鯉釣り日記2008 night&day 後編
 釣行日 4月19日  場 所  創成川
 時 間


 4月19日(土曜)

 午後、携帯にマーくんからの着信。川の状況はよく、釣果も出ているとのこと。これならいけそうか・・。まぁ、夜になればまた状況が変わってしまうだろうが、昨日よりは望みがありそうだ。(という予感がするだけ)

 昨晩、ちょうど私がマーくんとメールのやりとりをしているときに、掲示板にtadasiくんからの書き込みがあった。それを読んだあと、約一年ぶりに彼と連絡をとり、今晩の釣行を共にすることに。準備を万端にし、夕食後の午後8時、車で多少あぶない目にあいながらホームグラウンドへ向かう。

 tadasiくんは午後10時ごろからの入釣とのことで、一足先に到着した私はポイント周辺の見回りをし、川の状況を確認。水の量は昨日とほとんど変わらないが、水は動いている。入ってくる魚の数に若干の不安を感じるものの、とりあえずは予定どおりここで実釣する。

 手早くセットを済ませ、タックルに取り付けっぱなしの、チヌ10号1本針仕掛けに、食わせコーン2個と、ウグイの攻撃があっても針にエサが残るように、乾燥コーンも2粒付ける。1番竿を奥に、2番竿を真ん中に打ち込んで、少量のカシスコーンを撒いておいた。

 ひとまず落ち着き、車の中で待機していると、tadasiくんが到着。久々の挨拶を交わしてから、彼は北五番橋の下流側に2本の竿をセットした。tadasiくんの釣り場に鎮座したロッドポットとカープロッドのヨーロピアンタックル。そしてほのめくバイトアラームのLED。実にカッコいい・・・・

夜の創成川は、川沿いの街道を通り過ぎる車の音、街灯、24時間営業のコンビニやガソリンスタンドで、釣り場は懐中電灯などの装備を特に必要としないくらいに明るく、賑やかだ。街灯に照らされた揺らめく水面には小魚が出す波紋でこちらも賑やか。

 tadasiくんのバイトアラームは小魚たちのイタズラに時折反応している。夜は一段とウグイの活性がよくなり、昼間は姿を見せない大型のウグイがセンサーを鳴らすこともある。鯉はというと、オレンジ色の街灯の明かりで微かに見える水底にぽつらぽつらと現れるものの、あまり数は入っていないようだ。微妙な馬の背状で水深が一番浅い真ん中には泳がず、若干水深のある奥の岸際を通ることが多い。エサ換え時、私もtadasiくんも真ん中より奥目を狙って仕掛けを収めることにした。

 気温が下がり冷え込む深夜。tadasiくんの釣り場にてポータブルストーブを囲み、暖かいカップラーメンをすすりながら二人で談笑。最近の話、昔の話と、話題を変え変え時間を過ごす。夜の鯉釣りはやはり話し相手がいると楽しい。というか私の場合、夜の誰も居ない釣り場で一人釣れない釣りをすると、アリの巣穴を輪ゴムで囲ったり(アリはゴムの匂いが嫌いなので、巣から出られなくなる)、一人でしりとりをしたりと、あとで自分が可哀そうになるくらいにくだらない行動をしたりしてしまうので、仲間と一緒だと助かる(笑)

 午前0時半ごろ、自分の釣り場が少し気になったので、様子を見に行ったところ、2番竿のラインがキャストしたポイントからズレていることに気づいた。前の釣行で、センサーが反応しないようなアタリを立て続けに2回出されているので、もしやと思い、竿をもってみる。すると案の定、魚が付いている気配。50センチほどの小鯉が暴れていた。それにしても、50センチあればセンサーくらい反応してもいいと思うのだが・・。前のときもそうだが、クリップの調整ミスでスイッチが入らないのではなく、クリップすら外れていない状態であった。「もっと鯉らしいアタリを出して欲しいものだね(汗)」

 綺麗な月夜  アタリらしいアタリを出さず、小型が掛かっていた

 なんとか一尾上がってくれたので一安心。これからが期待できる。
 そう思っていると、tadasiくんのバイトアラームが激しく反応!明澄な電子音とともにクリックサウンドが響き、tadasiくんが竿に飛びついた。「いい感じになってきたんじゃない♪」暗い水面で暴れる鯉は70センチほどか・・。足元まで寄ってきたので、アシスタントをしようとタモを持つが、ファイトシーンを写真に収めるべく取り出していたデジカメのストラップが手に絡まってしまった。すこし出遅れてタモを水中に入れるが、その刹那、水面が静まる。「外れちゃいました」 う・・・、俺のせいだ。ごめんねtadasiくん。もうちょっと速くタモを入れていれば上がったかもしれないのに・・。

