鯉釣り日記2008 今一息
 釣行日 5月2日午後8時〜
5月3日午後4時
 場 所  創成川
 時 間


 前回、馬鹿をやらかして同行者を大いに困らせ、その挙句タモ枠を豪快に破壊するという、自業自得だけど納得のいかない・・いくわけない、終了の仕方をしてしまった。この釣行の続きは、後々、山崎君と都合の合う日に行うこととして、今回は単独で、創成川の鯉およびヘラの産卵状況の確認もかねて釣行することにした。

 5月2日午後8時。前回タモ枠を破壊してしまったので、この機に新しいものを購入し、この日の昼に、大鯉研究所から70枠ワンピースが届いた。

 夕食後、包装を解いたばかりのタモといつものタックルを積んで出発。いつもの道、いつもの光景、いつもの釣り場。何もかもをいつも通りに進行させ、いつもどおりのチヌ10号1本針仕掛けに、食わせコーンと乾燥コーンの両方をつけて、ポイントにキャストした。いつもと違うのはここから、釣りの中身までいつもと同じはずがない。今日のコンディションからいつどうなるか、期待感もあれば不安感もある。

 夜はいつもそうだが、水位が下がり、流れは早くなっている。北五番橋の下流のウィード帯はまだ藻が生え揃っていないが、ヘラらしき魚が跳ねる音がそのあたりから聞こえてくる。もう産卵を始めている魚もいるようだ。

 街灯に照らされた水面を覗き、鯉の姿を探すが、今日はなかなか現れてくれない。午後10時をすぎた頃から風が強くなり、水面を荒々しく撫でる。思えば、今日は南の風だ。この風向きの日は創成川での釣果は芳しくないことが多い。まぁ、何も考えずに勢いだけで釣行を決めたのだからしかたがない。

 強い風に煽られた竿は左右に激しくゆれ、ピトンもガタつきだした。地面が硬く、あまり深く刺せなかったので尚更のこと。今はあまり釣れそうな気はしない・・。朝になれば川の流れも変わるし、気温が上がれば風も変わるだろう。おとなしく、状況の変化を待つことにする。期待せずにセンサー受信機の電源を入れ、寝袋に入ることにした。
今日は変な夢をみませんように・・・・・


 なかなか寝付けず、寝袋に入ってから何を考えるわけでもなく数時間が経過した。ようやくウトウトし始め、眠りの世界に入ったと思えば突然のセンサーメロディに起こされた。目を覚ましたはいいものの、まだ寝惚けている。速く竿の元へ行かなくてはという意識だけがあり、寝袋を払い除け、なんとか靴を履く。ランプが点滅する竿に向けて走るが、目が霞んで前がよく見えない。おそらく、このときの私は、

:*:・( ̄∀ ̄)・:*: ←こんな感じの顔でフラフラしながら竿まで走っていたことだろう。


 そして、土手を降りきったその時、バシャっ

 「あ

刹那に伝わる冷たい感触・・・。折りたたみの水バケツを踏み潰してしまった。足元が見えておらず、バケツの存在に気づいていなかったために、その驚愕は凄まじいものだった。不快感がこれまた激烈だが、それどころじゃない。グシャ グシャ という下品な音を左足から出しながら、ようやく竿を持つ。さすがに目はすっかり覚めてしまっていたが、センサーを鳴らしたのが鯉ではなく、ゴミだということに気づいて今度は脱力。ゴミは大きなビニール袋だが、中に大量の水を含んでしまっていてかなりの重さになっている。竿を縦横に振るが外れることはなく、引き上げようにも重過ぎる。これは、タモの出番か・・・

 新品のタモで掬う第一号がビニール袋ってヤダなぁ・・・・

 嫌々袋をタモ入れし、水を抜いてから引っ掛かってしまった針を外す。やれやれ・・・、川の状況は依然変わっていない。とりあえず、夜が明けるまで眠ることにしよう。

 次に目を覚ましたのはすっかり明るくなった午前6時ごろ。車を揺らしていた強風はおさまったようだ。川の水位は低いままだが、流れは止まっている。とりあえずエサ換えを行おう。ラインに絡まったゴミを振りはらって仕掛けを回収。エサは異常なし。

 偏光グラスで水底をみれば、寄せエサも減っていないようだ。魚が居ないわけではなく、むしろ鯉の通りは多い。ただ、産卵準備中なのだろう。数匹が追いかけっこしながら、エサに見向きもせずに通り過ぎてゆくばかり。たまに単独でゆっくり現れるものもいるが、食い気は薄い。どうしようか・・・・・

 いろいろと考えながら、車の中で朝食をとっていると、窓をノックする音。ドアを開けると、創成川で有名なベテラン鯉師のスーパーカスタムチャリおじさんが、これからポイントへ向かうカスタムチャリを止めて、情報をくださった。

 今日は北五番橋よりも下流のほうが魚影が濃いから、できれば移動したほうがよいとのこと。確かに、今日の北五番橋では状況がよくない。移動することを考えよう。でもその前に、エサを変更して鯉の反応をみておきたい。仕掛けを回収し、ダンゴエサを握る。

