鯉釣り日記2006 おっさんが教えてくれた
 釣行日 6月4日
午前8時〜午後6時
 場 所  創成川
 時 間


 先々週行った前回の釣行で、綺麗にボウズを食らった僕は、リベンジのため次週の5月28日の釣行を企んだが、その当日は降水確率90パーセントの雨で釣行はキャンセルとなった。また1週間「釣りがしたい病」の発作と戦いながら、やっと来た日曜日6月4日!この日は一日中晴天とのことで張り切って出発した。

 午前8時、山崎くんも一緒に、親父が運転する車でホームグラウンド 創成川北五番橋へと向かう。

 釣り場に到着するとすでに、滝川からの遠征中のtadasiくんが上流側で竿を出している。山崎くんはtadasiくんと初対面。お互い「はじめましてぇ〜」と挨拶を交わす。釣り仲間の輪が広がるのはなんとも喜ばしいことである。

 挨拶が済んだあと、北五番橋の上から川の様子をみてみる。この日の創成川はかなり水が少なく、北五番橋付近は水深60センチほどの場所が多く、とくに馬の背状になっている僕の定位置の上流側は水深40センチほどになっている。だが魚がいないわけではない。

 今回はいままで入ったことのない橋の下流側で竿を出すことにした。早速僕と山崎くんは竿を伸ばす。

 橋の上流にtadasiくんのロッドポットが立ち、3本の竿が並べてある。橋をはさんで下流には僕の1番竿、2番竿、山崎君の竿の順で竿が並ぶ。

 今回も定番のコーンを使う。山崎くんと僕の1番竿はいつもどおりのチヌ10、9号の2本針仕掛けだが、僕の2番竿はチヌ8号のヘアリグ1本針を使ってみることにした。

右側はいつもどおりの2本針仕掛け。1番竿、山崎くんが使用。
チヌ針9号、ハリス:巨鯉ハリス8号 5センチ。

左側はヘアリグ仕掛け、2番竿に使用。
チヌ8号、ハリス:巨鯉ハリス8号 15センチ。

オモリは両方とも固定式で、ひし形30号を使う。

コーンは、マルキューの食わせコーンの焼酎付け。

 
北五番橋の下流側は真ん中がフラットで奥と手前に金魚藻が群生している。いつもの上流側(今回、tadasiくんが竿を出している)のような葦などのブッシュポイントは無い。

 ふたりとも狙いは奥の金魚藻群生帯とし、3本とも同じラインにキャストを決めた。寄せエサ用の冷凍コーンもポイント周辺に撒き、準備完了。

今回は北五番橋の下流側に入釣 寄せエサ用のコーンを狙うカモ

 身の回りの整理をしながら、アタリ待ち場を土手上の並木の木と木の間に設営した。ときたま鯉の姿が見られるがまだ食う気配がない。だが、ときどき釣り場に訪れる釣り人の方々の話によると、魚の食い気はあるようだ。期待は大いにできる。

 僕の竿の横で山崎くん、tadasiくんと土手に座りながら計6本の竿の反応を待った。今日は空が青く澄み、風もさほど強くない。いい釣り日和である。3人の要望で、この北五番橋の守護神 村上さんにも釣行お誘いのメールを送ったが、「行きたいけど、昨日から38度の熱がある」と返ってきた。このメールをふたりに見せると「38度?・・大丈夫じゃない?はやく来てよ村上さん」と心ない言葉も聞こえたが、どうやら村上さんはインフルエンザでダウンしているらしい、残念ながら今回はお休みとなった。

 釣りを始めて1時間が経過した。僕と山崎くんはtadasiくんの釣り場に移動する。tadasiくんも今回のエサはコーン。いつも2本竿だが、今回は捨て竿を一本出し、その竿にはパンをつけて投入している。さきほどその捨て竿にアタリがあったようだが、残念ながらフッキングに至らなかったようだ。

