鯉釣り日記2007 秋色釣行記
 釣行日 9月28日、9月29日、9月30日  場 所  創成川、茨戸川
 時 間


 地獄のようだった期末テストを終え、学校は学期間休業で週末2日を入れて4連休。まだ返戻されていないテストが気になるが、この連休は釣りに使いたい。親父の車を借りて4連泊といきたいところだが、小さな用事が連休中にポツラポツラと入ってしまい、ぶっ続けの釣りができないのが痛点。そのため短時間に分けた釣りを、連休3日を使って行うこととした。今回はその3連続の釣行をこのページで一気にレポートする。

 まぁ、ただ単に1ページずつ分けて作成するほど書くことがないだけなんですけど・・・・・


1日目 9月28日(金)

 午前中に入っていた用事を済ませ、ようやく釣り場に到着したのは午後1時のこと。少々気になっていた茨戸川のネット裏まで行くつもりだったが、予定よりも時間をロスしてしまったため、一番近い北五番橋でいつもどおり竿を出すことにした。

 前日に降った雨の影響で川は増水し、かなり水が濁っている。偏光グラスを使っても、川の様子を見ることができない。だが、いつもよりも強い流れの中に、水面に浮き上がる泡。その真下にはうごめく魚影。鯉はいるようだ。
とりあえず、上流側に竿を並べ、スタート。

オモリ:ひし形30号
サキ糸:PE8号2本縒
針:チヌ10号
ハリス:巨鯉ハリス8号(25センチ)

食わせ:乾燥コーン

ダンゴ:炒りヌカ+ハトのエサ+麦茶

 エサは最近使うことが多くなった乾燥コーン。これをダンゴに包んで投げ込んだ。

 雨のあとなので、水量が多いのと同時に流れも強い。水面を流れてくる大きな水生植物をかわすつもりで、落としオモリを使い、ラインを沈めたが、水中を漂いながら流れてくるゴミをごっそりとラインに引っかける結果になってしまった。落としオモリを外し、逆にラインを張って待つことにする。

 できるならば外でノンビリとアタリを待ちながら昼食を食べたいのだが、今日の不安定な天気では少々無理があるようだ。時々太陽が顔を出すこともあるが、雲は厚く、ときおり強い雨を降らせる。雨中、アタリがあった場合を考えて上着を用意し、車のなかでダラダラと時間を過ごすこととなった。

  強く雨が降る。車の中でアタリを待つことに・・  

 午後3時、センサーが入ったので窓の外を見る。2番竿が大きく揺さぶられるが、竿がその余韻を残しただけで、ラインがそれ以上走ることはない。空アタリだった。仕掛けを回収するついでに、もう1本もエサ代えをしよう。食わせは無事なので、そのままダンゴにつつみ、同じ場所へ投入した。

 いつのまにか、雨が止み、虹が出ていた。水面に波紋が出ているので、車から出るまでまだ雨が降っているものかと思ったが、どうやらこの波紋は水面でざわついているウグイの稚魚が出しているもののようだ。この時期になると毎年ウグイの稚魚が大群を成してダンゴを襲ってくる。茹でたコーンなど柔らかいものを食わせに使っていたらイチコロである。一昨年は鯉がどん引きして避けて通るほどウグイが密集し、ダンゴを投げた周辺が真っ黒になっていたことも・・・・

 午後5時半、あっというまに空が暗くなってしまった。
 釣り場に訪れたまーくんと共に、橋の上から川を見ているとクリック音がかすかに聞こえた。2番竿のラインが水面を裂いてゆくのが見えた。急いで釣り場に戻り、竿を立てるが、魚はブッシュに潜りこんでしまい、動かない。幾度も左右から引いてみるがびくともせず、完全に草に絡んでしまっているようだ。竿をもって橋を渡り、対岸からも引っ張ってみたがダメ・・。しかたなく、竿をピトンに戻し、ラインのテンションを落として放置することにした。

