鯉釣り日記2008 さあ、はじめよう
 釣行日 4月6日
午後10時〜午後9時
 場 所  創成川、茨戸川
 時 間


 今年の雪解けははやく、前回釣行時には大分残っていた雪が、いまはもうほとんどない。土手につもった枯れ葉の下には清新な新芽。待ちわびた翠緑の季節ももう間近。

 釣行前日、伊藤君とともに自転車で下水処理場から始まる上流部(釣り場としては)の様子見に出た。創成川緑地ブロック9のエリアは、岸近くが盛り上がり、その分川幅が狭くなっている。流れも速いところが多いが、深みなどがあるおもしろそうなポイントもみつけ、そこに集まっていたウグイを釣って遊んだ。

 ところが鯉はというと、小型のものが数匹通りかかることはあるものの、出現の頻度は低く、狙って釣るには効率が悪すぎた。古くから創成川で鯉釣りをする先輩方の話によれば、いまは上流まで昇る鯉が少なく、下流に留まっていることが多いのだという。ならば、それを狙うほかはない。前回は様子見がてらのプチ釣行だったが、今回はちょっとマジメに攻め込んでみよう。

 午前9時、ひさびさにメインタックルを車に載せて、まずは北五番橋へ。
 いつものスペースに車を止めて、川を観察してみる。水量はかなり減り、水の透明度は高い。水温は14〜15度で徐々に上がってきている。ウグイやボラが群れを成して悠々と泳ぎ回り、鯉のスクールもそれに混じっている。

 しばらく観察したが、この日の鯉は単独で行動するものよりも、2〜4匹もしくは10〜20匹の大きなスクールで現れる。鯉の出現度は高い、が、問題はスクールの鯉がエサに反応するかどうか・・。食べ物を探すというより、忙しく泳ぎ回っているし、スクールの場合、1匹でも警戒を始めると、他のメンバーまでもが警戒を始める。少々難点もありそうだが、鯉がいないのよりはましだろう。とりあえずだが、いつもどおり、ここで竿を出すことに決めて荷物を降ろした。

 今回使う仕掛けは新作のもの。実は青魚倶楽部の茂木さんから手芸用のフロックボールを使った釣法をお勧めいただき、私も使っていろいろと研究することにしてみた。まずは、いつもどおりの仕掛けにフロックボールを取り付けたものを使用してみる。

オモリ:ひし形25号(遊動式)
サキ糸:PE10号

ハリス:PE6号
:チヌ8号(2本)

片方の針にだけフロックボールを装着。浮遊動制御にガン玉などのオモリをはさむ。もう一本の針にはエサをつける。

エサ:コーン

 数多く現れるスクールは、真ん中のオープンから岸近くまで幅広い範囲を泳ぎ回っている。なので、仕掛けも対岸近くの藻場とオープンに打ち、反応を見てみることにした。カーネルコーンを寄せエサとして撒いてエサの存在をアピール。
だが、食い気のある鯉はなかなか入ってこない。2時間ほど観察するも、頻繁に現れる鯉のほとんどはエサに目をくれずに通りすぎた。


 このままでは釣れる気がしない。作戦を変え、別の可能性を探ることとしよう。その前に去年から攻めてみたいと思っていたポイントの様子見をすることにする。

 正午少し前。コンビニで昼食を買ったあと、いったんタックルを収納し、茨戸川へと向かう。ゴルフネット裏〜グラウンド裏のエリアの砂利道を進むと、佐々木さんが竿を出されていた。佐々木さんのほかにも所々で鯉狙いの釣り人が竿を並べ、対岸ではヘラ釣りが盛り上がっている。

 佐々木さんたちと少々お話したが、まだ好ましい鯉の釣果はなく、小型がポツポツ出る程度だという。せっかくなので、私もグラウンド裏のスペースに竿を出してみることにした。撒きエサでアピールする方法ではなく、少しだけ集魚力強めのダンゴを使う。この仕掛けにもフロックボールを装着している。

オモリ:スパイク25号(塗装済み)
サキ糸:PE8号
固定式(捨て錘)の食わせ、吸い込み兼用仕掛け

ハリス:PE6号
:チヌ8号(2本針)

エサ
短ハリスにフロックボール
長ハリスにコーン

龍王+三色コイミー+コーンの配合

 1番竿を浅い岸際に。そこから急に深くなっている点に2番竿を投入。水温はまだ低めだが可能性はあるだろう・・。タックルをセットし、少し落ち着いてから昼食を食べる。

 晴天で心地のよい天気だが、風が強くてタモ網がなびいている。ほんとうは枯れ芝にシートでも敷いてピクニック気分で食べたいのだが、おかずやゴミが飛ばされそうなので、砂利道脇に止めた車の中で食べた。佐々木さんの車がその横を通り過ぎ、クラクションを一音。納竿したようだ。

 開放した窓からは、対岸のヘラ師の方々の声が聞こえてきた。なにやら大物がヒットしたご様子。ヘラのモジリはこちらがわでもあり、活性が高そうだ。


 暖かい車内で、いつのまにかウトウトし始め、気が付いたらもう午後2時をまわっていた。エサ変えの時間だが、このまま続けるか・・。それとも魚影の濃い創成に戻ってマジ攻めに入るか・・。迷っていると、伊藤君からのTEL。「ちょっと創成川にウグイ釣りにいく」 伊藤君がいるのなら、釣れなくてもなにかネタが出来そうだ(笑)。

 とりあえず、茨戸の様子見はここまでにしよう。雰囲気が悪いわけではなかったが、まだ氷が落ちたばかりだし、効率よく狙うのならもう少し水温が上がってから。

 というわけで、本日2度目のタックル収納。優柔不断?まぁまぁ(笑)

