鯉釣り日記2006 諦めなくてよかった・・
 釣行日 10月1日
午前8時〜午後6時
 場 所  創成川
 時 間


 久しぶりにホームグラウンドに戻ってみようと、今週は創成川の北五番橋に釣行することに。今年は数、大きさともに満足のいく釣果を上げていないので、なんとかアタリをもらいたいと願う。

 午前7時、自転車で出発し午前8時に到着。橋の下に自転車と荷物を置いて、いつもどおり橋の上から川をのぞいてみる。

 いつも竿を出すことが多い上流側には小さなボラやウグイが見えるのだが、鯉の姿はなし。下流側をみると、こちらもウグイやボラが多いが、遊び鯉がいくらか見られ、エサを食む姿も観察できたので、今回は下流側で竿を出すことにする。

 下流側は6月のはじめに山崎くんと入ったことがあるのだが、そのときよりも水草の密集度がかなり増している。この水草密集地がここから下流へと続くのだが、偏光グラスでよく見ると、獣道のように水草の生えていないラインがあるのがわかるので、そこに仕掛けを投げ込む。6月に来たときよりも獣道は水草が増えたことにより狭くなっているが、水草密集帯のより北五番橋に近いところでは多少広くなっているので、今回はこのへんに竿を出す。

 いつもはピトン竿立てを使うのだが、重量があり、さすがに単独チャリ釣行で持ってくるのは大変なので、今回はフォーク竿立てを土手に刺した。

 仕掛けは創成川や月寒川など狭い川での定番仕掛けとしている、チヌ針8号の2本針仕掛け。エサも定番の焼酎漬け食わせコーン。


 水量がかなり減っているが、鯉の活性は悪くないようだ。去年、この時期の創成川は小さなウグイの大量発生によりコーンを使用することができなかったのだが、今年は去年ほどウグイは多くなく、ダンゴなどを使ってもよさそうだ。橋のしたでゆっくりセンサーの受信を待つ前に、食パンの角切りを数個川に流すと、それに反応する鯉もいる。パンプカでもヒットの期待ができるので、パンプカ用のシーバスタックルも準備、ちょっとの間、竿の下流でパンプカ仕掛けを投げて遊んだ。

 先週に続いてこの日も晴天♪  今回は久々にフォーク竿立てを使う。

 午前9時、ネット裏で釣りをしていたちばさんが釣り場移動で橋の上流で竿を出した。村上さんも参戦予定だったのだが、用事が入ってしまい、釣りができないとのメールが入ったので、ちばさんとふたりで談笑しながらアタリを待つ。

 ときどき橋から魚を見ると、今日の鯉はやはり活性が高いようで、かなり遊んでいる。もちろんジャミの活性も同時に高いので、ちばさんがポイントに投げ込んだダンゴにはウグイも寄るし、僕のコーンにも、なぜかハゼがヒットしていた(笑)だが、どこを見ても去年のウグイ猛攻とは比べ物にならないくらい静かだ。去年の10月にここでダンゴを使ったことがあったが、投入直後にウグイの大群が押し寄せ、周辺が真っ黒になってしまった。そうまでウグイが多いと、それを見た鯉のほうも引いてしまうようで、食わせエサを取られなくても状況が良いとはいえなかった。たまに鯉が近づくと、真っ黒に固まっていたウグイたちが驚き、ぶわっ!と散るのだが、これに鯉が驚き逃げていってしまう・・(苦笑)こんなことがあったので、コーンのほかにもボイリーなど丈夫なエサも用意したりとウグイ対策もしてきたのだが、今年は平和に釣りができそうだ。

 そういえば去年、ダンゴのついた仕掛けをポイントに投入したら、それをカモが見ていたようで、ポイントにもぐり、ダンゴと食わせを食べてしまい、ヒットしたことがあった。その釣り人のエサを狙ったカモは今年も健在で、寄せエサの冷凍コーンをひしゃくでポイントに撒いたら、2羽ほど寄ってきてしまった。幸い去年のように潜って食べだすようなことはしなかったが、かなり怖いものがある。

コーンにハゼ系の魚がヒット。釣れるんだ・・・ 橋の上流にちばさんが入った

 鯉の活性はいいはずだが、正午になってもアタリはなし。仕掛けの周りで遊ぶ鯉がたくさんいるので、食い気があれば小型がすぐにヒットすると思われたのだが、今日は食い気のない鯉が多く、食い気がある鯉が居ても、いつもより警戒心が増しているようで、仕掛けのまわりにある寄せコーンだけをいくつか拾って食い、そのまま去っていってしまうパターンが多かった。

 午後2時、ちばさんは竿をたたみ、早めに撤収してしまったので、僕はパンプカ用のシーバスロッドを持って下流にくだってみることにした。この時期になって連続ボウズはちょっと厳しい。先週の丸ボウズをひきずるわけにもいかないので、ブッコミで低層を攻めてもダメならと、パンで上層狙いに切り替える。