 少々悔やみながら、またストーブを囲って談話を再開。
 すると、20分後にアタリ。今度は私の1番竿で、センサーランプが点滅していた。だが、なかなか竿が引き込まれる気配はない。竿先は躍っているのだが、糸も出ず、フナのようなアタリが続いた。とりあえずそのまま竿をもち、穂先を立てると、魚の反応が返ってくる。小さいアタリを出した割りには重みはある。上がったのは72センチのガタイのいい鯉だった。

72センチ。体格は立派

 この鯉、アタリも小さく、引きもよわかったのだが、写真撮影をはじめたとたんに激しく暴れ出し、腹ばいになって芝の上を泳ぎまわっていた。暴れて暴れて、手をつけられないほどで、もう私たちは笑うしかない。いまさら抵抗したってもう遅いのに(笑)

 この調子でアタリが続けば・・・エサをつけかえて、カシスコーンも撒きなおす。あと1匹、どちらかが釣ったら仮眠を取ろう。そう思いながら双方の竿の反応をうかがうが、ここで止まってしまった。バイトアラームに出ていたウグイの反応もとまる。

 午前3時・・そろそろ寝ようか。私は車に、tadasiくんはテントに入り、寝袋にくるまった。私は去年まで、tadasiくんのようにテントで寝ることが多かったが、車を運転できるようになってからは、後部座席に寝袋をしいて仮眠をとっている。だが、車のなかというのは少々寝苦しいものだ・・。あまり落ち着かず、寝返りばかりうっているうちに空がしらばみはじめた。

 目をつぶり、ようやく眠りについた頃、センサーメロディに起こされた。反射的に寝袋を払い除け、ぼやける視界の中から靴を探し出す。こういうときにすぐに外に出られるように、履き易いサンダルを用意していたのだが、完全に寝ぼけていたようで、左足にサンダル、右足はスニーカーにつまさきをつっこんだ状態で外に出てしまっていた。特に気にすることもなく、糸が出ている二番竿を目指して土手をおりた。竿を持ったが、手ごたえは・・・・。たしかに竿がゆれ、糸が出ていたのだが、上がって来た仕掛けに魚の気配はなかった。空アタリだったのか・・・。

 仕掛けを打ちなおし、車のなかでコーヒーをのみながらボーっとしていると、なにやらtadasiくんのほうでも動きがあるようだ。車からおりて、様子をみにいくと、アベレージサイズの鯉がtadasiくんのタモにおさまっている。

tadasiくんはヨーロピアンスタイル 創成川のアベレージサイズをゲット

 日がのぼってから川の流れ方が弱くなったみたいだ。水量はほんのすこし増しただろうか・・。鯉は動いている様子。次のアタリを待ちつつ、ほとんど眠れなかった私はふたたび寝袋に戻る。

 こんどはすんなりと眠りに入ることができた。寝不足で朦朧とした頭のままで、帰りの車の運転をするのだけは勘弁だ。だが、このときにみた夢は、まさしく悪夢・・。それも無限ループ式に目を覚ませない夢。

夢のなかでの出来事
 知り合い3〜4人でツアーの釣りに出かけた私。いつものタックル+なぜか持っていないはずの高価な竿やリールを、これまたもっていないはずのロッドバッグにつめ、それをマイクロバスに載せる。しかしドライバーのおっさんがドアを閉める瞬間、大量に積まれた荷物の一番上に載せられた私のロッドバッグがすべり落ち、ドアにはさまれて中身が全て破損。被害総額30万円(という夢のなかの設定だった)。「30万〜!30万かえせ〜」と嘆く私(笑) 釣り人からしてみれば、最悪の内容の夢だ・・

 ここで目が覚め、私は車内の寝袋の中。携帯で時計をみると、時刻は12時半。ずいぶんと寝てしまったみたいだ。だが、なぜか外は薄暗い。とりあえず、靴を履いて車の外にでてみると、そこは見慣れた釣り場の景色ではなく、不気味な山上湖


 その湖の周辺をさまよい歩く私・・。山奥だというのに、なぜか「あの世」のようなお花畑と、大量の人形が飾られたスペースがある。不気味すぎる空間。私は小さい頃、あるトラウマをもってしまい、人形の類はどうもニガテであった。だがその夢の中の私は飾られた大量の人形が美しく見え、ひとつひとつ、デジカメで写真を撮った。その場で画像を確認してみると、なぜか、写したはずの人形だけ写っていない。そこに見える物体が写真に写らない。なんど撮り直しても、人形が立っているはずの台にはなにも写らない。なんだこれ!?撮った画像を、こんどは拡大してみてみると、人形が置かれているはずの台の後ろに、不気味な生首が大量に写っているのを発見。「ここに居たらヤバイ」とパニックを起こし、逃げまどう。

 ここで目が覚め、私は車内の寝袋の中。携帯で時計をみると、時刻は3時。あぁ、ひどい夢をみた。そして、ずいぶんと長い時間眠ってしまった・・。tadasiくんはどうしているか。車のドアを開け、外にでると
また山上湖

 このように目を覚ましても覚ましても、悪夢から抜け出せない。という夢をみた。発狂するかと思った。
 本当に目を覚ますことができたのは10時ごろ。窓の外は明るく、さわやかな日差し。外に出ると、創成川もあるし、tadasiくんもいる。汗をふきながら、お茶を一杯。しばらく鬱状態で、今日はこのまま帰ろうかと思ってしまった。

 だが、たかが夢の話。こんなことで、萎えていてはしょうもない。お茶を一気に飲み干して、気分の転換をすべく、周りの整理やエサ替えを行う。その後、tadasiくんにこの夢の話をすると、彼も「おぼれる夢をみた」と・・

 なんかあるんじゃねぇのかココ!

