釣り日記2008 綺麗さっぱりと
 釣行日 5月17日午後6時〜
5月18日午後5時
 場 所  茨戸川
 時 間


 札幌管区気象台の天気予報を聞けば、17日は午後から雨、雷の注意報が出ている。個人的な用事を済ませたあと、夜を釣り場で過ごそうと考えていた私は釣行に間誤ついた・・。雨はまだ対処できるにしても、雷まで来られては困る。それならば夜の釣りは諦めようか・・・。ただ、釣り場付近の場合、気象台には悪いが予報が外れることがある。しばらく迷ったあと、それを期待して、とりあえず川へ向かってみることにした。

 午後4時、車に荷物を積んでから、なぜか親父を仕事場まで送っていくことになり、全く逆方向の親父の会社まで行ってから、いつもどおり創成川方面に向かった。

 まずはホームグラウンドの北五番橋で様子をみる。今日は水量が多く、水に動きもある。小型ではあるが鯉の姿もあった。だが竿は出さず、近くのコンビニで夕、夜食の買出しをしてから、そのまま北五番橋を離れ、下流へと向かう。

 前回竿を出した合流にて車を止め、ここでも様子を見てみることにした。ちょうど釣りを終えて帰るところだったりゅうさんから情報をいただくが、魚の食い気はあまり良くないとのこと。前回よりも草が多くなった・・というより、上流から草やゴミの塊が流れつき、もともと草が茂っていたところに引っ掛かって停滞している。ここで釣りをしようにも、まず流れてくる草の対処に、ゆっくりアタリを待つどころではなさそうだ。今日の創成川は流れがあるのに増して、ゴミが多いので、別の場所に逃げることとしよう。

 茨戸川ならば何とかなりそうだ。この産卵期を狙うならば、幅が狭まり、奥にウィードのある公園前〜ガトーキングダム前を候補としたが、公園前は駐停車禁止となり、車中での泊まり込みが難しくなっている。ガトキン前は明るく賑やかすぎて(といっても創成川と変わらないが)、個人的なわがままな理由でパス(笑) 去年から気になっているグラウンド裏に行ってみよう。

 ネット裏〜グラウンド裏への道へ入る旧道、砂利道と進んでいくと釣り人の姿を発見。アイテムから鯉釣りをしている方と判断し、車を止めて「釣れますか?」と一声。「これから始めるところだよ」とレスポンスをくださったその方は、お仕事で川崎から来られている高橋さん。私は高橋さんが竿を出されている場所よりも少し上流でタックルをセットし、今日の寝床を決めた。

 特に大きな草場があるわけではないが、水草もあり、鯉やフナがもじるのが頻繁にみえる。魚はかなりいる様子。この場所は手前に草が集中し、その奥から深くなっているので、1番竿を手前に、2番竿をちょうど深くなってゆくポイントに投げ込んだ。 まずはダンゴで様子をみよう。ダンゴの配合、食わせともにいつもと変わりのない主流のもの。龍王をベースに使う場合は、配合にも使われている乾燥コーンを使用することが多い。

オモリ部(中通し式)
サキ糸:PE8号2本
オモリ:ひし形30号

仕掛け(袋仕掛け1本針)
袋、ハリス:巨鯉ハリス8号
:SASAME巨鯉喰わせ

ダンゴ
龍王+カーネルコーン+麦茶

食わせ
乾燥コーン2個+食わせコーン1個

 午後6時開始。空は禍々しい鉛色で覆われているが、雨が降ってくる様子はない。携帯で気象台にダイヤルすると、雷注意報は解除されたようだ。これなら安心できる。高橋さんと談笑を楽しんでいると、いつのまにか宵の帳が降り、ガトーキングダムの御洒落なライトアップが竿の前に浮かぶ。

 時刻は午後7時を過ぎている。ガトーキングダムの建物全体にライトで施された頭文字、「GK」の文字を眺めていると、高橋さんの竿鈴の音が聞こえてきた。すぐに高橋さんの釣り場に駆けつけるが、魚は乗っていないようだ。私は自分の釣り場に戻り、エサ換えをした後、車からコンビニで買ってきた夕食をとる。気温は低めだが、風は弱くすごしやすい夜だ。

   GK(ガトーキングダム)  