 そして再び創成川 北五番橋。ピトンを出すのが面倒だったので、フォーク竿たてで手早く再セット。伊藤君もウグイ釣りのライトタックルを持って自転車で到着。ウグイ、ボラの数は午前中よりもいっそう多くなり、ポイント周辺も賑やかになっている。鯉も同様、午前中はアベレージサイズのスクールが多かったが、70台も入ってくるようになっているし、スクールではないが、80センチクラスも時々姿を見せた。

 茨戸川で使ったものと同様を使うが、フロックボールが一個とれてしまったので、2番竿はフロック無しにする。ダンゴの配合は、ウグイの数を考えて龍王の単品に。投入点は、対岸付近を列を成して入ってくる鯉が多いので、2本とも奥に投げ込んだ。

 投入直後、あっというまにウグイの群れにダンゴを崩され、突付かれる。伊藤君はそのウグイを狙って遊んでいるが、どうやらウグイのサイズが小さすぎるらしく、使っていた少々大きめの針ではヒットしないと嘆く。伊藤君が橋の上からラインをたらし、私も隣で偏光グラスを使って鯉の反応を観察。鯉はダンゴの存在に気づいているものの、警戒心が上回り寄ってきてくれない。食い気のまったくないものは、フイと首をそむけるようにして去ってゆく。・・・だが、午前中よりも格段に食い気のある鯉の数が増えている。

 一匹のアベレージサイズが、2番竿のダンゴに接近したのが見えて息を呑んだ。鯉はゆっくりと摂餌行動を始め、砕けて粒子が広がったダンゴを端のほうから吸い込んでいる・・。あのサイズでもいい。とにかく今年の初鯉をまず、ヒットさせたい。

 鯉は味をしめたのか、そのまま針が埋まっている中心部に口をつけはじめた。 「・・・チャンスじゃない?」 そして首を振り出す鯉。よし!橋の上からその光景をみていた私はすぐに釣り場に走る。だが、隣でそれをみていた伊藤君は顔を顰め、橋から動かない。釣り場に到着した私は竿を手にしようとするが、竿先が少し曲がった状態のまま動こうとしないのを見て、行動をやめた。マジかよ・・と、まだ橋の上から水面を見る伊藤君のほうを見ると、伊藤君は私に×サインを出した。空アタリに終わったようだ。伊藤君曰く、鯉は首を振り続け針を外したという。初のアタリでいきなりやられたか・・。まぁ、鯉の大きさが60台だとわかっているので、そこまで悔しくないが、あれが80台だったらショックはデカイ(苦笑)

 もう一度トライだ。ダンゴを作って、また同じポイントにキャスト。伊藤君もウグイ釣りを再開したようだ。
 だがその後、ダンゴに対する鯉の反応が悪くなった。まぁもともとダンゴはほとんどの鯉に警戒されていたのだが、ここで、仕掛けを長ハリスの1本針に変更し、コーンのみを装着してピンポイントキャスト。そしてそのあとすぐ、1番竿の竿先が曲がった。

 前アタリ・・・そして本アタリ!よしっ、今度は掛けた! 暴れる相手を押さえながらスムーズにネットイン。思わず「小さっ」と声に出してしまったが、アベレージサイズよりも小さい、50センチクラス。でも、今年の初鯉だ。


 再び北五番橋へ・・ 小さいが、今年の初鯉に感謝

 作戦変更が功を奏したようだ。さぁ、サイズアップを狙おう。
 日は傾き、光が入ってこないので偏光グラスの効果がなくなってきた。肉眼でポイント周辺を見ると、まだまだ鯉が入っている。大きいのもいる・・釣りたい・・・

 暗くなるころ、伊藤君は納竿し、一人になった釣り場でカップラーメンの夕食。チャンスと時間がある限り、ここで帰るわけにもいかない。今日は予定時間より少し延長することにした。

 いつのまにか風はなくなり、気温も寒くない。モチベーションだけはたっぷりある(笑)星が輝きだした頃、川の水は流れを強めはじめた。暗くなると、橋の上からも肉眼でポイント周辺の様子を見ることができなくなるが、橋の下流側は街灯のあかりが仄かに水面を照らし、かろうじて泳ぐ魚を見ることができる。

 そういえば去年の秋に泊り込みの釣りをしたとき、夜中にこの下流側の欄干に寄りかかって、かすかに見える水面を見下ろしていると、驚くほど大きな魚影が目に入って、案の定おどろいたことがあった。アオウオでもいるのかと思い、懐中電灯で照らすと、影の正体は、鯉が3匹寄り添って泳いでいるのが一匹の大きな魚に見えてしまっただけということがわかったのだが、その鯉の一匹一匹の大きさも確実に90はあったであろう。アベレージサイズの鯉が泳いでいるのを見慣れていると、そのような大物が見られたときにはついつい興奮してしまう。そんなことを思い出しながら、今日も大物が現れないかと暗い水面に目を凝らした。

 食い気のある鯉がポイントのほうに向かって、餌を探しながら泳いでいる。あいかわらずボラもウグイも大群を成しているし、初めて見る、全身真っ白な鯉もいた。センサーランプが暗い釣り場に点燈することを期待する。

 ・・だが、それから待てども音沙汰無し。春季休業でこれから4日間休みがあるし、このまま泊り込んでやろうかとも思ったが、寝泊りするアイテムは持ち合わせていない。今日はここで終了しよう。午後9時納竿とし、次の釣行を考えながら帰路についた。