鯉釣り日記2007 static and dynamic
 釣行日 7月8日
午後9時〜午後5時まで
 場 所  月寒川
 時 間


 ホームグランド 創成川北五番橋でのブッコミ釣りが不調になるこの時期は毎年遠征に出る。今回は篠津湖と同じ石狩川の三日月湖である皆楽公園沼にでも竿を出そうかと思ったが、あの場所は昼間はヘラ師が多く、それに増してこの日はヘラ釣り大会が開催される模様・・。この付近には篠津湖や北都沼など他にも良さ気な釣り場があるが、今回は遠征をやめ、近場で釣りをすることにした。

 午前9時、向かったのは月寒川。去年はじめて月寒で釣りをしたのもこの時期だ。今年はどうなのだろうか。

 10分後、月寒川に到着。近くにある橋から川の様子を伺う。去年釣りをしたのはこの辺なのだが、今日は魚の姿が見られない。続いて望月寒川との合流点を見に行く。ここは水の変化に富み、かなりの魚が集まる場所。

 去年よりも水草の量が増えているが、その中をよく見ると、鯉が2匹、草と草の隙間から顔を覗かせていた。偏光グラスを使って、よく水面をみると、大小さまざまな鯉がこの一帯に溜まっているのがわかる。これは狙うしかない。

 早速タックルをセット。仕掛けとエサの準備にとりかかる。

 このフィールドは創成川よりも狭く、投入は竿を振って投げるよいうより、ピッチングで投げることが多い。またここの鯉はかなり警戒心が強い。今回は鯉がたまっている場所を直接攻撃することになるので、オモリで大きな着水音をたてるのはタブー。そのため、小型のオモリを使用したシンプルな仕掛けを用意した。。

オモリ:ナス5号(1個または2個)

ハリス:
巨鯉ハリス8号

針:
チヌ8号(1本針 ハリス20センチ)

エサ:とうもろこし


 今回はエサにコーンを使うのだが、この合流点はウグイやフナもかなり多い。普通の缶詰コーンなどでは10分と持たずにエサを取られてしまうので、生のとうもろこしを茹で、一個一個の粒を胚の根元から取り外したものを使う。このエサは市販の「くわせコーン」同様にちょっとやそっとでは取られることはない。

 まずは1番竿を対岸付近の浮き草周りに、2番竿は水中に茂る水草と水草の間に投入する。魚の活性はいいようで、泳ぐ姿や跳ね、もじりを何度も見ることができる。

小さな二つの川が合流するポイント 水面には藻がひしめきあっている。この中に鯉がいる

 思いのほか、鯉はたくさんいる。サイズの平均値としては創成川よりも大きいものがよく見られる。しかし、やはりそう甘いものではなく、仕掛けのすぐ横を鯉が通りかかっても、なかなか口を使ってくれることはなかった。活発に泳ぎ回っているが、食いが良いわけではないようだ。・・どのように攻めれば有効なのだろう。

 開始から2時間後、エサのチェックを行った。コーンはウグイに取られることはなく、そのままの形状を維持して針についている。このまま同じように仕掛けを再投入しても可能性が感じられないので、少し攻めかたを変えてみることにする。

 仕掛けからオモリを取り外し、底に定着されるのではなく、草の葉の上に針を乗せる感じでポイントにセットした。周りには柔らかく茹でたコーン (カレーパウダーで和えてある) を少量撒いて鯉にエサの存在をアピールする。周りには、草の中から水面に顔を出している鯉が幾匹か見られる。このまま少し様子を見てみよう・・。

 竿の前に折りたたみ椅子を置き、葉の上に乗って浮くわけでも沈むわけでもなく鯉を待ち構える仕掛けを監視する。

 まわりにはまだ鯉がいる。少しずつ移動しながら、草の中からパクパクする鯉。そしていよいよ寄せコーンを撒いてあるエリアに入ってゆく・・。しかし、コーンを食べてはくれない。水面の鯉はとくに警戒しているように見えず、ただエサを探しているわけではない、食い気がないということのようだ。

 こうなればやはりオモリをつけて底を攻めるしかない、ダンゴを使ってみよう。

 仕掛けは変えず、ウニ通しで直径5センチほどの小さめのダンゴを付けた。ダンゴの配合は龍王+ハトのエサ+麦茶の組み合わせ。今回の麦茶の配分は少し大めで匂いを強くした。このダンゴを投げると、ウグイやフナがかなり集まってしまうだろう。これでは胚のついたコーンでもすぐに取られてしまうだろう。ここでエサを変更。ペット用の乾燥コーンにピンバイスで穴を開け、針を通す。このエサならウグイに突付かれ続けてもかなりの長時間持たすことができるし、鯉がヒットしてもなお、針に残っていることもある。


 ダンゴをつけた仕掛けを同じ場所に投入する。これでダメなら今日は諦めよう・・・。

 半ば諦めモードで、近くの橋の上でお茶を飲みながら川の様子をみる。朝、この橋から覗いたときよりも多少アクティビティに富み、魚影が濃くなっている。しばらくボーっとしていると、いつもこの川をホームグラウンドにしているという小父さんが釣りを終えて土手から上がって来た。この小父さんも「魚は居るけど食わない」という。あまり好ましくない状況のようだ。

 時刻はすでに正午をすぎ、夕刻になりつつある。滑らかに流れる川面と、対照的に静寂する竿、ただそれを見つめるだけの時間を何時間すごしただろうか。依然鯉の魚影は絶えず濃く、ポイント周辺をうろついている。これで食いが立てば最高なのだが・・・・。

 親父から電話が入った。「そろそろ帰って来い」とのこと。


 ダメだったか・・・・。自分のすぐ近くにある2番竿から片づけを開始する。センサーの洗濯バサミを外して緩めていたドラグを絞め、仕掛けの回収をする。しかし、仕掛けが上がってこない。根掛りか・・・。さまざまな方向から竿を煽るが、なかなか外れそうもない。どうやら大きな草の根に引っ掛かってしまっているようだ。煽ればゆっくり寄ってくるがこれは大変。なんてめんどうくさいことを・・。ため息をつきながらゆっくりと引っ掛かった草を寄せる。

 すると、一番竿の穂先が動いた。


 「んん!?」


 コツコツとフナのようなアタリ。だがフナではない。ここの鯉はかなり長く、はっきりとした前アタリを出す。

 10秒ほどの前アタリの後、穂先が一気に引きこまれた。ヒット!2番竿をそのまま置き、1番竿に持ち帰る。

 掛かった鯉が大暴れし、水草を蹴散らした。ラインに草が絡まり、更に重みが増す。絡まった草が重みになり、鯉のほうも思うように走れないようだ。バラしたくはない。このまま草ともに鯉をタモへ遊動する。そしてなんとかネットイン。

 草の中から出てきた鯉はなかなか良い体格をした綺麗な鯉だった。サイズはアベレージよりやや大きめ。70センチだった。

帰り際、やっと上がった鯉♪ サイズは70センチ。どっしりとした体格

 これで満足して帰ることができる。
 今年はなぜか、このパターンが多い。帰り際、納竿の準備をしている最中にヒット。2番竿の仕掛けを回収している最中に1番竿にヒットしたのはこれで2回目だ。やはり最後まで諦めは禁物のようだ。竿をだしている限りチャンスはあるのだから。

 鯉をリリースし、タモを洗い、竿を収納。今回も気持ちよく釣行を終えることができた♪
 今年の夏はかなり釣行回数が減りそうだが、できる限り、シーズンオフまでの間、少しでも長い時間竿を出していたい。