鯉釣り日記2007 そろそろノッコミ
 釣行日 5月3日
午後8時〜午後7時
 場 所  創成川
 時 間


 今年もこの季節が訪れた。ゴールデンウィーク!お腹に卵を抱えた鯉が、産卵準備およびハタキをはじめる。言わば鯉釣りの最盛期。今年のノッコミ期はどのような釣りができるだろう・・。期待感を胸に秘めて、いざ釣行!

 先日、当サイト掲示板にて堤さんから、5月3日の北五番橋での釣りのお誘いの書き込みがあり、また先月入学した専門学校の友達である伊藤くん、滝川から遠征して来ているtadasiくん、北五の守護神 村上さんもこの日に北五番橋にて竿を出すという連絡を受けたので僕も出陣を決定!しかし、残念ながら堤さんは仕事の都合で釣行できなくなってしまったため、4人で竿を出すことになった。


 午前7時、自宅を出発。僕はすでに自動車免許を取ったのだが、この日は親父が車を使っているため、またまだ運転に不慣れであるために、自転車で釣り場へ向かうことにする。

 約40分ほどの道のりを経て、ホームグランドに到着。橋の下流ではすでにtadasiくんが入釣し、ロッドポットを2つ立て、5本の竿を並べていた。僕はそのさらに下流にて竿を出すことにする。
今回もいつもどおりのこの仕掛けとエサをベース使用する。

オモリ部
サキ糸 PE8号2本縒り
菱型オモリ(着色済み)

仕掛け
巨鯉ハリス 8号(1本針の場合は長さ20センチ)
針 チヌ8号〜10号

エサ
ナチュラルフェイクベイト(どばみみず)
or
コーン

 今回僕が竿を出した場所は対岸付近に生えているブッシュ、オーバーハングなどがあり、産卵期の鯉の好ポイントとなりそうなので、2本とも真ん中よりも奥に投げ込んだ。まず使用するエサはナチュラルフェイクベイトをつけたチヌ8号1本針。


 タックルのセットが完了し、センサーの準備に取り掛かったとき、tadasiくんのリールがギャァと激しいクリックをあげた。来たか!? とtadasiくんのタックルのほうを見た瞬間。


ロッドポットから引き抜かれ、まっすぐ川面へ飛ぶtadasiくんの竿・・・・

これまた豪快なダイブ・・・・って マズイじゃん!

 tadasiくんは釣り場から離れていたため、すぐさま戻るようにメールを送信。僕はタモをもち、水面を走ろうとするtadasiくんの竿を食い止める。しばらくして戻ってきたtadasiくんと一緒になんとか竿を引き上げ、救出することができた。

 そしてファイト開始。川に引き込まれたショックのためか、タックルにトラブルもあったようだが、魚は無事にタモにおさまり、67センチの鯉が上がった。

   tadasiくんの本日のスタートダッシュ  

 いきなりすごいシーンを見せられた。これはテンションをあげないわけにはいかない。
 今日は昨日の雨の影響で水かさが増し、流れも多少出ているようだ。魚の活性は上々。これからかなり期待ができる。

 午前9時ごろ、伊藤君が釣り場に到着。僕がいつも竿を出す北五番橋の上流側に竿を一本セットした。

 伊藤君のタックルセットが終わり、3人で談笑しているとtadasiくんのセンサーがON!3人一斉に竿のもとへ駆け、tadasiくんが戦闘開始。上がったのはさきほどのものよりすこし体格のいい鯉で、サイズは68センチ。今日は良い釣りができそうだ・・

 tadasiくん2匹目!サイズは68センチ  僕、伊藤くん、tadasiくんの3人で記念撮影

 tadasiくんの魚をリリースしたあと、tadasiくんの投げ返しと同時に、僕と伊藤くんもエサ変えをする。僕はナチュラルフェイクベイトからコーンに切り替え、仕掛けはチヌ10号の2本針に変更。伊藤くんもダンゴを使用していたのだが、tadasiくんの68センチをヒットさせたエサがボイリーだったことで、吸い込み仕掛けを外し、ヘアリグに切り替え同じボイリーをつけてポイントに打ち込んだ。

 この日は天気がよくて風も弱い、最高の釣り日和といえよう。次のアタリを待つ間、ひなたで談笑をする。
 伊藤君は観賞魚が好きなようで、鯉釣りマガジン並みにマニアックなアロワナの雑誌をカバンから出して見せてくれた。
 まるで人が色を塗ったかのように綺麗なうろこを持つアロワナの写真がたくさん・・過背金龍という名の美しいアロワナに見とれてしまった・・。伊藤君はアロワナをはじめとした淡水魚の飼育をしていて、180センチの大型水槽までもっているという。うやらましい・・・(笑)

