鯉釣り日記2006 2006年初釣行
 釣行日 3月5日
午前9時〜午後5時
 場 所  創成川
 時 間


 2006年度のスタートを切る初竿出しは去年一番お世話になった釣り場、創成川の北五番橋で行うことにした。

 最近の札幌はプラスの気温の比較的暖かい日が多く、雪解けも例年よりも早めに始まっているようだ。川の水温の上昇も早いのか、新川で70台が上がっているという情報がよく入るようになり、長い長いシーズンオフゆえに禁断症状が危なくなってきた僕もそろそろ出動することにし、準備をはじめた。

 以前から釣行予定していた3月5日の朝、メールの着信音で目が覚めた。送信元は釧路から帰札していた前川さん。「新川で70台を釣った」とのこと。これをみてテンションをあげた僕はすぐに朝食をすまし、防寒具を準備。初釣行に出る。

 今回の釣行候補地は好調の新川、そして創成川。2月ごろから釣果が聞かれる新川が確実だろうが、ひたすら迷ったあげくに思い切ってあまり情報が聞かれない創成川に行ってみることにした。ほぼ無情報なだけに川がどんな状況になっているかわからなかったので、創成川のポイントをみて、釣りにならなそう、もしくは釣り場に入れなそうだったら新川へ行くことにする。

 午前9時半、北五番橋上流に到着。橋の上から川をみると、もともと水量の少ない川なのに更に減水している。水深は1メートルない場所がほとんどで、最浅部で50センチほどだった。だが鯉が泳ぐ姿が見れたので魚は動いていることを確信した。問題は竿を出せるかどうか。去年の年末釣行では釣り場の雪掻きに苦労した。いまはどうなっているのだろう・・暖かく雪解けが早いと言っても川の土手はかなり雪があるはずだ。最近は昼間の気温がプラスになることが多く、かなり解けるのだが、夜間は冷え込み、昼間に解けたものが硬く凍結する。スコップが簡単に通らないほど硬くなっていることを恐れて金属製のスコップを用意してきた。

 しかしなんのことはない、例年より雪が少なく釣りに支障はなかった。足を入れても埋まることも滑ることもなくいい塩梅の雪質になっている。めんどうくさい雪掻きの必要性がなくなった。早速竿を出す。

 今回は新しく導入したリールと仕掛けの試しをかねた釣行だ。リールはいままで使っていたものが古くなったので、千葉の青師のUさんから使わなくなったというスピニングリール、プロカーゴ6000遠投を安価で売ってもらえることになり、迷わず購入したのだった。

 仕掛けは今年からちょっと手を出してみようと作ってみたヘアリグ仕掛けとボイリー、そしてセーフティボルトシステムを自作しようとしてテキトウにパーツを組み合わせていたらできてしまった2種類のリグ。(仕掛けBOXを参照)

ハリス:巨鯉ハリス8号
針:チヌ8号

オモリ部は自作の2種類
左側はパイプ天秤風、右は固定式中通し式
ボイリー チョコバニラ玉

小麦粉200グラム+卵2個+バニラエッセンス+溶かしたチョコレート

 1番竿は川の対岸近くの駆け上がりのようになって深くなっている場所に、2番竿は川の真ん中の水深60センチほどの場所に打ち込んだ。そのまわりに柄杓で数粒のボイリーを撒き様子をみる。

 はじめて作ったボイリーはチョコバニラ玉。前日に作ったのだがチョコレートもバニラも配合量が少なかったのか、出発前に袋から出して様子をみると匂いが飛んでしまっていた。もともと薄い茶色だったのだが、ゆでて乾燥させると飴色がかかり、まるで皮をむいた甘栗そっくりの姿になってしまった。このボイリーを皿にいれ、妹に「この甘栗食べていいよ♪」と言って渡すと、まんまと騙されて、口に入れてすぐに吐き出した(笑)

 釣り場を訪れた釣り師のおじさんたちと会話しているとあっという間に1時間が経過した。ボイリーの様子見のために仕掛けを引き上げてみる。新しいリールは巻き味がよく以前のリールにあった巻き取り時にかかる変なバイブレーションが全くない。一発で気に入った♪ボイリーはやはりそのまんま上がってきた。仕掛けのほうは・・?

