鯉釣り日記2006 初めての釣り場にて・・・
 釣行日 7月28日午後8時〜
7月29日午前11時
 場 所  茨戸川
 時 間


 今回も前回に引き続き泊りがけの釣行。ちばさんと茨戸川の山口で竿を出すことになった。

 7月28日、午前中を忙しく過ごし、午後7時にちばさんの車で釣り場へ出発した。向かうフィールドは毎年よく釣行する茨戸川だが、今回は普段釣りをしている場所よりも上流の、通称:山口だ。僕は山口、というか茨戸川の上流で竿を出すのは初めてになる。

 狭い道の木造の橋を渡り、いよいよ今回の釣り場、山口に到着。普段の釣り場は近くに国道がとおっていたり、住宅街が近くにあったりと結構町中だったのだが、このフィールドは自然を感じさせる。

釣り場ではすでに佐々木さんが竿を並べていた。僕とちばさんも早速準備を開始し、タックルセット完了が午後9時となった。僕はテントを設営した。今回も前回同様にダンゴを使う、配合は以下のとおり。

1本針 袋仕掛け(針:チヌ10号)

ダンゴ配合

龍王+炒りヌカ+はとのエサ+砂糖
この配合をベースとする。

食わせ:焼酎漬けの大豆

 1番竿はチョイ投げ、2番竿は30メートルほど投げてみる。佐々木さんはウグイの切り身をエサに、ちばさんはニンニクダンゴに食わせもニンニク。佐々木さんは竿6本、ちばさんは3本、僕は2本で合計11本の竿がフィールドに並んだ。最初にアタリがくるのはどの竿だろうか。

 この夜は風が弱く、すごしやすい。釣り場に訪れたbBさんと4人で釣り談義をしながらセンサーの受信を期待する。しかし、誰の竿にも変化がないまま、時間は刻々と過ぎてゆく。2度目のエサ変えで、ダンゴに麦茶ティーバックを入れることにしてみる。投入点は変えずにキャスト。

   70センチほどのライギョが泳いでいた

 深夜12時をまわった。ちばさんも佐々木さんも車に入ったので、僕も身のまわりをすこし整理してからテントに入ることに。しかし、なぜか気分が高ぶって眠れず、また外に出て、イスにすわってしばらく一人でボーっと過ごすことにした。

 気温はすこし涼しいが、気持ちのいい夜だ。音楽を聴こうと思い、携帯電話を取り出す。すでに携帯のデータに入っている着うたフルはすべて聞き飽きてしまったので、何か面白い曲がないかとウェブ上を探していて、ヒットしたのが、

「キョンシーのテーマ」

 古いなぁ・・・。そういえばレンタルビデオ屋に置かれているキョンシーシリーズは、いつ見ても全て貸し出されている。そんなに面白いのだろうか・・いろいろシリーズがあるようだが、今度借りてみよう・・・そんなことを考えながらキョンシーのテーマを聞き終え、次にヒットしたのが、

「蝋人形の館」

 なぜホラー系ばかりヒットするのだろう・・・。だが、これもなかなかいい曲である。エレキギターのハジケるような音は、聞いていてなかなか心地よいものだ。

 そんなこんなで音楽鑑賞した後は、イヤホンを外して視点を空に向けてみる。ここらへんは星がかなり綺麗にみえるので、イスの背にもたれながら、真上を見上げると、北斗七星や、ひさびさに流れ星もいくつか見ることができた。普段の生活ではあまり空を見上げることはない。街から少し離れただけで、こんなにも夜空を満喫できるとは思っていなかったので、少し感動してしまった。時間もエサ換えも忘れて、空に夢中になっていた・・・・

 視点を空から釣り場に戻すと、魚の気配が時間が経つにつれて色濃くなっていることに気づく。まだどの竿にも変化はないが、チャンスは十分にあるだろう。リラックスしてようやく眠気が差してきたので、竿を見る体勢のまま肘枕をついて目を閉じた。

 数十分後、肌寒さに目がさめ、鼻をすすりながらテントからTシャツを一枚とりだし、肌着の上に重ね着した。「夏だというのに、今夜は冷えるなぁ・・・」 ぶつぶつ冷夏に文句をつけながら、またイスに腰をかけ肘枕をつく。だが、その瞬間、ふと気づいた。
俺、バカか?せっかくテント張ってるのに何で肌寒さを我慢しながら外で寝てるんだ!?