 様子見のため、自分の釣り場へ戻っていると1番竿に変化。センサーは入らないが、魚はついているようだ。ドラグをしめてリールをまくと40台の鯉が暴れだした。伊藤君にタモ入れしてもらい、なんとかボウズを回避することができた。

 いまはインターネット選手権の期間中。次は申請サイズオーバーを狙いたい。午前11時、水が濁っているので偏光グラスを使っても川の中の様子をみるのが難しいが、泡付けは朝よりも多くなってきているように思える。

 tadasiくんが持ってきていた手竿でウグイを釣って遊んでいると、心地の良いクリックサウンドが鳴り響いた。
 tadasiくんが自分で作ったという竹竿にヒット。しぶみのあるカッコイイ竿が美しく弧を描く。上がったのは最初にtadasiくんが釣ったものよりも少し小さめの鯉。この竿で使っていた仕掛けは袋仕掛けで、ダンゴを使用していたようだ。この日の活性ならどのエサでも可能性がある。

 正午。気温は「暖かい」というより「暑い」に近くなってきた。橋の下で昼食をたべていると、村上さんと、近くで釣りをしているTさんが釣り場を訪れ、しばしの釣り談笑、午後のブレイクタイム

僕の竿にヒット40台のかわいい鯉 tadasiくんのタックル。手前の竹ざおはtadasiくんお手製
 tadasiくんの竹ざおにヒット  上がったのは60センチ弱の鯉

 村上さんは本日一緒に釣りをする予定だったが、用事が入ってしまったためキャンセルするとのこと。午後の釣りも3人で続行することになった。

 昼食をすませ、伊藤君と手竿でウグイ釣りをしていると一度この下流にある自分の釣り場に戻っていたTさんが再度訪れ、80台を上げたということを報告してくれた。この日はまだ産卵には少しはやく、産卵場になるここよりも下流のほうが大型が入っているようだ。その報告にうらやましがっていると、僕の竿の穂先がゆれたのを見た。しかしセンサーは入らない。竿のもとに駆けつけると、ラインがふけた状態になっている。たるんだ分のラインを巻き取り、竿をすこし立ててやると手ごたえを感じる。あまり大きくはないがモチベーションとテンションは急上昇!上がったのは50センチ強の黒っぽい鯉だった。

  僕の竿にフケアタリをだした50台の鯉
小型だが嬉しい
 

 さぁ次は伊藤君の番だ。伊藤君はエサ換えの際、ボイリーから僕と同じコーンと2本針仕掛けに変更。川の真ん中よりすこし奥のラインに投げ込んだ。そしてその30分後、ひとりパラソルの下で昼寝をしていると、伊藤君の竿に取り付けられた鈴の音が激しく鳴ったのが聞こえた。「来た!」という伊藤君の声に目が覚め、急いでアシスタントに向かう。

 しかし根に入ってしまったのだろうか、魚は動かなくなった。伊藤君のタックルはミディアムクラスのルアーロッド。あまり無理はできない・・・・

 去年の夏、tadasiくんがこの場所で鯉をヒットさせ、同じように動かなくなったことがあった。そのときは竿を持って対岸にわたり、逆側から鯉を引き出してランディングさせた。今回もその手を使おう。竿、タモをもち、橋をわたる一同。橋の上からみると、ちょうど鯉が潜っていると思われる場所から泡が出ている。その場所は欄干の真下にある。橋をわたりきって対岸に出る前に、橋の上から真上にテンションをかけてみた。すると、泥の煙幕と共に鯉が出てきた。「よし!♪♪」

 底に沈められていた土嚢袋がオモリ部分に引っ掛かっていたようだ。tadasiくんが対岸にわたり、魚をランディング。40センチほどのかわいい鯉だが、これで全員ボウズを免れた。

橋に上り、真上からテンションをかける伊藤君 サイズは40センチほど、嬉しい1匹

 無事にランディングできたことで喜んでいると、伊藤君からこんな一言が・・

「おれ、この鯉食べてみる」

マジで!?

