鯉釣り日記2007 恒例行事
 釣行日 7月15日
午後9時〜午後6時まで
 場 所  茨戸川
 時 間


 起床すると、台風の影響か、風が窓を叩いていた。予報では南、東南からの風がやや強めとのこと。だが天候はそう悪くはならいようなので、今週も釣りに出ることにする。

 今回は茨戸川を釣行場所に選び、まずネット裏の様子を見に行く。数人、フナや鯉釣りの釣り人は見えるが、水面には多くのゴミが塊で流れている。ゴミの内容物は切れた水生植物で、塊は島のように大きく、この下に鯉が集まっていたりすることもあるのだが、ブッコミの待ち釣りをしていると、ラインに絡まり、そのまま仕掛けをさらって流れてゆくという、やっかいなことになるので、この釣り場はパスすることに・・。

 この強い風に打たれながら釣りをするのも大変そうなので、とりあえず風の影響が少ない、公園前に行ってみることにした。ここは風が強い日でも比較的穏やかだ。今回もここで竿を出すことにしよう。

 前にここに釣行したときは、この釣り場一帯に生えるイネ科の植物の花粉に悩まされたが、今回来て見ると、草刈が入ったらしく、綺麗さっぱりと無くなっていた。鼻水やノドの痛みに苦しむことはなさそうだ。

オモリ:ひし形30号(遊動式)
仕掛け(袋仕掛け 1本針)
袋 - ハリス:巨鯉ハリス8号
:チヌ10号

エサ(ダンゴ)
龍王+ハトのエサ+麦茶

食わせ
乾燥トウモコロシ

 仕掛け、エサは上記のものを使用。狭い範囲に何個もダンゴを投げると、警戒する鯉が出てくると思われるので、今回はいつもよりも小さめのダンゴを使い、エサ換えペースも長くする。そのため、ダンゴは大粒の粒子を配合(かなり握りにくくなる(笑))。食わせも、ウグイの攻撃に強い乾燥コーンを使用する。

 一投目。頭上の木が生長し、長竿を振ることが段々難しくなってきた。川の真ん中より少し手前と、真ん中より少し奥へ投入し、センサーをセット。さて、これからの時間は何をして過ごそうか・・・、今回も暇な釣りになりそうだ(笑)

 10時30分。とくにすることもなく、携帯でネットを繋いでいるとセンサーが入った。リールから糸が引き出されている。鯉であることを確信。どうせボウズだと決め込んでいたので、セットが終わって間もないアタリに不意打ちを食らったような感覚。タモに入ったのは60センチほどの鯉。茨戸川としてはアベレージよりも小さいが、鯉は鯉。嬉しい一匹。

   60センチと少しといったサイズ  

 このポイントでは、一尾目が掛かればその日のうちにまだ2〜3回のアタリを期待できる。そのかわり、釣れないときは本当に釣れない場所だが、今回は水の動きも良く、鯉の活性が高いみたいだ。チャンス♪期待感がつのり、再投入後、本を読みながらも竿先が気になって、ついつい竿のほうをみてしまう。

 しかし、思いどおりにはいかないもので、このまま竿が動かずに昼を迎えてしまった。風が強くなり、安物のパラソルが煽られて裏返しになった。昼食を食べるのも一苦労、おかずを飛ばされそうになる。だが空は気持ちよく晴れ渡っていて、夏らしさを感じる。

 午後14時。エサ換えの時間。鯉がヒットした竿は新しいダンゴを再投入しているので、もう一本の竿だけ回収し、作り置きしていたダンゴをつけて同じ場所に投入。ついでに集魚効果のある寄せエサを撒いてみることにする。

 サケ、マスの養殖用ペレットを柄杓にすくい、ポイント周辺に少しずつ撒いた。このペレットは見事な動物系の臭いを発して虫を寄せる(笑)これを入れた袋にはハエがくっついていることがある。僕が通う専門学校では千歳川産のサケの稚魚を孵化させ、淡水飼育しているので、このエサがたくさん入ったロッカーがあるのだが、その中はエサの臭いに満たされていて、正直、戸を開けたくないくらい臭い(笑) だが、鯉釣りの寄せエサとしてはかなり効果があるだろう。ボイリーなどを一緒に使うと有効そうだ。

 午後15時、奥に投げている2番竿が少し動いた。竿先がゆれ、糸がふけ、また張っては竿先が揺れる。ペレットの効果でウグイが寄ってしまったか・・と思ったが、竿の揺れ方が段々と大きくなってきた。これはもしかすると・・・・♪竿先が右に向き、ググ〜っと引っ張られる。このまま糸が張ったり弛んだりする時間が続き、ついにセンサーのスイッチが入った。少しずつ糸を出してゆく。こうなればもうウグイではないだろう。

 ゆっくり引き寄せ、浮いてきた魚体をネットイン!サイズはさきほどのものと同じか、少し大きいくらいか。60台の綺麗な鯉。前アタリが長かったせいか、最高のフッキングをしていた。