 とまで思ってしまう。

 くだらない話はここまでにして・・。水の流れはとまり、魚影は薄いがときどき食い気のある鯉が入ってくる。ヒットはしないものの、tadasiくんのボイリーに反応する鯉もいる。良いとはいえないが、悪いともいえないようなコンディション。あいかわらず、鯉は対岸よりに姿を現し、寄せエサも奥に撒いたものばかりが無くなり、手前、真ん中のものはあまり減っていない。ひきつづき奥目狙いとなる。

 午前11時半。車のエンジンをかけ、近くを流れる発寒川の様子を見てくることにした。途中、セブンイレブンをみつけ、ついでに昼食を購入。そして、すっかり発寒川を忘れてそのまま釣り場に戻ってきてしまったというボケをかましてしまい、すこし早めのお昼ご飯をとることにした。

 橋の下で折りたたみ椅子に座り購入した笊蕎麦のトレイを太ももに載せた状態で、カップにつゆを注ぐ。するとセンサーが反応。二番竿の糸が出された。すぐにでも竿に飛び掛りたかったが、膝には不安定な蕎麦のトレイとつゆ物がのっている。トレイを持ち、立ち上がってから椅子に置くが、小さい椅子ゆえ不安定。しかたなく、ムシにたかられるのを覚悟しつつ、急いで竿へ駆けた。

 手ごたえはなかなか。重くはないものの、反撃のひとのしは鯉らしく力強いものだった。ファイトを楽しみ、トラブルもなく無事ネットイン。サイズは60台後半といったところだろう。 リリース後、地べたにおいた蕎麦のトレイに虫が入っていないことを確認し、昼食を摂った。なぜかハマっているコンビニの笊蕎麦とおにぎりというメニューに、栄養が偏らないように野菜ジュースも忘れない。食事のあと、ゆったりとした時間をすごしていると、1番竿に反応。しばらくフナのようなアタリをだしたあとにしっかりと本アタリがでた。今度は50センチほど。金色の綺麗な鯉だ。

ファイトを楽しませてくれた60台 4匹目は50センチの綺麗な鯉

 ここまで、アタリがとまったり続いたりしているが、コーンの寄せエサは効いているのだろう。
 tadasiくんがコンビニへ昼食の買出しに出ている最中、バイトアラームが鳴り響いた。なぜかここで釣りをすると、釣り場から離れているときにアタリが出ることが多いtadasiくん。今回もtadasiくんの携帯に「あたってるよ」とメールを出し、戻ってきたtadasiくんがファイト開始。タモにおさまったのは30センチほどのかわいい鯉だった。

  tadasiくんがお出かけ中にヒットした30センチほど鯉  

 午後は釣り場に訪れた、仔犬をつれた散歩の方とお話に花を咲かせ、釣りの話、ペットの話で盛り上がった。気づけなまたアタリが止まってしまい、午後3時ごろ、tadasiくんは納竿。私もそろそろ帰ろうかとも思ったが、夕方がちょっと気になるのでもう少し粘ってみることに・・。そこへ伊藤君が自転車で訪れ様子を見にきてくれた。伊藤君は茨戸川の漁師の方と知り合いで、今日は漁を見学していたらしい。(うらやましい)。

 しばらく伊藤君と竿を眺めながら立ち話をし、少々小腹がすいたので、車の中にあったカロリーメイトをあさっているとセンサーが反応。二番竿にアタリだ。今度はお昼に釣った60台に勝るとも劣らない引きを見せ、重量もなかなか。タモに入る最後の最後まで抵抗をみせてくれた魚は、思ったよりも大きくなかったが、70センチと少しといったところだろう。

  5匹目は70センチちょっと  

 力強い体つきだが、しっぽが少し小さい。もっと大きな尾鰭だったら75センチくらいまではかせげていただろう(笑)。でも満足だ♪

 まだ可能性がありそうなので、もう少し続けてみる。釣り場に訪れた、このサイトに来てくださっているという方から暖かいエールをいただきながらお話をしつつ、竿先の乱舞を待望する。

 午後6時までセンサーメロディを待ちかねたが、6匹目からの魚信はなく、朝の悪夢のこともあって少々疲れていたので、ここで22時間の釣りに終止符を打つことにしよう。

 今回もなかなかいい釣りができた。次回はゴールデンウィーク。また泊り掛けの釣りを予定している。