 この都会の鯉を食べるなんて・・これまたワイルドなことを言うものだ・・・・。しかし、冗談かと思っていたら、ほんとうにビニール袋に鯉を入れ始める伊藤君。僕にはちょっと・・ここの鯉を食べる勇気は。。。。

伊藤君、あなたはチャレンジャーだ(笑)


 日が傾き始め、いよいよ黄昏時。この夕方のビップタイムに3人の期待感が募る。
 そしてここでも真っ先にアタリをとったのはtadasiくん。カープロッドによって制御されあがってきたのは60センチほどの鯉。その数十分後、僕の竿にも変化が・・。tadasiくんが穂先が曲がっていることを教えてくれたので、すぐに竿をみにいく。

 センサーの洗濯バサミはまだ外れていない状態で、竿先だけがしきりに動いている。鯉の前アタリのようだ。しかし、一気に食い込む気配はなく、ひたすら穂先だけを揺らしている・・。これから食い込むのだろうか・・・、それとも魚が小さく、これがすでに食い込んだ状態なのか。少し待ってみたが、竿は同じ動作を続けるばかり。しかたなく、竿をもって軽く煽ってみるが、一瞬重みを感じただけで魚はヒットせず・・・・。

 なんだったのだろうか。その後、しばらくアタリがとまってしまい、ゆったりとした時間を過ごす。僕はこのあとの激チャリにそなえるため、パラソルの下で仮眠をとる。伊藤君とtadasiくんは手竿で遊んだり、音楽を聴いたりしているようだ・・。

 午後5時、tadasiくんのセンサーが鳴る。この鯉も今日の平均的なサイズ60センチほど。そしてその10分後、またしてもtadasiくんにヒット。5本出しているうちのボイリーをつけて投げている2本に連続しているようだ。この鯉はかなりいいファイトをしている。上がったのはやはり60センチほどだったが、ヘラのようなに背中の盛り上がった体形をした鯉だった。

橋に上り、真上からテンションをかける伊藤君 サイズは40センチほど、嬉しい1匹
   

 なんとこのあと、tadasiくんが遊んでいた手竿に鯉が掛かり、竿を持っていかれるという事件も起きた。僕はちょうど手がはなせなかったので助けに行くのが遅れたが、なんとか竿を回収。鯉はついていなかったようだが、tadasiくんのタックルが水面にダイブしたのは今日2回目。もちろんこれは不幸ではない今日のtadasiくんの鯉運はかなりのもの(笑)

 午後6時ごろ、釣り場は少しずつ暗くなり始め、僕と伊藤君も最後のエサ換えをする。tadasiくんからもらったコーンの撒きエサを仕掛けを打ち込んだ周辺にまき、申請サイズが掛かることを願う。対岸でフナ釣りをやっていた人、家族連れの釣り人、ヘラ師のおじさん方もみんな納竿して帰ってゆく。静まりかえった水面には鯉らしき泡付け。最高の雰囲気だ・・・

 僕の竿はあいかわらずだが、tadasiくんのセンサーは鳴り止むことがない。ラインが水面を切る。tadasiくん本日7匹目の釣果は力強いオスの鯉だった。続いて伊藤君の竿も撓る!ロッドを大きく曲げながら面白そうなファイトを繰り広げた。上がったのはtadasiくんの7本目と同じくらいのサイズ。

tadasiくん本日7匹目の釣果
 伊藤君もヒット!竿の撓り方が最高  伊藤君の2匹目の釣果

 本日2匹目の釣果に喜ぶ伊藤君。そしてランディングした鯉にこの一言。

 「おまえの命は今日までだ」

 僕、tadasiくん:「え!これも食うの!?」

 魚好きなのはわかるが、フツウに人間の髪の毛やティッシュが流れてくる川の魚を食べようとは、ほんとうにチャレンジャーだ(笑)

 サイズは50センチ後半といったところ。これをさきほどの40台と同じビニル袋に入れようとする伊藤君・・

 「あ、袋やぶれちゃった。コンビニ行って大きい袋もらってくる」

 もう笑うしかない僕とtadasiくん。そしてタモの中でリリースされるのを待つ鯉・・。予想外だな、おまえ食われるぜ?

そして数分後


  あぁ・・・・  

 後日、この鯉をどうやって料理したか、そして一番気になるお味のほうを彼に聞いてみたいと思う。

 このあと、tadasiくんのお祖母さんが車で迎えにきた。tadasiくんが納竿の準備をはじめ、僕と伊藤君も真っ暗になる前にタックルの片付けをすることにした。今日はほんとうに楽しい釣りができた。大物こそ混じらなかったが、釣果も3人で11匹、全員釣果有りで申し分ない。伊藤君の自転車の篭に鯉が入れられる光景は予想外だったが(笑)、早々と片付けを済ましてtadasiくんを見送り、僕と伊藤君も解散してこの日の釣りを終了した。思えば、申請サイズを一匹も釣っていないので、できれば連休中にまた釣行したいと思う。