  真ん中のブッシュに潜りまれ、
動かない


 それから30分、北五番橋には街灯が燈された。魚が動き出す気配はない。しかたない、最終手段だ。少々強引だが、仕掛けの強度を利用して草ごと抜き出すことにしよう。これに失敗するとラインが切れてしまう・・。一か八かで、竿を置き、手でラインを少しずつ、引いてみる。するとわずかだが動き出した。ブッシュの中で大きな水しぶき。草も切れ、徐々にこちらへ寄ってきた。成功だ♪大量に絡んだ草の中に魚の気配もある。ラインにびっしりと纏わりついた草を少しずつ取ると中から鯉の姿が現れた。ネットイン!サイズは小さいが無事取り込めたことに一安心。

  ブッシュからなんとか引き出し、ランディング  

 大きさは60センチほど。これだけ苦労したんだからあと20センチくらい大きくてもy 鯉はかなり弱っているようなので、素早く写真をとってすぐにリリース。これで気持ちよく、一日目を切り上げることができる。タモを洗い、荷物を車に仕舞い、安全運転で家へ戻った。

2日目 9月29日(土)

 前日は午後からの釣行となったので、この日はもう少し早めに開始したかったのだが、用事を済ましたあと、街中の釣具店へ寄ったので、また前日と同じく午後1時からの開始となった。

 今回釣り場として選んだのは茨戸川。今年はホームグラウンドの北五番橋で竿を出すことが多いので、ひさびさとなる。今日は広々とした場所で竿を振りたい。そんな思いで車を向かわせたのはゴルフネット裏。一年ぶりにこのフィールドに踏み入れる。

 この日も午前中に雨が降り、増水。また風が強く、水面が少々波立っている。いつもなら、釣り場の名前の文字通りバックネットの裏で竿を出すが、今回はもう少し下流へ行ってみることにする。ネット裏より数百メートル車で走ったところにある高校のグラウンド裏。ここはネット裏よりも少しスペースが広く、ノンビリ出来そうだ。車を止め、時間がないのでポイント調査もそこそこに、その場にピトンを刺すことにした。

オモリ部は前日と変わらず、仕掛けを袋仕掛けに。

袋、ハリス:巨鯉ハリス8号
針:フカセ16号

ダンゴ:龍王+マス用ペレット粉末
食わせ:乾燥コーン

 ネット裏からこのグラウンド裏まで、岸手前はウィード帯になっている。このウィード帯の際をサブストラクチャーとして1番竿で狙うことにする。2番竿は鯉らしき跳ねやウグイのモジリのあった40メートルほど沖に投げこんだ。風が強いので、車の中で昼食のおにぎりを頬張り、もって来たお湯で温かいお茶を淹れてリラックスタイムを取る。

 はじめてのポイントなので、早めのエサの打ち返しを行おうと、車から下りたときセンサーが反応。1番竿の穂先が暴れている。大きなウグイでも掛かったかと思ったが、弱いながらも鯉独特の引きを見せる。上がったのは40センチに足りないような可愛い小鯉くん。とりあえず魚を見ることができて一安心。

はじめて入釣するグラウンド裏 可愛い子鯉くんがセンサーを鳴らしてくれた

 気づけば、あっという間に秋らしくなってしまった。今年は夏をあまり満喫することなく、あっという間にもう10月。
 吹き付ける風が薄ら寒く、シャツの上にカーディガンを羽織るも、なお身震いする。だが、秋の空もまた綺麗なものだ。「秋らしい」と思わせる風趣はこの空にあるのだろう。寒くて暗い、個人的には嫌いな冬が来てしまう前に、こうしているうちにこの「秋らしさ」をじっくりと目に焼き付けておこう。温かい車の中からね☆

 シートを倒し、車の天井窓から空を眺めながら音楽を聴いていると少し眠くなってきた。最近は不眠症でなかなか眠れないのだが、今なら少しだけ眠れそう・・。センサー受信機に接続したスピーカーの音量を少し上げ、目を瞑ることにした・・・zz