正気にもどり、テントの中で暖かい寝袋の中で睡眠に入る・・・・・・zzz

 午前2時、クリックサウンドとセンサーのメロディで飛び起きた。アタっているのは、チョイ投げしていた1番竿。センサーのランプ点灯を見て僕の竿のアタリに気づいた佐々木さんが見に来てくれた。魚は糸を出したが、すぐに動かなくなってしまった。ドラグをしめて竿をたててみると、ゆっくりと寄ってくるが、重量が増している。どうやらゴミが引っ掛かっているようだ。しばらくして、多量の草とともに鯉の姿が現れた。佐々木さんにネットインしてもらい、上がったのは痩せ型の鯉。検寸すると69センチだった。

 とりあえず見ることができた釣果に一安心し、リリースしたあと、ふたたびテントに入る。

  69センチ。細身で痩せていた  

 1匹釣果があったということで、とりあえずほっとし、寝袋にくるまった。ここは自動車の音も少ないし、近くに街灯などもない。寝るにはなかなか心地がよい。スーっと体の力を抜いた。「シャカシャカシャカシャカ・・・」 テントの外で虫の声がする。これもまた、夏らしく風流でいいものだ・・。気持ちよく眠れそう・・・・・

「シャカシャカシャカシャカ・・・」

「シャカシャカシャカシャカ・・・」

「シャカシャカシャカシャカ・・・」(だんだん音が近づいてくる)

 「ちょっと、やかましいぞ?」

 だんだん近づいてくる虫の声。しまいには、テントの外の壁にくっついて鳴いている。いい加減うるさかったので、中から手でテント生地をドンとたたく。これでくっつていた虫も落ちただろうと思いきや、また2分後、

「シャカシャカシャカシャカ・・・」

 こんども、明らかにテントの外の壁にくっついてないている。また壁をドンと叩いた。一度や二度、壁を中から叩いただけじゃ逃げない虫もいるだろうと思い、確認のために、テントから出て、虫を探す。外壁には何もついていない。ようやく虫は逃げたようだ。寝袋に戻り、また睡眠の体勢に入る。

「シャカシャカシャカシャカ・・・」

「あ〜もぅ、うるさぁーーーーい!」と叫びたくなったが、ここは抑えておこう。目を瞑っても、虫の声が聞こえるたびに目が覚めてしまう。耳をふさいで寝たらどうだろう・・ってそれじゃあセンサーの音も聞こえなくなるじゃないか・・。

 もうしかたないので、大音量の虫の声がほとんど耳元で聞こえるなか、必死になって睡眠に全神経を集中させ、なんとか眠ることができた。眠るのにこんなに体力を使ったのは久しぶりだ(笑)

 空が白ばみ、エサ変えのために目を覚ましたころ、佐々木さんは早くも撤収の準備をし、車で釣り場を去ってしまった。

 佐々木さんを見送ってから、僕はまた同じダンゴを同じポイントに打ち込み、エサ換え完了。入り口を開放したテントで、朝食のアンパンを食べながら竿先を見つめる。ちばさんはまだ睡眠中のようだ。

  69センチ。細身で痩せていた  

 起きたときはまだ穏やかだった風が、日が高くなるにつれて強くなってタモ網をゆらめかせている。ちばさんは一度起床したのだが、仕事の疲れもあってか、また車に入って二度寝してしまったようだ。僕もしっかり寝たわけではないので(虫のせいで)、もう一度目を瞑ることにしよう・・・・。再び寝袋に戻る。

 午前9時ごろ、センサーが入った。アタっているのはどうやら2番竿のようだ。手にもった竿をかるく自分の胸元にひきよせながら魚の引きの感触を楽しむ。上がったのは40センチ台後半の鯉だった。ちいさいが嬉しい1匹だ。

  よくみると、シッポが半分欠けている。
だが、鯉らしい暴れ方をしてくれた。
 

 リリースしたすぐあと、ちばさんが二度寝から起床してきた。ふたりでイスに座りって談笑したり、釣り場周辺を探検したりしながら過ごす。風はかなり強くなってきたが、その風向きがこの釣り場にはちょうどいいようで、川からは鯉の活性を感じられる。

 終了予定時間だが、跳ねやモジリも頻繁に見られるので気になり、もう1時間延長してアタリをまってみる。すると30分後、延長した甲斐があり、ちばさんのセンサーがオン!糸が出されている。

ちばさん、ヒット! 上がったのは50センチ台

 上がった鯉は50センチ台。うれしいのは、ちばさんがいままで使用してきて、なかなか釣果が出なかった、ニンニクを食わせにした仕掛けにヒットしたということ。これでニンニクエサでも食ってくるということが判明された。これで心置きなく帰ることができる。午前11時、納竿し今回の釣行の終了となった。