   2匹目も同じくらいのサイズ。でも満足  

 もう日が傾きはじめているが、これから夕マズメにかけてがビップタイムであろう。すばやく鯉をリリースし、新しいダンゴを投げ込む。するとすぐに、同じ2番竿に反応が出た。さきほどと同じようにウグイのようなアタリを出してから、少しずつ竿を引きこんでゆく。センサーの洗濯バサミからラインが外れた瞬間。糸が出された。

 ついクリック音を聞くとテンションが上がってしまう。ひとりルンルン気分になりながらファイトを開始。

 この鯉はなかなか・・良い手ごたえ♪

 ガリ・・ガリ・・ガリ・・ガリガリガリガリ ギャァァァァァァーーーーーーー!

「うぉ!すげー走る!!」

 プロカーゴから大型リールとは思えないほどの音が出た。クリックというより、電動リールの巻上げ音のよう。

 魚はこちら側の岸擦れ擦れを、右に走ってゆく。こうなると少しやりにくい。この釣り場、右側はオーバーハングした木が多く存在し、その木々は年々大きくなっている。魚はこのことを知ってか、わざわざオーバーハングの下を泳いでゆく。ラインは木々の中に侵入し、枝葉に絡むが、なおも走り続けて、バキバキと音を鳴らしながら枝を吹っ飛ばしている。

 これではラインが傷ついてしまう。そして心配なのは、魚が向かっている方向。このさきには、掛かりが多く点在し、一番の厄介な浮き球とロープも存在していたはず・・。一昨々年のこと、この釣り場で竿を出していると、一緒に釣りをしていた鯉師のおじいさんに大鯉らしきアタリ、ファイトの末、この浮き球とロープに撒かれてやむを得ずラインを切ったことがあった。そして、生振運河の涙の敗北も頭によぎる。すこしドラグテンションを上げ、しかたなくこちらからも反撃する。フッキングが悪ければここで口切れを起こしてバレることがある。だが、この位置から50メートルほど下流の掛かりに入られるわけにも・・・・どうしようか。

 すると魚の走りがとまった。とうとう入られたか・・? だが、リールを巻けばよってくる。木々にラインが絡んで重量感がとれない。竿をあおりながら、すこしずつリールを巻いた。

 そして、針の先に何もついていないことがわかった。

 ラインにまとわりつく、木々のあちこちの枝を乱暴に振り切りながら、仕掛けを回収した。

 針先が曲がっている。


 生振運河でバラしたとき、そのファイトをずっと見守ってくれた人たちが発した一言がよみがえった。

「オー!ノー!!」(笑)

いや、ホントに。ごもっともだ。

 あの人たちは何故 川の博物館に行こうとして、あの道に入ったのだろう・・いや、それはいいとして、あのときみたいに誰かが近くにいてくれたら、ファイト中の写真だけでも撮ってもらえばよかった。

 小さい鯉でもやたらと走る奴がいるが、それにも限度がある。今回のは、多分小さくはなかっただろう。

さぁ

今年もやりました。毎年の恒例

「でかそうなのバラす」


 去年は月寒川、一昨年は新川。一昨々年は生振と、この場所でも泊りがけで釣りをしていてスッポ抜けでやったし・・

 引きも走りも、重量感も、どう考えても小さくはないと思われるものを・・チャンスを・・

 そろそろこの恒例行事、やめたいんですけど(苦笑)

 興奮せざるを得ない、いいファイトをしてくれる鯉がかかると、

 走馬灯のごとくいままでのバラシの思い出が頭の中で甦るのも、嫌なんですけど

 今回のこのエピソードも走馬灯に追加されるのも嫌なんですけど

 現在に至っての、このサイトの内容からして

 タイトルを「巨鯉への道」から「玉砕の道」に変更しても違和感がないのが嫌なんですけど(爆)


 現場では「あぁ、またか」程度だったが、いまこれを書いていると、どんどんと悔しさと愚痴が浮かんでしまう(笑)
そろそろ自己レコードのページを更新したいです・・。

   右に走られるとやりにくい。この岸際を走られると厄介  

 ラインの木の枝によって傷ついたところを切除、針先がダメになってしまったチヌ針も交換し、気を取り直して投入する。

 岸際を走られるなら、誰かが先回りしてタモ網で通せんぼしたらいいんじゃないか。なんて半分ふざけて無駄なことを考えながら、再び、竿が舞い込むのを待った。小さくてもいいから、もう一匹釣って帰りたい・・。

 しかし日がオレンジ色になってきたころ、対岸の、ちょうど2番竿の仕掛けを投入した近くで、吸水機が作動した。対岸はパークゴルフ場。芝生に巻くための水を汲み上げている。これだけガァガァと音が鳴っていては、魚も近づかないだろう。

 今日はいさぎよく諦めよう。