 2時間ほど経っただろうか、少し眠っていたせいもあって時間の感覚があまりない。天井窓から見える空が傾き始めた太陽に染められている。体がリラックスしているので再び目を瞑って数十分。突然のセンサーの音で飛び起きた。靴を履いて外に出るが、温かい車中で脱いだ上着もYシャツも着るのを忘れてしまった。少々寒いが、激しいクリック音が聞こえるのでそのまま竿の元へ駆けつけた。1番竿にヒット!ファイト開始。魚はスプールを鳴かせながら横に走る。そしてそのまま手前のウィードの中に突っ込んだ。まずい・・なるべくオープンで浮かせてからウィード帯まで寄せたかったのだが・・。もともとウィード帯の際を狙って投入した竿なのでしかたないのだが、またしても昨日と同じ状態になってしまった。なんとか藻を切ろうとするが、なかなかうまくいかない。引いても竿が軋むだけで動かない。ラインを緩め、魚が自分から出てくるのを待つ。今回は魚が意図的に入り込んだというより、藻の中を走っているうちに絡んじゃったといった感じで、絡んだあとも何度か走ろうとしていたようだが、生憎藻がまとわりついて奴も動けないようだ。こうなったらまた昨日と同じ手で藻を切るしかない。竿を平行に持ち、そのまま引っ張ってみる。魚がもぐりこんでいる場所から細かい泡が多量に浮いてきた。なんとかなりそうだ。竿を置き、手でラインを引く。かなり重たいがよってくる。竿を持ち直し、弾力を使って一気に寄せに入った。切れた藻の塊の中から鯉のしっぽがヒラヒラと泳いでいる。昨日の創成川の草とは違い、複雑に絡んでいるので、藻の塊ごと魚をネットイン。今回も無事、上げることができた。

 多量の藻の中から出てきたのはアベレージよりやや大きめの鯉。大きさは70センチだった。

藻の中からなんとか引き出した。 サイズは70センチ

 鯉をリリースしたあと、寒いので車から上着を取ってきて、手早くエサをつくり、同じポイントに投入した。
 頭上では夕日の紅と点在する黒い雲が美麗なコントラストを生み出している。このようなノンビリとした釣りでもしない限り、普段の生活でこのように周りの景色を賞玩することなどなかなかない。癒しの時間となる。夕日に染められたラインが、再び走りだすことを期待し、マズメどきのラストチャンスを狙う。


 水面の雰囲気は悪くなく、いつ次のアタリが出てもおかしくないと思われたが、夕焼けは星空へと変わり、この日の釣りの終結つげる。


3日目 9月30日(日)

 3日目の朝7時、目覚ましを使わずに布団から抜け出した。ベッド横のカーテンを開けっ放しにして寝ると、朝の光で自然と目が覚めた。

 連休最終日、今日は気合を入れて朝から釣りを開始する。車庫に入れず、いつでも出発できるように家の前に駐車しておいた車に乗り込み、音楽を聴きながら釣り場へ向かった。この車、親父のものなのだが、インドア派の親父は用事がない限り休みの日でも車を使わないので独占できる。車内が徐々に釣車化しつつあることを、親父は知らない(笑)

 とりあえず、いつもどおりに北五番橋に車を止め。川の様子を見ることにした。前日までは濁った水が勢いよく流れていたが、今日はその濁りもとれ、川は逆に減水状態であった。偏光グラスで余裕で底まで見ることができる水中にはアベレージサイズの鯉が活発に泳いでいるのが見える。活性はかなり高い。大型の鯉も2匹並んでポイントに入ってきた。問題は食い気だ。車から荷物を降ろし、いつものスペースにタックルをセット。今日も茨戸まで行こうと思っていたが、これだけの鯉を見てしまうと攻めずに素通りする手はない。

 ここ最近は、僕の仕掛けやエサもかなり警戒されるようになっているみたいだ。鯉の警戒心を煽らないよう、ダンゴなどは使わず、チヌ10号1本針に乾燥コーンを付けた仕掛けを投入し、ほんの少しの撒きエサだけを柄杓で撒いて様子をみてみる。