 センサーの受信機をズボンのベルトに掛け、パンを撒きながら少しずつ下ってみる。50メートルほど下ったところから、パンに反応する鯉が多くなってきた。寄せ用のパンよりも上流、あるいは下流に仕掛けを浮かせ、ヒットを待つ。ブッコミのコーン同様に、寄せ用のパンを1、2個食べて去る鯉や、鼻先でパンを突付いただけで去ってしまう鯉が多かったが、やる気のある鯉もときどき出てきてくれる。

 偏光グラスで見ると、表層で浮いている鯉が多く見られるが、そういう鯉の近くにパンを撒いたところで反応はなく、十分ほど前に撒いた寄せパンが岸辺の草などにひっかかったものに反応する鯉が多かった。やる気のある鯉は岸際にいることがわかったので、仕掛けもチョイ投げで、寄せパンを岸辺の草に引っかけるようにして撒く。

 北五番橋から100メートルほど下った地点ではかなりの鯉が出てきてくれたので、しばらく同じ場所からパンを少しずつ撒き続けてみる。警戒心からか、撒いたばかりのパンにいきなり食いつく鯉は少ないので、しばらくパンが流下するのを少し上流から見ながら、鯉がパンを食べ始めるのを待つ。

 数分して、ウグイが寄ってきたようで、パンの周りの水面がざわついた。その光景をみていると、ウグイのものよりも明らかに大きな波紋が出始める。そして、こげ茶色の口が水面から現れ、パンを吸い込んで沈んでゆく。これが数回続き、鯉が警戒心をゆるめたところで、上流から仕掛けをキャストする。すぐに針のついたパンにも反応する鯉が出たが、一度目は中途半端に口に入れただけなので、アワセずにやり過ごす。その後すぐ、別の鯉が仕掛けに近づいてきたのが川面に見えた。そして、いま、鯉がパンを吸い込まんとするそのとき!!!

バシャァァァァァーーーーーーーーーー・・・・・

 飛んできたカモが3羽、水面に浮かぶパンをみつけ、それを狙ってすごい勢いで川に着水!それに驚いて逃げてゆく鯉。僕もカモがヒットすることを避けるために仕掛けを回収。

 パクパクとおいしそうにパンを食べる3羽のカモ。確実にヒットさせるチャンスを、無にされてしまった・・・。ため息をつきながら、更に下流へ下り、新しくパンを撒きなおして次のチャンスを探す。しかし撒いたパンが着水するを見ていた3羽のカモトリオがまたしてもこちらに向かって泳いできて、寄せパンを食べ始める。

 しかたなく、今度はカモから50メートル以上離れた場所でパンを撒く。ここでは鯉の反応も出たので、仕掛けをキャストするタイミングを計る。鯉が次々とパンを食べだしたとき、仕掛けをキャスト。しかし、仕掛けの着水を見たカモ3羽組。今度は飛来して水面にダイブ!はっきり言ってこれでは釣りにならない。

「お願いだから、あっち行って!」
カモが見ていないすきに寄せパンや仕掛けをキャストしても、着水音で気づかれる。いくら場所を変えても3羽のカモは僕のあとをついてくる。完全に僕を「エサくれる人」だと思っているようだ。パンを完食してしも、僕の周りを離れずに、僕が新たにパンを投げるのを待っている。ちょっと驚かせれば少し離れるが、またすぐに戻ってくる。

カモ:「がぁ、がぁ(もっともっと、エサちょうだい)」

「釣り上げるぞコノやろぉ〜」

せっかく鯉が良い反応をしてくれているのに・・・ボウズを回避するには今がチャンスなのに・・・

正直、野生の鳥をここまで憎く感じたのは初めてだ(爆)

 創成川で釣りをする皆さん、カモにはホント注意してください。ここのカモはパンでもダンゴでもコーンでも、釣り人が投げるもの全てを、自分達のエサと認識しますから。しかも下手したら、「あ、あの人エサくれるぞ」って離れなくなりますから。


 あまりにもカモの猛攻がスゴイので、いったん退避する。釣り場に戻り、カモがこの近辺から離れるのを待つことにした。

 シーバスロッドを置き、ブッコミ竿の前で休憩していると、村上さんからメールを受信した。用事が済んだので、パンプカに参戦するとのことなので、僕ももう一度やる気を出す。カモが近くに居ないことを確認し、ブッコミ竿のエサ換えをし、村上さんが釣り場に到着してから、またシーバスロッドを持って川を下る。

 村上さんと一緒にパンを数個ずつ、歩きながら川に投げ入れると、やはり素直に反応してくれる鯉がいる。そして図々しいほどに反応するカモもいる。しかも、5羽。仲間を増やしていやがった。