 気持ちの好い夜だが、まだ季節が早くてカエルや虫たちの合唱が聞こえてこないのが残念。夏の夜釣りともなれば、釣果どうこうよりもまずその聴衆と化すほどに虫やカエルの声が好きだ。いま聞こえるのは遠くの走り屋のエンジン音やスキール音。でも大きな街道沿いの創成川に比べれば、五月蠅くないし、眩しくもないし。夜釣りには好ましいフィールドだ。

 車の2つの後部座席を倒し、ベッドを設営して寝袋をセット。その上で音楽を聴きながらリラックスする。好きな2曲目が終わりその音が消えたとき、開放した窓から鈴の明澄な音が聞こえてきた。こちらはまだセンサーが鳴る気配すらないが、高橋さんのほうはどうなのだろう・・。車から降り、下流の高橋さんの釣り場を見に行くと、ちょうど鯉が上がったところだった。70センチほどの威勢のいい鯉がタモの中でバタバタと暴れている。

 私のほうにもヒットしてくれないものか・・。もともと今回入っているポイントは去年の秋に初めて入ったばかりで、まだ釣果も2匹ほどしかない。鯉の気配は感じられながらも、まったくの無反応で終わることが多い。今回もあまり期待はしていなかったのだが、心のどこかに微々としてあった僅かな期待も虚しく、センサーは鳴らないまま朝を迎えることとなった。

 午前6時。いつ眠りについたのかは覚えていないが、ぐっすりと寝入ってしまったようだ。3時間に一度のエサ換えも2回ほどサボってしまった。間抜けな寝ぼけ面をぶらさげて車から降り、ダンゴを握って同じポイントに打ち込む。センサーチェックをしてみると、受信機は電池切れ。一瞬の電子音のあとすぐに切れてしまった。危ない危ない・・電池を交換し、周波数、音量も確認。あとはこれが鳴ってくれるのを待つのみ。


 
日が高くなりはじめると、それを避けるように雲が切れ、蒼穹が広がった。夜も昼も、この釣り場のロケーションは好ましい。気温、水温共に上昇し、フナや鯉のモジリが多くなってきた。上流から点々と草の塊が流れてきて、ラインが巻き込まれることを心配したが、その塊の中にも鯉がいる。どうやら産卵しているようだ。そうか・・産卵真っ只中で食い気が落ちているということか。竿先ピクリともしない私とは対照的に幾度かアタリのある高橋さんがうらやましいが、この産卵状況ならばアタリがないのも仕方ないであろう。とは思いつつ、それでもなんとか食い気のある鯉を誘うべく、麦茶の配合量をいつもより少しだけ多くしたダンゴを短いペースでポイントに打ち込むことにした。

 やはり今日の鯉は手前にいる。開始の一投目から序所に投入点を手前にずらしているが、最終的に落ち着かせたのは1番竿、岸から約5メートル、2番竿岸から7メートルのちょい投げポイント。鯉はほとんど岸スレスレのところを複数で泳ぎ、一部のものは流れてくる草の中でバチャバチャと産卵している。このなかの一尾でも、食わせることができないだろうか・・・。

 昼食後、アタリを期待していないためか、センサーを車の中に忘れて放置した状態で散策に出た。高橋さんが竿を出している場所の少し下流からは水生植物が繁茂するエリアが続くので、そこで産卵の観察をする。藻や草の下にはかなりの数の鯉やフナが入っているようだ。あちらこちらでモゾモゾと魚の気配。この周辺で竿を出せる場所がないか探してみたが、このへんでは少々難しそうだ。車のタイヤの跡があるガタガタの道を歩き、更に散策をするが、ちょっと進んだところで行き止まり。残念、もどることにしよう。


 
釣り場に戻っても、やはりラインは張りも弛みもせずに、投入したままの姿勢を維持し続けていた。高橋さんとの釣り談笑を楽しみ、午後は車の中でお昼寝と、ゆったりとした心地よい休日の時間を過ごすが、センサーのメロディはなかなか鳴ってくれない。

 刻々と過ぎてゆく時間の中で、風が変わり、潮の動きが変わり、太陽も流れてきた雲によってその姿を朧にした。次第にモジリの数も減り、私の心情もほぼ諦めムード。まったくもって竿先に何の反応もないままだが、まぁ、こんな日もあるか・・。

 午後5時。私と高橋さんが同時に撤収の準備を始め、先に荷物もまとめ終えた私が、帰り際の車の窓から挨拶をしてから帰路を進んだ。結局、ボウズに終わった。ここまでキレイなボウズも久々だ(笑)この次はなんとか・・・・・・