 午前10時半、山崎くんが突然自分の竿に向かって走り出した。その後を追って僕とtadasiくんも走る。どうやら山崎くんの竿にアタリがあったようだ。山崎くんが竿を持つと、魚はグングンと走り出す。山崎くんがドラグを閉めて竿を立てても、ドラグをギィィ〜っと出し、右へ左へと走る。このくらい暴れてくれると見ている側にとっても面白いものである。最後に浮いた鯉を僕がネットイン。サイズは68センチ。

鯉が走り回るので山崎くんも後を追う 上がったのは68センチ。本日ファーストヒット

 山崎くんが使用するアタリブザーの音が届かない範囲にいたのに、談笑中によくアタリに気づいたと思った。

 このあと、僕と山崎くんはコンビニで飲み物とお菓子を購入し、tadasiくんを僕らの釣り場にお招きし、一緒にお菓子をたべながら次のアタリを待つ。スピーカーから音楽を流しながら、話に花を咲かせ、ひたすら笑い声を飛ばす。

 午前11時30分頃、僕は談笑の席から立ち、トイレに行ったあと、北五番橋の上から川の様子をみる。その視界に2匹の鯉が下流から上がってくるのが入ってきた。一匹は70センチほどのドイツ鯉、もう一匹は真鯉の50センチクラスだろうか。鯉は僕と山崎くんの仕掛けを見事にスルーし、tadasiくんのポイントに進入する。2匹はブッシュの影に入っていき、僕の目には見えなくなってしまったが、そのブッシュの奥にはtadasiくんの仕掛けが置かれている。そして数秒後、tadasiくんのタックルから糸が出される。ヒット!山崎くんと談笑中だったtadasiくんは急いで竿のもとへ駆けつけ、ファイト。山崎くんがネットインしたのはドイツ鯉と一緒に泳いでいた真鯉だった。サイズはやはり50台後半ほど。

tadasiくんヒット! 50台後半の鯉が上がった。食い気は立っているようだ

 これで山崎くん、tadasiくんのボウズは免れた。次は自分の番だと気合を入れるが、同時に「自分だけボウズだったら嫌だな」という思いがよぎる(笑)

 時刻は正午をすぎたので、tadasiくんの釣り場の土手にてそれぞれ持ってきた弁当やコンビニのおにぎりで昼食タイムを取る。僕の昼食はセイコーマートの超でっかいおにぎり(おかか)に、焼きそば、ココア。ライギョ釣りをしにきていたTさんも訪れたので、一緒に、穏やかな時間をすごす。

 ひさびさに晴天の下、芝生の上で食べる昼食は最高にうまい。僕は小食なほうだが、何を食べるにしても完食するのは早い(笑)今日も一番先にに早々とたいらげ、川を見ながらボーっとしていると、僕のポケットからセンサーの受信音がなった。一瞬ドキっとして竿のほうをみると、コーンを4粒ほどつけたヘアリグ仕掛けのほうの竿(2番竿)に当たってる。魚は隣の一番竿のラインをくぐりながら、上流へと走る。1番竿を難なくかわし、上がったのは64センチのアベレージサイズだった。

  僕にもヒット!64センチ  

 ちょっと痩せ型だが、綺麗な鯉だ。これで全員ボウズは無くなった。ひとまず安心、これで心置きなく帰ることができる。あとは、それぞれ2度目のアタリを期待するばかりだ。

 午後からはtadasiくんの釣り場ですごすことにし、3人で土手上で話し込む。しかし、山崎くんは無線式のセンサーを使用しているわけでもないのに、自分の竿が橋の影にかくれて見えないこの場所で、よく安心していられるものだ。僕ならじぶんの竿が気になってしょうがなくなるだろう。さきほど山崎君にヒットしたとき、ブザーの音が聞こえたわけでもなく、竿を見ていたわけでもなく、即座にアタリに気づいていた。少々不思議に思ったので、話を聞くと山崎くんはこう言う。