 2番竿に使用していた固定式中通し式は異常なし。1番竿のパイプ天秤風のほうは、捨てオモリが甘すぎ、引き上げただけでオモリが外れてしまった。これではオモリ捨て放題で逆に環境によくないではないか。再改良のためにパイプ天秤風をはずし、1番竿にも固定中通し式を装着した。ボイリーは換える必要がないのでそのまま使う。1番竿の投入点はかえずに打ち直した。2番竿は川の真ん中に投入していたのだが、橋の上から泳ぐ鯉をみるかぎり、真ん中よりも対岸近くの駆け上がり付近よりに泳ぐことが多いので、2番竿も駆け上がりを狙って投入した。

新しく導入したリール ダイワ プロカーゴ6000遠投

 午後に近づくにつれて少し風が出てきた。気温は寒くないのだが風が冷たいので体感温度が低く感じる。温かいものがほしくなったのでコンビ二へ昼食と飲み物を買いに出かけることにした。だがちょっとその前に、橋の上から川の様子を見ておきたい。財布と一緒に偏光グラスも持って折りたたみイスから立ち上がる。

 川はすこし水量を増したようだ。それでもまだ夏場よりも水位が低い。僕が投入した仕掛けとボイリーが横たわっているのが見える。

 近くには鯉が数匹泳いでいるが、食い気はないようで、ボイリーに興味を示さない。寄せエサとして撒いたボイリーも減っていないようだ。もともと匂いが飛んでしまった失敗作であり、色も地味なので低水温時の鯉にはちょっと厳しいだろうか・・ちょうどそのときまた新川にいる前川さんからメールが入った。2匹目が食パンで釣れたようだ。この時期はジャミがいないので食パンがかなり使いやすい。ボイリーも気になるがここは臨機応変に僕もパンを試してみようと、コンビニで昼食と一緒に食パンも一袋購入し、釣り場に戻るとヘアリグを回収し、かわりに2本針仕掛けに食パンの白身を潰したものをたっぷりとつけて投入した。

  エサを食パンに変更してみた。  

 エサを食パンに変えてから1時間が経過した。エサ変えのために仕掛けを引き上げると、まだ針にパンが残っている。ジャミのいないこの時期は食パンでも2〜3時間余裕で持ってしまうのだ。新しいパンに付け替えて同じ場所にキャスト。今度は橋の上から水中の仕掛けとパンの様子をみる。

 針に刺さったパンはゆっくりと膨れ上がり、浮力をましてハリスを浮かせている。川の流れに煽られながら水中をただようパンがルアー効果しているのか、通りがかる鯉はみなパンの前で泳ぐスピードをゆるめ。じっくりと観察している。偏光グラスをかけて、ポイント周辺を見渡すと、いつの間にかポイントに鯉がたまり始めていた。パンに対してそれほど警戒心は持っていないようだ。だがやはり殺気を感じるのだろうか、いまにも食いつかんばかりにパンに接近する鯉もいるが、じろじろ観察するばかりでなかなか口を使ってくれない。仕掛けのまわりには常に5,6匹はいて、パンを狙っている。これだけいれば、ヒットするのも時間の問題だろう。期待が高まる。

 ときどきエサ換えをしながら、橋の上からポイントをうろつく鯉に「食ってくれ〜、掛かってくれ〜」という念を送ることまた2時間。新川での釣りを終えた前川さんが訪れ、橋の上から一緒に謎の「食ってくれ〜」コールを鯉に送ってくれたが、どの鯉も仕掛けの周りをうろつくばかり。鯉の食い気はまだ弱いようだ。だがパンには興味をしめしてくれる。魚全体の活性はよく、ボラやナマズも泳いでいるのが見える。鯉も次から次へと現れ、「なんだこれ、うまそーだな」とパンに寄ってくる。

 前川さんと橋の上から鯉をみながら話していると、推定60センチクラスが1番竿のパンをパクっとくわえてくれたが、吸い込みが弱かったのか針がかりせずにパンと一緒に針も吐き出されてしまった。吐き出された空になった1番竿の仕掛けを引き上げ、新しいパンの準備をしていると、2番竿にヒット!プロカーゴからクリック音が奏でられた。

 ヒットした鯉は糸を引き出しながら元気よく走りまわる。去年11月の釣行以来、ひさびさに鯉の引き・・最高に面白い。前川さんにタモ入れしてもらい、上がった鯉は69センチ。2006年度初物の鯉だ。

2006年の初鯉。楽しいファイトをしてくれた♪ ★69センチ★

 鯉をリリースしたあと、前川さんが釧路へ帰ったので、僕はまたコンビニへ行き温かいコーヒーを買って、釣り場でそれを飲みながら次のアタリを期待した。風がさらに強くなったため、水面が波立ち偏光グラスをつけても鯉の姿もパンも見えにくくなったので、釣り場に戻ってイスに座りながらおとなしくセンサーが鳴るのを待つことにする。

 しかしそれから2時間経ってもヒットする気配がなく、気温もどんどん下がってきたので今回は納竿することにした。
毎年、初釣行=ボウズだったのだが、今年は1匹釣れてくれたのが嬉しい♪

春〜秋はジャミの猛攻撃にあって使い物にならなくなっていたパンが冬にここまで威力を発揮するとは驚いた。ジャミが出てこないうちにまた、パンをもって釣行したい。