 センサーをセットしたら、釣り場を離れ、コンビニへ買出しにいく。パンとコーヒーを購入し、ドアを開放した車のシートで竿を眺めながら朝食をとった。

 エサに対する魚の反応はどうか・・・。橋に上り、偏光グラスで覗くと、ちょうどポイントに7匹ほどの鯉のスクールが入ってきた。綺麗に並んで泳いでいたスクールは、撒きエサを見つけるなり散らばり、広範囲に撒いた麦やコーンをよく調べてるようだ。スクールの中の小さい鯉でもヒットしてくれればよかったのだが、残念ながら、しばらくポイントに停滞しただけで、また列を成して去ってしまった。毎週のように、同じポイントで同じ仕掛け、同じエサで釣りをしているのだ。エサの存在自体を警戒されるのも当然だろう。そろそろ次の作戦を考えるべきだろう。

 午前11時。鯉の姿は絶えず見えるが、今日は釣り人に対する警戒心以前に、食い気が立っていないように思える。コンビニで買ってきた食パンを川に流すも、反応はない。あまり期待できそうにないので、釣り場を移動することにする。

 向かうは、昨日と同じ茨戸川グラウンド裏。初夏によく通っていた公園前も良さそうだが、いつも駐車していたスペースが駐停車禁止になってしまい。竿出しが少々めんどうくさい(笑)。昨日の続きということで、昨日と同じ場所に竿を出した。

 仕掛け、エサも、昨日と同じ、袋仕掛けとダンゴの組み合わせ。子鯉と70台をゲットしたウィード帯の縁に1番竿の仕掛けを投入。2番竿は川の真ん中あたりまで投げ込む。このあたりから水深が増しているはずだ。他の釣り人が少ないときに、もう少し詳細なポイント調べをしてみたい。

 それにしても、今日は昨日、一昨日と打って変わって穏やかだ。空は青く、風もない・・。大きな気配がすると思えば、乗馬クラブのお姉さんがまたがった大きな馬も登場。風景と馬の姿がなんともマッチしている。今日は釣り日和・・というかピクニック日和だ。水面では鯉らしく大きな魚がゴボゴボと跳ねているのが見えたが、風がなくベタナギで、活性のほうは良いとはいえないみたいだ。ウィード帯にもときどき鯉が浮いてくるのが見えたが、ボーっとしていて動かない。釣り場で過ごす人間にとっては快適だが、釣りをするにあたってのコンディションにはもう少し変化がほしいところ。ホテルや雲がそのまま鏡のように水面に映し出されている。

  水面は動かず、周りの風景を鏡のように映し出す  

 一度、エサ換えをし、コンディションが少しでも変わるのを待つ。昨日は寒くて身震いしたが、今日は逆に暑いくらい。日中はタンクトップ一枚で過ごした。

 昼食後、車の天井窓を開放し、時間を忘れ、お昼寝をして過ごした。思えば、このときに、もう少し水の変化に富んだポイントに移動するべきだった。倒したシートから起き上がったときには、すでに太陽が西へ傾いていたが、状況は変わっていない。いまさら、移動を考えたが、時間が時間だし、今日2度目の釣り場変更をする動力があまりなかったため、今回は早めに切り上げることにした。

 釣り場に置いてある、必要のないものから順に車に積み込み、残ったのは竿とタモのみ。釣りを終えるときは、最後の1秒まで竿には触らない。その刹那にアタることだってありうる。仕掛けを回収する寸前でアタリが出ることがよくある。それを期待しながら竿先を見つめ、最後の瞬間、竿をもってリールを巻く。秋休みもこれにて終了。あとは雪が降るまでの短い時間で少しでも巨鯉への道を進むべく、何度か釣行するのみ。今年中に、また大物からの魚信をみることができるだろうか・・・。今回の釣行はこれにて閉幕。次なる開幕は来週か、再来週か。