オモリ部(中通し遊動式)
ひし形オモリ25号
サキ糸:PE8号2本縒り

仕掛け(1本針仕掛け)
ハリス:巨鯉ハリス8号(25センチ)
針:チヌ10号

ダンゴ
龍王+バーディ+麦茶

食わせ
食わせコーン、乾燥コーン

 コーンだけではまったく反応がないようだったので、ダンゴを使って匂いと視認性で無理やりでもエサの存在をアピールしてやる。するとすぐに反応が出た。小型の鯉が数匹、バラケたエサを食べ始めたのだ。これならチャンスはあるかもしれない。

 釣り場に訪れた,伊藤君と下流で釣りをしているTさんと,橋の上から魚の動きを観察する。
 比較的食い気のある鯉は、ダンゴの周囲でスピードを落とし、ウロウロしている。だがやはりダンゴでは、警戒心を解いてやることはできない。ダンゴエサというもの自体を警戒し、集まってきたウグイによって辺りに広くにばら撒かれた大粒粒子を食べるだけ。針があるダンゴの中心部にはなかなか口をつけようとしない。

 気づけばポイント周辺には鯉がたまり始めていた。ダンゴだけでこれだけの鯉を寄せることができたのはいいが、不思議なほどに食わせにだけはヒットしてくれない。ダンゴはみるみるうちに無くなり、残ったのは大粒の粒子と食わせだけ。これだけ食い気のある鯉を集めることができたのだから、センサーがなるのも時間の問題かと思われたのだが、予想以上に警戒されているのだろう。というか、完全に見切られているのか・・。ただ時間だけが経過する。

 ダンゴがほとんど無くなってきた頃、ようやく食わせに接近する鯉が現れた。そして食わせコーンを吸い込み、首を振り出す。
よしっ!ヒットした・・・と思われたが、竿は動かず、センサーも鳴らず。鯉はうまく針を外して逃げていった。落としオモリを使っているので、糸が引かれてから竿先が動くまでのタイムラグがある。そうか、このように針を外されてしまったら、竿を見ているだけではわからない。こういうアタリもあるのか・・・。とすれば・・。このように橋の上から仕掛けの様子を見ているときなら、竿に反応が出ない空アタリがあったこともわかるが、普通に釣り場でアタリを待っているときはどうだろう?空アタリが出て、仕掛けが絡まっていても、エサがなくなっていても、気づかない場合がある。こういうときは、エサ換えと仕掛けのチェックの回数を増やしたほうがいいかもしれない。

 鯉に外されて捨てられた針にはまだコーンが残っている。回収せずのこのまま様子を見てみよう。すると、すぐに70台のデブ鯉が寄ってきた。コイツなら食いそうだ・・・・。仕掛けが鯉の口に吸い込まれる。よしっ!・・・しかしまたしても、何度か首を振ったときに外されてしまった。これはどういう・・・・とりあえず、仕掛けを回収してチェックしてみる。だが、針先に問題はない。これまで何匹か釣ってきたときのままだ。一応、針を新しいものに交換して再度同じポイントにダンゴをつけて落とした。

 鯉は珍しいほどにポイント周辺にたまっている。これだけいるなら一匹くらいは・・・・・

 鯉の動きを目で追いながら、食え、食えと心の中で唱えていると、当サイトにアクセスしてくださっているという男性に声をかけられた。しばらくその方とお話していると、仕掛けの周りをウロついていた数匹のなかの一番小さい鯉が首を振り出し、センサーが反応。釣り場に戻り、引き上げると50センチあるかないかの小鯉が暴れていた。とりあえずはボウズは免れ、あとはサイズアップを狙うのみ。
 
小鯉がようやくヒットした 話しかけてくださった方に手伝っていただきながらリリース

 
考えていた場所移動はとりやめ、もう少しこのまま粘ってみることにする。
 午後2時、いままでおさまっていた風が再び吹き始め、水面を波立てる。風向きは北西。この風なら創成川のコンディションとしては好ましいだろう。朝会ったカスタムチャリのおじさんが納竿し、帰りにこの釣り場を通りかかった。話を聞けば、下流でもアタリはあるが、小型や空アタリが多いという。今日の魚の活性はかなりいい方と見たが、やはり食いの浅さはいつもより目立っている。おじさんと話している最中にも竿が曲がり、センサーが鳴ったが、竿を持つ前に抜けてしまった。今日の釣り場は鯉マニの前川さん、tadasiくん、一度帰宅して再びここに来た伊藤君と、たくさんの人が訪れ賑やかで楽しいものの、なんとなく微妙な感じだ。

 午後4時、鯉が寄っているだけに多少もったいない気持ちもあるが、今回はここでストップをかけておこう。ゴールンデンウィークの連休もまだもう少しある。時間があれば、連休中にもう一度。すっかり忘れていたのだが、インターネット選手権が始まっている。エントリーしているのに、パスワードもなにも用意していなかった(笑)大会は11日まで。まだ時間もあるし、次は申請サイズも釣ってやろう・・・。