 しばらくの間おとなしくしていたカモたちだが、とうとう僕達のパンを食べに泳いできやがった。これでは本当に釣りができないので、いったん針についたパンを外して、仕掛けだけをカモの近くに投げ入れ、驚かせてみることにした。カモの近くにキャストしては回収し、泳いで逃げようとするカモに追い討ちをかけるようにまた近くにキャストする。針のついている仕掛けなので、あまり近くに投げ込むと危険があるから、カモを中心に半径3メートルのところにボチャンと打ち込んで着水音で驚かせる。これを何度かやっているうちに、村上さんの仕掛けに何か大きめの魚がスレたが、すぐに外れて逃げていった(笑)

 僕達の攻撃に、カモたちはあっさりと退避していったものの、まだ油断ならない。こちらもカモに十分警戒しながら釣りを続行する。

 水面のエサを意識した鯉を探しながら、茨戸中間橋の近くまで下流にくだり、その後はまた上流へ、元来た道を戻りながら竿を振った。最初はいままでどおりに鯉の反応があり、何度かヒットチャンスはあったものの、どちらの食わせパンも鯉に十分に吸い込まれることはなく、空が暗くなるにつれて水面に出てくれる鯉が少なくなってしまった。どうしても一匹のアタリをもらいたかった僕は、暗くなる少し前まで粘り、ひたすら仕掛けをキャストし続けるものの、反応がないまま北五番橋の釣り場の近くまで戻ってきてしまった。

 今回もボウズかぁ〜〜と、うなだれながら釣り場への道を歩いていると、存在をすっかり忘れていたセンサーの受信機から突然ノイズが・・・!一瞬、混線かと思ったが、アンテナを指でつまむとセンサーのメロディが流れた。下がっていたテンションがふたたび上昇する。シーバスロッドを置いて、大急ぎでセンサーランプがついている竿のもとへと駆けつける。

 しかし竿をみても動いている気配はない。道糸はいくらか走った形跡があるので、とりあえず竿をもって引っ張ってみると、何かが掛かっているようだ。だが、根に入ってしまったのか、まったく動かない。仕掛けをキャストしていたポイントの周りには水草が密集しているので、入り込まれてしまったのだろうか。しかしどうしたことだろう・・・、引っ張ってもまったく動く気配がない。
しかたなく、ラインのテンションを完全に落として、魚が自分から出てくるのを待つことにしてみたが、それでもラインはピクリともせず。もう一度、竿をもって上、右、左と3方向から竿をあおってみたが、ビクともせず、これではタックルを痛めてしまう。

 夏休みにtadasiくんと3人でパンプカをしているとき、橋の上流に置いてあったtadasiくんの竿にアタッた鯉が、対岸の蛇篭ポイントに入って動かなくなったことがあったが、今、魚がいるのは対岸ではなく、水草しかないはずの、真ん中より少し手前。だが、水草に絡まれただけでここまで動かなくなるだろうか。水草を切るために竿を水面に叩きつけるように、上下左右に細かく振ったりしてみたがこれでもダメ。土手上の高い場所から竿をあおってもダメ。

 センサー受信機が反応してから、竿をもつまでの時間はおよそ10秒と少し程度だが、この短い時間でここまで深く、草に潜りこまれるだろうか・・?まったくもって意味不明なまま、20分が経過しようとしていた。空はすっかり暗くなってしまった。村上さんと話し、どうしようこうしようと色々な手段を試したが、どれも通用しないので、最終手段である「ラインを切る」という選択肢以外ありえないと思い、一度ラインを引っ張っる体勢に入ったが、朝からひたすら待ち続けていたアタリである。しかも、思うように釣果が伸びないスランプのなか。簡単にあきらめることができず、この状況に苦笑しながら、いままで試してきた全ての手段をもう一度繰り返す。

 最後のあがきに竿を縦に振りながら、普通なら完全にあきらめてラインを切ってしまうような状況を諦めずに奮闘していると、最後の最後で奇跡が起きた!なんと今までが嘘かのように、すっと軽くなり、暴れる鯉が水面に現れた。村上さんにネットインしてもらい、奇跡的なランディング!!

 上がったのは思ったよりも大分小さく、目寸50センチほどだったが、無性な喜びを感じる。金色の綺麗な鯉。これで心置きなく帰ることができる。


 動かなかった原因はおそらく、オモリが何かに引っ掛かっていたのだろう。この鯉をリリースしたあと、村上さんに手伝っていただきながら納竿をし、今回の釣りに終止符を打った。もしラインを切っていたら、ものすごいローテンションで、軽減している荷物がいつも以上に重く感じる帰り道だっただろう。魚のため、自分のため、いずれにしても諦めなくてよかった。