「おっさんがアタリを教えてくれた。」

 おっさん・・?山崎くんにヒットしたとき、釣り場には僕ら3人しかいなく、3人とも一緒にいたのだが、アタリを教えてくれたおっさんなんて見ていない。

 少々オカルトな話になるが、山崎くんは小さい頃から霊感が強く。彼の身の回りには僕には理解できないようなシュールな現象が多発している。彼は露骨に「幽霊」、「おばけ」のたぐいを見ることができ、ときどき話もしているようだ。「友達と話しているつもりが、実は話し相手はオバケさんだった」と山崎くんは言うが確かに、ふたりでいるときも、彼は、僕が一言も何も言っていないのに、「ふぅ〜ん」だとか「え?マジで?」だとか、相づちを返してくることが小学生の頃から多々あったが、おそらくそれがそうなのだろう。

 そんな山崎くん今回は「おっさんの霊」がこの釣り場にいると言う。おっさんは、山崎くんの竿にアタリがあったとき、山崎君の前に来て、目で何かをうったえた、何かと思って竿のほうを見ると竿が舞い込んでいた・・とのことだった。だから、自分の竿が見えない場所にいても、ブザーの音が届かない場所にいても、「おっさんの霊」が知らせてくれるから大丈夫だ」と安心しきっている。僕とtadasiくんにはまったくわけがわからない。

 その「おっさんの霊」はいま、僕と山崎くんが設営したアタリ待ち場の、僕の折りたたみイスに、立ったり座ったりしているという。僕は「おっさんの霊」がいると言うイスに近づいてみた。

僕:「いま、おっさんの霊どこにいる?」

山崎くん:「すわってるよ、イスに」


イスを見るが何も見えない。納得のいかない僕は、「おっさんの霊」が座っているというイスを蹴った。

山崎くん:「あーー!やめろって。そういうことされると、見えている側の俺にとったら、ものすごく怖い」

マジかよ!?

山崎君に「おっさんの霊」のことをいろいろ聞いてみる。

:「アタリを教えてくれたってことは釣り人の霊?」

山崎くん:「いや・・どうだろう。スーツ着てるけど・・?」

:「釣りが好きだったのかな・・。今、おっさん何してる?」

山崎くん:「折りたたみイスに座ってタバコ吸ってるっぽいよ。霊でもタバコって吸うんだね」

・・・彼と一緒にいると、間近に心霊現象を目の当たりにできる。

  山崎くん曰く、この折りたたみイスに「おっさんの霊」が座っているという・・。僕には何も見えなかった。  

 オカルト話で盛り上がりながら、アタリを待ち続けるがセンサーの反応はなく、山崎くんのアタリを教えてくれる「おっさんの霊」も動かないという。少々暇になってきたので、3人で定番のトランプで「大富豪」だの「ババ抜き」だのゲームを楽しむ。山崎くんが来ると、トランプは定番になるが、これがなかなか盛り上がって面白い。風の強い日はできないが、今日のような穏やかな日には最高の暇つぶしになる。

  3人でトランプゲーム  

 午後4時、夕マズメのベストタイムに入る。魚の活性はあがり、泡付け、跳ね、もじりが出るようになった。最後のエサ換えをしようかと考えたが、せっかく仕掛けの周りで出ている泡付けを消してしまうことになりかねないので、そのままにすることにした。

 タイムリミットの迫る中、最後にどれかアタらないかと期待していたところ、tadasiくんの釣り場で2羽のカモを引っ切り無しに空中から水面へダイブする。陸に上がって飛んではダイブ、陸に上がっては護岸から飛び降りてダイブ・・tadasiくんのラインにひっかかる擦れ擦れのところでバチャバチャ暴れてくれる。追い払ってもしつこく現れる奴らには手がつけられない。

 そして、こんどは僕と山崎君の釣り場にて、小学生の投石祭りが始まった。石やアスファルトのかけらを拾ってきてはあちらこちらに投げまくる。山崎くんの「悪いけど、ここで石投げないでくれる?」という忠告も見事に無視され、思い切り遠投をかまして、僕らが狙っている金魚藻の群生帯にドボンと落ち「やったぁ〜、新記録〜♪」と喜んでいる。案の定、泡付けも跳ねもなくなり、午後6時、アタリのないままこの日の釣行はここで終了。
カモと小学生、あんたら怨むぜ?

 でも、3人とも一人一匹の申し分ない釣果なので満足できる釣行となった。またこのようなメンツで釣りがしたいと思う。
いまから楽しみだ。